ウォーク更家の散歩(東海道・中山道など五街道踏破、首都圏散策)

中山道を歩く(27:長久保) 長野県長和町 8 km 2013.10.14


(写真は、真田雪村の娘の嫁ぎ先の「石合家本陣」)

長久保宿は、八ヶ岳連峰を望む高原の宿場町で、上田方面
への分岐点であり、また、和田峠と笠取峠の上り口として、
旅籠44軒を数え栄えたそうです。

宿場町は、L字の形をしており、横棒の部分が横町、縦棒
の部分が竪(たて)町です。

竪町と横町の交差点に、下の写真の「善光寺道標」があり
ます。
ここから北国街道へ向かう上田街道(善光寺道)が分岐して
います。

道標には、写真の様に、”中山道 長久保宿 左ぜんこうじ”
とあり、ここから「上田城下」へ通じていました。

当時は、「上田道」と呼ばれており、上田は、あの「六文銭」
の家紋で有名な真田雪村の城下町でした。
また、長久保は、戦国時代には上田の真田家の代官が支配
していましたが、現在、本陣に住んでいる方は、その代官
の子孫だそうです。

下の写真の「一福処・濱(はま)屋」は、明治初期の旅館を
利用した長久保歴史資料館になっています。


  



  





上の資料館の展示写真は、明治初期の長久保宿です。


上の写真は、屋根門を持った「石合家」(非公開)ですが、
この家は、中山道で最古の本陣だそうで、大名が使用した
御殿と表門は、現存する遺構だそうです。

案内板によると、この石合家は、何と!
真田雪村の娘の嫁ぎ先だそうです!

長久保宿は、ホントに、真田一族の支配下にあったんです
ね~!



(古久屋)

本陣跡の隣は、造り酒屋であった「釜鳴屋(竹内家)」
(非公開)で、下の写真の様に、本卯建(うだつ)が
ひときわ目を引き、県内最古の町屋だそうです。


下の写真は、江戸時代には旅籠だったという「濱田屋旅館
(黒沢家)」で、現在も営業していて、中山道を歩く多くの
人々に利用されているらしいです。
(現在の建物は、明治初期の3階建て建築。)



上の写真は、横町の旅籠・竹重家で、当主は幕末の蘭方医
だったそうです。
長久保宿を抜けると、直ぐに国道に合流します。

国道を歩いてゆくと、やがて下の写真の「四泊の一里塚」
の説明板がありました。



中山道は、国道を更に歩き、依田川に架かる依田橋を渡り
ますが、川を渡る手前に、上の写真の中山道のモニュメント
の休息所がありました。

広重の浮世絵は、この依田橋に、満月がかかる夜を描いて
います。

手前の人物は、犬と遊ぶ子供、馬を引く馬子で、馬の尻掛け
には、版元である錦樹堂の商標である”山の形に林”が白く
染められています。
また、橋の上は、旅人を乗せ馬子に引かれる馬、天秤で荷物
を運ぶ農夫、風呂敷を背負い杖をつく旅人が影絵で描かれて
います。

この先の中山道は、依田川沿いです。

左手は依田川、右手は屏風の様な山、その中を和田峠に
向かう緩やかな上り坂の国道を歩いてゆきます。


上の写真、道路脇に何があるのだろう?

と思って近づいてみると、何と!
可愛らしい茅葺き屋根のバス停でした!


(街道沿いの馬頭観音)

緩やかな上り坂を上ってゆくと、やがて左手に、下の写真の
「三千僧接待碑」という変わった名前の碑がありました。

ここは、諸国を遍歴している僧侶を、無料で接待した場所
だったそうです。

この碑は、当初は、”一千僧”で建てられたのですが、目標
の一千人の僧の接待を達成したので、目標を三千人に変更
したそうです。
この碑もよく見ると、一千”が”三千”に直されています。
面白い!
(街道沿いの古い石碑)
街道沿いの馬頭観音などを眺めながらしばらく歩くと、上り坂
が一段落して、こんもりとした木立の中に、若宮八幡神社が
ありました。


若宮八幡の境内には、芭蕉の句碑がありました。

”あの雲は 稲妻を待つ たよりかな”

(空を見上げると、今にも降り出しそうな真っ黒な雲があり、
 あれを見ると、やがて雷鳴がとどろき、稲妻も光るだろう、
 と見たままの自然現象を詠んでいるのだそうです。)

また境内には、和田城主・大井信定父子の墓もありました。


暫く歩いて、下の写真の「下和田の一里塚」を過ぎ、やや急な
上り坂に変わると、もう和田宿です。

「是より和田宿」の石碑が見えました。


長久保宿から和田宿までは、約8キロです。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「街道歩き」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事