今年もよろしくお願い致します。
さて。
正月早々ではありますが、私が休みの日と外気温が暖かい日が重なりましたので、思い切って嘴削りのために病院へ行ってきました。
年始なので患者さん少ないかと思ったけど、そこそこの人数がいてびっくりしました。
まぁ闘病中の子たちからしたら正月も何もないですもんね。
嘴削りごときで通院してすいませんって気分です。
いつものように最初に体重を計ったときに、体重が増えていることにふと先生が眉をひそめました。
昨年の産卵騒ぎのときに卵胞がたくさんあったのをエコーで確認して以来、産まなかった卵胞の行方を先生はずっと気にしてくださいます。
私も「ごはんの量も回数も減らしているのに体重が増え続けている」ことに関しては懸念があったので、先生にそれを伝えると、先生が珍しく饒舌に面白い話をしてくださいました。
今まで日本の獣医は「卵管・卵巣を摘出してしまえばもうタマゴが出来ることはありません」と患者に伝えてきたが、外国の研究で、卵管卵巣をすべて失っても数年後に卵胞を作る亀が多数確認されている。ということ。
卵管卵巣をすべて取り除いた亀に対して定期的にエコー検査を実施した結果、どこから発生しているのか全く分からないが、卵胞が新しくできている個体がいるというのです。それも「多数」。
「卵管・卵巣の取り残しではないか」という疑問も投げたが、多数の医者が多数手術を行っている中で、それだけ相当数の個体の取り残しがあるとはどう考えても考えにくい。
もちろん卵管がないので、それが殻のついたタマゴにまでなることはないが、卵胞のままずーっと体内に在り続けるケースがあるというのです。
現在の時点で、卵胞を長期間持ち続けてもそれが何らかの病変になったり、それで体調を崩したりという個体がいなかったため、本亀に何の異変もないので飼い主も気付かないから表面化しなかっただけで、おそらく今まで手術した個体の中にもそういう子はたくさんいるだろう。
つい最近そういう研究を知ることになり、いままで手術してきた飼い主さんには「今後タマゴができることはない」と伝えていたことが今後は覆されることになると先生はおっしゃていました。
そしてうちのように卵巣・卵管がまだある亀においても、今までなら「タマゴができるか、卵胞が吸収されてしまうか」の二択だと信じていた私たちにとって「卵胞のまま長期間体内に持ち続ける」という第三の事例が存在する可能性が出てきたわけです。
殻つきのタマゴになって、うまく産めなければ促進剤なり、手術で取り除いてしまえばいい。
でも卵胞のまま在るだけの状態だと未知なんです。
元気だし、ごはんも普通に食べる。生活に何ら支障がないので特に何も処置はできない。でももし体内で黄身が腐って炎症を起こしてしまったら(これは実際に先生がその可能性をおっしゃっていました)、体内に卵胞がずっとあることで予想もしない事態も可能性として想定しないといけないわけです。
ツイッターでフォローさせていただいており、昨年のお散歩会にも来てくださった子で、この病院で実際に卵管卵巣を摘出したアカミミガメさんがいます。
「卵巣卵管が無くなっても、卵胞を作る可能性は決して低くない」
この研究結果をその子と飼い主さんにもお伝えしたかったです。
ブログを見てくださるといいのですが。
甲羅で身を守る以外の生き残り方法を持たない生き物です。
生き物の雌としての、種の保存への本能が卵胞を作らせるんでしょうか。
生き物はまだまだ未知数です。
特に亀のように研究がまだまだの生き物は、これからもこんな驚きがどんどん出てくるんでしょうね。
とりあえずうちの対策としては、いままでのように毎日の様子をちゃんと観察。
「いつも」と違うことがあれば記録。
体重はなるべくこまめに測る。
幸いにも毎月病院に嘴削りに通院してますので、何かささいなことでも気になることがあれば報告。
場合によってはエコー検査をお願いする。
とまぁこんなとこでしょうね。
言ってみれば昨日までと何も変わりません。
観察は常にしてるし、体重は・・・・まぁもうちょいこまめに測ろうかな(笑)
今日は午後から好き放題伸びていました。
足がごぼうのようです。
未知の生き物だからこそ、観察そしてこういった情報交換も大事。
みんなで大切に育てていきましょうね。
今年もよろしくお願い致します。
※お散歩会ことしもやるよ。
ちょっと日程で悩んでるので近日中にお知らせしますね。