一戸建て住宅の郵便受けには、ピザ屋とリフォーム業者のチラシがよく入るが、ヘンなチラシも入れられていることがある。今月はじめ、我が家の郵便受けには横幅は葉書よりも数ミリ大きく、縦サイズはそれより7㎝ほど長い割と厚めのチラシが入れられ、表の大見出しには「始まった、世界の大変容」とあった。
この見出しの下には「世界教師の出現と70億の目覚め」の一文。見出し上には「石川道子来日講演会」と銘打っている。石川道子氏の名は初耳だったが、チラシ表の最上部には「米国エール大学院で国際政治学を修めた講演者が、35年以来献身的に携わってきた史上最大のストーリーとは?」という宣伝文句も。チラシには石川氏のプロフィールも載せている。
―大学院修了後、新しい代潜教育プログラムの開発、運営に従事。1980年にベンジャミン・クレームの著書に出会い、世界の諸問題の永久的全面的解決の方向を確信、以後クレーム氏の著書の英語版の編集、日本語版への翻訳・出版と同時に国際月刊誌「シェア・インターナショナル」の日本語版の監修責任を負う。当初より35年に及ぶこれらの活動のすべてを奉仕として、一切の報酬を受けていない。
ベンジャミン・クレームや「シェア・インターナショナル」も初めて聞いたが、チラシでのシェア・インターナショナル・ネットワークについての紹介はこう。
「シェア・インターナショナル・ネットワークは、画家、著述家、国際月刊誌『シェア・インターナショナル』編集長である英国人ベンジャミン・クレーム氏が、過去40年に亘って発信し続けてきた情報を、多くの方々にお伝えしたいと願う有志の世界的ボランティア・ネットワークです。主な著書『人類の目覚め』『光の勢力は集結する』『多様性の中の和合』他、多数」
せんだいメディアテークで石川氏の講演会が5月15日の14:00~18:00に行われるそうで、先着順180名、しかも入場無料。チラシはその案内だった。但し、「いかなる政治的団体・宗教団体とも関わりなく、情報提供だけが目的です。会場へのお問い合わせは御遠慮下さい」という注意書きもある。
「世界教師の出現」の言葉だけでドン引いたが、あのせんだいメディアテークで入場講演というだけでも怪しい。タダくらい怖いものはないというではないか。石川氏は米国エール大学院で国際政治学を修めたとあるが、現東京都知事もかつては国際政治学者の肩書で盛んにメディアに出ていたものだ。
石川氏のプロフィールが仮に事実だったとしても、35年に及ぶ活動のすべてを奉仕として、一切の報酬を受けていないとは唖然とさせられた。虚偽でなければ、シェア・インターナショナル・ネットワークへの完全なる奴隷にしか見えない。政治的団体・宗教団体のメンバーには嬉々としてタダ働きをする者もいるが。
チラシ表だけでも胡散臭かったし、石川道子やベンジャミン・クレームの名で検索したら、やはり彼らの怪しさを指摘するサイトが多数ヒットした。2010/4/25付のYahoo知恵袋から一部引用したい。
「すごい危険な気がします。今日の朝日新聞に全面広告が載りました(他紙にも載りましたか?)。ベンジャミン・クレームという人の著作と講演会の宣伝です。UFOの使命などを説いているみたいです。まず、この人は何者ですか?日比谷公会堂で先着2070名の無料講演会…」
Yahoo知恵袋も完全には信用できないが、朝日新聞に全面広告を載せたり、日比谷公会堂で先着2,070名の無料講演会とは余程羽振りの良い団体なのは確か。今月初め、我が家のポストに入れられたチラシではUFOには全く触れていなかったが、12日に再び入れられたシェア・インターナショナル・ネットワークの新聞大のチラシは、先のものとは論調が違っていた。
「本紙は産経新聞の2016年4月30日(関西版)に掲載されたものです」と断りがあり、大見出しには「分かち合いが世界を救う」「世界教師マイトレーヤ」の文字が。このチラシからも一部引用したい。
「世界の宗教はこれまで、それぞれに新しい啓示をもたらす方が予言し待望してきました。宗教によって名前こそ異なるものの、その個人名を「マイトレーヤ」といいます…
マイトレーヤは「平和と正義と分かち合いこそが私の教えの中心である」と言われます。世界資源の分かち合いこそが人類の問題解決の鍵となります。そしてお互いを人類兄弟姉妹として見ることが出来るようになった時、国家間での信頼が生まれ、戦争は必要なくなるのです。つまり、一番重要なことは人類が平和であるということです。
しかし残念ながら1950年代より世界の大国間で核開発競争が始まりました。恐ろしい兵器が次々に誕生しました。そして、これまで行われてきた核爆発によって大気中に核放射能がばらまかれ、それは宇宙にも影響を及ぼし、UFOが頻繁に地球を監視するようになったのです。(※その証拠として、2001年8月の英国のミステリー・サークルの写真を載せている)」
その二に続く
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ベンジャミン、クレーム師と、石川道子先生を、私は、現前に拝したことがあるが、主体情報は、客観論を超越していると同時に、人類愛を所以としている、客観認識の直観的把握に由来している、それは、信仰と、希望のメッセージであった
現代が、世界教師の出現の驚くべき時代である、と二千年前に宣言した預言者が、あの、洗礼のヨハネである、そして、その人は実際に存在していた
救世主は、今、人類の一員として存在しておられる、と信じている
室崎準治拝
誤解しているようだが、チラシを見たのはブログ記事、特に胡散臭い宗教団体について書くためだった。間違っても私が共感したと自惚れないで頂きたい。貴方がクレーム・石川両氏を信じるのは勝手だが、世界教師の出現や救世主等の戯言は願い下げ。今後信者のコメントは受け付けない方針なので、そのつもりで。