2016.9.2 ~ 2018.11.21
(写真は、千住の芭蕉像)
五街道を踏破した後は、 以前から興味があった松尾芭蕉の
「奥の細道」を、残りの生涯をかけて踏破しようと思って
いました。
ところが、奥州街道踏破を目前にした白河の関の手前で
股関節炎を発症!
整形外科医の指示で、街道歩きに1日5キロ以内の制限が
加わってしまい、奥の細道踏破の壮大な計画は断念せざるを
得なくなりました・・・
そこで、白河の関から先の奥の細道の史跡へは、別途、
パックのバス旅行で廻ることにしました。
もともと、奥州街道の千住から白河までのコースは、
奥の細道のコースと重なります。
と言う訳で、「奥の細道・バスの旅」の序章として、千住~
白河を歩いたときのブログのうち、奥の細道に関する記載を
以下に抜粋しました。
--「千住」--
千住大橋を渡り、日光街道の一番最初の宿場だった千住宿に
入って行きます。
千住宿に入ると、旧日光街道は、「中央卸売市場・足立市場」
のところで、国道4号(日光街道)と分かれ、右手の細い道
を直進して行きます。
千住宿は、本陣1、脇本陣1、旅籠55の他に、遊女屋が
36軒もあり、品川・新宿・板橋と共に、江戸4宿の一つの
歓楽街として大変賑わっていました。
旧日光街道の入口右手には、 芭蕉の旅姿像があり、その前
には、「日光道中 千住宿」の石碑が建っています。
”鮎の子の しら魚送る 別れ哉 (芭蕉)”
更に進むと、左手に「千住宿歴史プチテラス」(貸し出し
ギャラリー)があり、その門の左脇に、前頁の写真の芭蕉
句碑がありました。
白魚は2月頃に産卵のために隅田川を遡り、若鮎も3月頃に
それを追いかける様に隅田川を遡ります。
千住まで見送りに来た門弟達を”鮎の子”に、送られる自分
を”白魚”に見立てています。
--「草加」--
”草”を”刈”って、草加新道を開いたのが、「草加」の
地名の由来だそうです。
その後、1630年に、千住宿~越谷宿の「間の宿(あいの
しゅく)」として、「草加宿」が設けられました。
日光街道は、草加宿の外れの神明神社の前の道を進むと、
直ぐに、大きな道路に突き当たり、右手に、上の写真の
松尾芭蕉の弟子の曽良の像がありました。
この道路に合流した先が、日光街道屈指の景勝地である
草加松原の「松並木公園」です。
江戸時代から、「草加松原」として親しまれており、
「おくの細道」にも登場し、松尾芭蕉も歩きました。
松並木の街道に入ると、直ぐに、前頁右の写真の「松尾芭蕉
像」がありました。
芭蕉像の前の綾瀬川沿いには、前頁左の写真の「札場河岸」
跡公園があります。
江戸時代、江戸との主な物流は、綾瀬川の水運でした。
舟の荷は、この「札場河岸」で積み下ろしされました。
絶景の松並木の遊歩道は、気持ちの良い快適な散歩道です!
平日ですが、観光客らしき人々以外にも、地元らしき人々
も大勢歩いています。
(芭蕉文学碑)
--「粕壁(春日部)」--
「春日部(かすかべ)」宿は、江戸時代には「粕壁(かす
かべ)」宿と書きました。
春日部宿は、江戸時代には、古利根川で江戸とを結ぶ船の
交易路として賑わい、米麦の集散地として栄えました。
春日部宿の入口の変形十字路の向こう側に、松尾芭蕉が
最初に宿泊したと言われる「東陽寺」の屋根が次頁の
写真の様に見えます。
信号を渡って、東陽寺の境内に入ると、本堂の階段横に
次頁の写真の様に、「廿七日の夜、カスカベニ泊マル。
江戸ヨリ九里余」と、曾良の旅日記の文章の一部が
石碑に彫られており、その左下には芭蕉と曾良の旅姿
も彫られていました。
--「日光」--
日光東照宮への入口である日光橋の左手には、下の写真の
「神橋(しんきょう)」があります。
この朱に塗られた橋は、奈良時代の1250年に、「勝道上人」
によって創建されたと伝えられる国の重要文化財で世界遺産
です。
このアーチ型の木造反り橋は、山口県の錦帯橋、山梨県の
猿橋と共に日本三奇橋と呼ばれているそうです。
神橋の下を流れるのは、大谷川の清流で、神秘的な雰囲気が
漂います。
この様な神秘的な風景の中で芭蕉も句を残しています。
”あらたうと 青葉若葉の 日の光”
(青葉や若葉に差し込む日の光は、この日光山のご威光
そのもので、実に尊いものだ。)
東照宮は、1617年、二代将軍秀忠によって造営され、三代
将軍家光によって建て替えられて、現在の豪華絢爛な社殿群
になっています。
徳川家康を祀る境内には、国宝8棟、重要文化財34棟を
含む55棟の建造物が並びます。
東照宮は、今回、私が行った時は、数十年に1度の平成の
大修復中でした。
上の写真は、「輪王寺大猷院(たいゆういん)」の山門で、
三代将軍家光の霊廟です。(550円)
東照宮を凌いではならないという家光の遺言により、黒と
金を基調とした落ち着いた造りに抑えられているそうです。