独り言を『ささやいていく』適当に!

後で『思い出すため』に書いたメモのようなブログです。

Winny【映画の感想】

2024-07-06 10:48:53 | ⑤長めの感想(映画+アニメ)

2023年のドラマ映画。微妙な作品だった。

 

ファイル共有ソフト『ウイニー』を開発した金子。彼はネット上でウイニーを公開する。
だが権侵害の事件が起き始めたことで金子は逮捕され『著作権侵害ほうじょの罪』での裁判が始まる。

 

実際に起きたウイニー事件を描いた作品なので、『事件を知る』という意味での楽しみ方はあると思う。

ただ、悪い意味でけっこう気になるところはあった。

主人公『金子勇』は人をあまり疑わないような性格なのか、警察に言われた通りに誓約書を書いてしまう。結果『ファイル共有ソフトが悪用されることを自覚していた』判断され、裁判が起きるという流れ。


この話は一般的な映画作品の場合は『安易なシナリオ』とか『否定的な考え』をもつ人がいるかもしれない。しかし実際に金子勇は誓約書を書いている。それは『警察を信用していた』からだったというのは理解できる。それ自体に問題はない。

問題は金子勇という人物がどういう人なのかが劇中であまり描かれていないこと。彼ならサインをするだろうな!と思わせるように描いていないので、作品を観る人間は困惑する。

少年時代の話は少しだけ出るがそれ以外は、ウイニー完成後の話ばかり描かれている。どういう性格なのか?大学の教員としては?歳まで出てこない姉は?明らかな人物の描き不足によって面白味の無いキャラクターになってしまっている。

それと警察の裏金問題を描いた理由が分からない。ある警察官が警察組織の裏金問題を告発するという話だけど、金子勇や裁判劇に『ほぼ』関係無い。本編と無関係と言える話が時々入ることで『無駄なノイズ』が生まれてしまっていた。

結末で『金子勇の葬式と姉が登場』した後にテロップが流れる演出、ジョージオーウェルの小説を安易な台詞説明をする演出にも困惑した。

中盤から終盤にかけて盛り上がるポイントが少なく、淡々と話が進んでいくような感じは少ない情報を無理やり伸ばしているような冗長性を感じる。ともかく無駄に長く感じた。

話を大幅にカット、警察裏金問題は全部カット、事件前の金子勇の人物像を描く時間を増やす。警部補「北村」と金子・弁護士側との対立強調という形に修正していたら、もっと印象は良くなったかもしれない。

事件自体を知る意味では見て損は無かった。けど映画としては微妙な出来だった。

余談だけど、金子勇(本人)は早口で語るタイプで、言葉のアクセントに少し癖がある人。劇中での金子勇は台詞回しが遅い。両者は『かなり印象が異なる』ので気になってしまった。