その一の続き
ないものねだりは人間誰しも持ち合わせており、私自身もそれによりとんだ誤解をしてしまった。「女の敵は女」とばかり、自称女医のap_09氏に猛然と噛みついてきた「葵」なるブロガーがおり、以下はその書込みの一部。
-アメリカ在住の女医さんが、日本のネットで遊んでいる理由が分かりません。一人前の腕を持つ女医さんならば、余暇の過ごし方は華やかなはずなんだけどね?私は親から大学を出してもらったから、専業主婦になるのは申し訳ない気持ちで仕事を持って働きながら子育てをしました。私の希望でもありましたが。勿論、夫の協力を得てあり、感謝しています…(略)
私の主治医は40代の女医さんですが、人柄が良くて命を預けられる素晴らしい先生です。私と同じで、ご主人と協力して子育てをしています。時々、子育て相談を受けている…あたしゃー江戸っ子だから、こーゆうアンポンタンは許せねぇ…(2010-02-07 22:55:47)
葵氏は他にもこうコメントをしている。
-貧乏暇無しと言う言葉がありまして・・私は正職員として働きながら、夫の零細企業の帳簿を預かっておりました。「一日を24時間と誰が決めた!」といつも嘆いておりましたし、子育てと家事もあったし、愚痴っている暇が無かったというのが本音です。悠々自適…なら幸せなんだけど、未だに零細企業の帳簿を預かっているし、雑用もあり、孫の養育補助やらチョイ・ボケ母のお守りやらなにやら…利用される価値があることは生きる価値があると自分を慰めて(笑)おります…(2010-02-24 07:43:28)
これには私の“なにものねだり”が刺激された。子供がいないこともあり、私は働きながら子育てをしている女性には敬意を抱いている。自営業と宮仕えでは事情が異なるにせよ、子供がいて働くのは並大抵のことではなく、私の周囲でそのような女性は子供は1人くらいなのだ。葵氏は3人の子供を育て上げたとブログで述べており、それだけで大したものだ…と単純にも感動してしまった。後に自称女医にも劣らぬほど胡散臭い人物だったことを知ったが…
女は家庭に入るべしという意見に私は全く同意できないが、「女性や母親が一人前に働け、子育てができる社会」を讃え、専業主婦を半人前と蔑視するap_09氏のフェミニズム的主張にも強い警戒感がある。もし私も子供がいたら、状況次第ですっぱり仕事を止め家庭に納まり、専業主婦になっていたかもしれない。
それでも一人前に働き、きちんと子育てしている母親は尊敬しているし、自分もそうありたかったという密かな願いはあったのだ。だから自称ワーキングマザーの葵氏には上記のコメントで好感を覚えたのだ。かくして彼女には人生体験豊富な苦労人のワーキングマザーというイメージが出来上がった。
思い込みというのは恐ろしい。一旦形成されたイメージはなかなか消えず、それに基づいた見方をするようになる。暫くして葵氏のガラの悪さや横柄な性質が表れてくるが、それも零細企業経営者の妻ゆえだろうと解釈する。つまり、還暦を過ぎており元から人に命令する立場にあるからと思っていた。職場にもそんな上司はいたし、それをいちいち気にしていたら勤められない。
葵氏は保守系ブログを熱心にウオッチングしていたし、特に山本七平心酔者ブロガーには執拗に絡み、嫌がらせ記事を書いていた。山本七平に疑念を覚える私は情けないことに氏に同調してしまった。サヨクも困ったものだがウヨクも劣らぬほど怪しく、問題のある者が少なくない。彼女が保守系ブロガーをしきりに“ウヨバカ”と嘲り、ネタにしていたのを憶えている。同時にネトウヨのアイドルでもある田母神俊雄を讃えていたので、サヨクではないだろうと思っていた。
しかし、震災関連記事をきっかけに葵氏の正体がやっと分かった。いくら詐称しても書込み時間だけは誤魔化せない。単なるネット弁慶の暇人であり、ブサヨ女だったのだ。零細企業家の妻で子育ては終了したにせよ、仕事もあり暇ではないはず。そんな者が仕事と無関係のネットで遊んでいるなら、素性を疑われるのは当たり前なのだ。
その三に続く
◆関連記事:「フェミニズムにみる階級制」
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