ダイヤの価値を決める“4つのC”― Color(色)、Cut(カット)、Clarity(透明性)、Carat(カラット)。しかし、実は5つめのC「Conflict(争い)」が存在することをあなたは知る―以上がこの映画のコピー。
舞台は激しい内戦が続く90年代後半の西アフリカのシエラレオネ。100カラットもする巨大なピンクダイヤをめぐり、3人の主要登場人物の男女の思惑が絡み合いながら物語りは進行する。ダイヤの密売人アーチャーと漁師ソロモン、女記者マディー。
シエラレオネはダイヤの産出国で、アーチャーは様々なルートでダイヤを密売している。彼はローデシア(現ジンバブエ)生れの白人だが、祖国に黒人政権が誕 生して国を追われた身だった。南アフリカに難を逃れても、就ける職業は軍人くらいで、密売をする以前の彼は傭兵としてアフリカの紛争地で戦った過去を持 つ。ダイヤを家畜の首に埋め込んだり、自分の歯に隠したりする手口には驚いた。
現地人の漁師ソロモンは家族と共に平和に暮らしていた が、村が反政府軍組織RUFに襲撃され、彼自身はダイヤ採掘のための強制労働に連行される。採掘場でソロモンは偶然巨大ダイヤを見つけ、密かに地中に埋め るが、これを見ていたRUF幹部がいた。ソロモンには息子がおり、よく勉強も出来るため将来息子が医者になることを望んでいたが、息子はRUFに誘拐さ れ、少年兵にされてしまう。ソロモンの息子はまだ十歳そこそこに見えたが、RUFはよく少年少女を拉致して兵士にしていた。
マディーは ダイヤが紛争に使われている事実を暴こうとし、内戦で治安も極めて悪いシエラレオネにやって来た記者。彼女はそれ以前にもアフガンなどに取材に行ってお り、危険地域での取材が性に合っているようだ。マディーの父はベトナム帰還兵で、元の状態に戻るまで20年間もかかったとアーチャーとの会話で話していた が、それだけでは紛争地の取材の動機付けとしては少し説得力が欠ける。マディー自身いかにもアメリカ人らしい正義感を振りかざす人物としか感じなかった し、しかも扮したのは男が光物を持ってわらわら寄って来そうな美人女優ジェニファー・コネリーなので、違和感があった。
それにしても、記者とは目の前で銃撃戦があり、多くの民間人が射殺されていく中で、カメラを写し続ける精神の持ち主なのが、改めて分かった。
巨大ダイヤをこれら3人の人物はそれぞれ異なる目的に利用しようとする。アーチャーは現状から脱出するため、家族を奪還する目的のソロモン、巨大ダイヤモ ンド企業の不正を暴こうとするマディー。目的のため手段を選ばないアーチャーも政権が変わった9歳の時、両親を惨殺されており、アフリカの白人もかつての ような殿様暮らしが出来なくなったようだ。
シエラレオネの内戦時、反政府軍RUFが非戦闘員の手足をなたで切る残虐行為を行ったことはこの映画 でも映されているが、女性や幼い少女の手まで切り落としたのはさすがに映画では描かれなかった。初めに手の切り落としをしたのはベルギー人で、コンゴで奴 隷相手に始めたと映画で紹介されていた。
資源をめぐる紛争がテーマなので、終始重い内容だった。映画の中で村を襲撃された老人が、「(祖国は)石油がなくてよかった。石油があったら争いが長引くから」と語っていたのは、実に重い。事実石油の絡むスーダンなど、シエラレオネどころでない惨事が起きている。資源をめぐり最近は先進国だけでなく、中国資本も紛争に拍車を掛けている。
少年兵はアフリカに20万人程いると、映画のラストクレジットに出たが、アジアにも少年兵はいる。スリランカのLTTE(タミル・イーラム解放の虎)、中共が影で支援しているネパールの共産主義ゲリラもアフリカ同様子供を拉致して、兵士にしているとされる。
007 シリーズで「ダイヤモンドは永遠に」という作品がある。いかに紛争地のダイヤ販売を取り締まる法律を作ったところで、ダイヤに魅せられる人々は絶えること はない。ダイヤをふんだんに使った装身具は女の虚栄心の象徴でもあるが、光り物を贈られて喜ばない女はいない。また光り物をもらえない女や贈らない男は少 し寂しい。いかに賢明と評判でも、ダイヤを見ている時の女は理性など吹き飛んでいる。世界で最もダイヤを消費する国はやはりアメリカとか。ダイヤモンドを 巡る争いも永遠に続くのか。
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舞台は激しい内戦が続く90年代後半の西アフリカのシエラレオネ。100カラットもする巨大なピンクダイヤをめぐり、3人の主要登場人物の男女の思惑が絡み合いながら物語りは進行する。ダイヤの密売人アーチャーと漁師ソロモン、女記者マディー。
シエラレオネはダイヤの産出国で、アーチャーは様々なルートでダイヤを密売している。彼はローデシア(現ジンバブエ)生れの白人だが、祖国に黒人政権が誕 生して国を追われた身だった。南アフリカに難を逃れても、就ける職業は軍人くらいで、密売をする以前の彼は傭兵としてアフリカの紛争地で戦った過去を持 つ。ダイヤを家畜の首に埋め込んだり、自分の歯に隠したりする手口には驚いた。
現地人の漁師ソロモンは家族と共に平和に暮らしていた が、村が反政府軍組織RUFに襲撃され、彼自身はダイヤ採掘のための強制労働に連行される。採掘場でソロモンは偶然巨大ダイヤを見つけ、密かに地中に埋め るが、これを見ていたRUF幹部がいた。ソロモンには息子がおり、よく勉強も出来るため将来息子が医者になることを望んでいたが、息子はRUFに誘拐さ れ、少年兵にされてしまう。ソロモンの息子はまだ十歳そこそこに見えたが、RUFはよく少年少女を拉致して兵士にしていた。
マディーは ダイヤが紛争に使われている事実を暴こうとし、内戦で治安も極めて悪いシエラレオネにやって来た記者。彼女はそれ以前にもアフガンなどに取材に行ってお り、危険地域での取材が性に合っているようだ。マディーの父はベトナム帰還兵で、元の状態に戻るまで20年間もかかったとアーチャーとの会話で話していた が、それだけでは紛争地の取材の動機付けとしては少し説得力が欠ける。マディー自身いかにもアメリカ人らしい正義感を振りかざす人物としか感じなかった し、しかも扮したのは男が光物を持ってわらわら寄って来そうな美人女優ジェニファー・コネリーなので、違和感があった。
それにしても、記者とは目の前で銃撃戦があり、多くの民間人が射殺されていく中で、カメラを写し続ける精神の持ち主なのが、改めて分かった。
巨大ダイヤをこれら3人の人物はそれぞれ異なる目的に利用しようとする。アーチャーは現状から脱出するため、家族を奪還する目的のソロモン、巨大ダイヤモ ンド企業の不正を暴こうとするマディー。目的のため手段を選ばないアーチャーも政権が変わった9歳の時、両親を惨殺されており、アフリカの白人もかつての ような殿様暮らしが出来なくなったようだ。
シエラレオネの内戦時、反政府軍RUFが非戦闘員の手足をなたで切る残虐行為を行ったことはこの映画 でも映されているが、女性や幼い少女の手まで切り落としたのはさすがに映画では描かれなかった。初めに手の切り落としをしたのはベルギー人で、コンゴで奴 隷相手に始めたと映画で紹介されていた。
資源をめぐる紛争がテーマなので、終始重い内容だった。映画の中で村を襲撃された老人が、「(祖国は)石油がなくてよかった。石油があったら争いが長引くから」と語っていたのは、実に重い。事実石油の絡むスーダンなど、シエラレオネどころでない惨事が起きている。資源をめぐり最近は先進国だけでなく、中国資本も紛争に拍車を掛けている。
少年兵はアフリカに20万人程いると、映画のラストクレジットに出たが、アジアにも少年兵はいる。スリランカのLTTE(タミル・イーラム解放の虎)、中共が影で支援しているネパールの共産主義ゲリラもアフリカ同様子供を拉致して、兵士にしているとされる。
007 シリーズで「ダイヤモンドは永遠に」という作品がある。いかに紛争地のダイヤ販売を取り締まる法律を作ったところで、ダイヤに魅せられる人々は絶えること はない。ダイヤをふんだんに使った装身具は女の虚栄心の象徴でもあるが、光り物を贈られて喜ばない女はいない。また光り物をもらえない女や贈らない男は少 し寂しい。いかに賢明と評判でも、ダイヤを見ている時の女は理性など吹き飛んでいる。世界で最もダイヤを消費する国はやはりアメリカとか。ダイヤモンドを 巡る争いも永遠に続くのか。
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それは、ダイヤモンドじゃなくて、
ダイナモンドでしたっ。
「タイムボカン」は実写版映画が作られるようですが・・・。
ちっとも、この映画と関連なしのネタですみませんでしたっ。
「タイムボカン」とは懐かしいですね~~
これも実写版映画となれば、どうなるんでしょうね?「ゲゲゲの鬼太郎」の実写版もまもなく公開されますが。
「タイムボカン」の「お仕置きだべぇー」の台詞がよかった。
子供を拉致して兵士に仕立てる連中に、「お仕置き」が出来ないのが哀しい現実です。