読んだ本の数は昨年より少し増えたが、それでもあれも読みたい、これも見たいと願いつつ、読書に使える時間は限られている。以下は今年読んだ本の私のベスト5。
①.ゾロアスター教の興亡
ゾロアスター教に関心を持つ私には、久しぶりに内容の充実した関連本を読むことで出来、とても満足だった。さらにこの本をネットで購入したので、定価よりずっと安く手に入れられたので、さらに得した気分。ゾロアスター教について書かれた本そのものが少ないので、新しい本を読めてうれしかった。
②.グルムク・スィングの遺言
夭折したパキスタンの作家サアーダット・ハサン・マントーの短編集。図書館で見かけ、題名が気に入ったので借りたが、どれも見事な短編ばかり。印パ分離独立時の未曾有の混乱を描いた「動乱文学」には言葉もない。“多文化共生”など薄っぺらな戯言を謳う愚かな文化人は、少しでもこの種の物語を見るがよい。
③.黒いシャルワール
これもサアーダット・ハサン・マントーの短編集。このようなストーリーは欧米文学では絶対味わえない。特に気に入ったのが『殉教者製造人』。曲がりなりにも人権が保障される先進国では決して書けないブラック・ユーモア。
④.ビージャク
昔、カビールの詩の一篇を見たとき、その素晴らしさに驚いたので、東洋文庫703『ビージャク』(平凡社)で彼の詩集を読み、改めて思想の偉大さに触れた。2月8日の記事でもカビールの詩を載せたが、15世紀に説いたカビールの思想は今でも実現出来ていない。
⑤.ローマ人の物語ⅩⅤ巻
何年も前から、年末に心待ちにしていた楽しみのひとつが、『ローマ人の物語』シリーズが店頭に並ぶことだった。それが今年から無くなったのは何とも寂しい。最終巻の表紙写真に古代ローマの水道橋遺跡が使われているが、かつて何世紀に亘りこの水道橋が機能していたのだから感無量となる。高度な文明を誇った古代帝国の滅亡の歴史は、史実を列記するだけで大いなる物語だ。
その他にも、『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』も読み応えあるノンフィクションだった。日本のメディアも似たような状況にあり、スポンサーの意向に添っていかようにも記事を書くのだろう。
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①.ゾロアスター教の興亡
ゾロアスター教に関心を持つ私には、久しぶりに内容の充実した関連本を読むことで出来、とても満足だった。さらにこの本をネットで購入したので、定価よりずっと安く手に入れられたので、さらに得した気分。ゾロアスター教について書かれた本そのものが少ないので、新しい本を読めてうれしかった。
②.グルムク・スィングの遺言
夭折したパキスタンの作家サアーダット・ハサン・マントーの短編集。図書館で見かけ、題名が気に入ったので借りたが、どれも見事な短編ばかり。印パ分離独立時の未曾有の混乱を描いた「動乱文学」には言葉もない。“多文化共生”など薄っぺらな戯言を謳う愚かな文化人は、少しでもこの種の物語を見るがよい。
③.黒いシャルワール
これもサアーダット・ハサン・マントーの短編集。このようなストーリーは欧米文学では絶対味わえない。特に気に入ったのが『殉教者製造人』。曲がりなりにも人権が保障される先進国では決して書けないブラック・ユーモア。
④.ビージャク
昔、カビールの詩の一篇を見たとき、その素晴らしさに驚いたので、東洋文庫703『ビージャク』(平凡社)で彼の詩集を読み、改めて思想の偉大さに触れた。2月8日の記事でもカビールの詩を載せたが、15世紀に説いたカビールの思想は今でも実現出来ていない。
⑤.ローマ人の物語ⅩⅤ巻
何年も前から、年末に心待ちにしていた楽しみのひとつが、『ローマ人の物語』シリーズが店頭に並ぶことだった。それが今年から無くなったのは何とも寂しい。最終巻の表紙写真に古代ローマの水道橋遺跡が使われているが、かつて何世紀に亘りこの水道橋が機能していたのだから感無量となる。高度な文明を誇った古代帝国の滅亡の歴史は、史実を列記するだけで大いなる物語だ。
その他にも、『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』も読み応えあるノンフィクションだった。日本のメディアも似たような状況にあり、スポンサーの意向に添っていかようにも記事を書くのだろう。
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