月が上る。
橙色の月、夕日の残照をすべてもらって暖かくなった月が山陰から顔を出す。、
「あの丸いものはなんですか?」
末っ子の前田を真ん中に左に秋田、右にごこたいが座る。
「おや、今宵は満月だったな」
カメラを抱えたきりくにぃの指先を追って前田は月を見上げた。
「つき・・・なの?でも色がみかんみたい」
「前田は昇ったばかりの月を見たことはないの?」
さきほど顕現させたばかりの前田を見て、姫宮(さにわ)はこくびをかしげる。
「僕はずっと主君といたので」
あぁ、そうだ。この弟は幽閉された主と共に生きていた。たった一部屋。それだけの世界。
「月にはうさぎがいるんですよ。兄さんがおしえてくれた」ごこたいが月をさす。
「うさぎさん、あったかそうだね」
無邪気で愛らしい弟たちの会話に唯一の打刀の兄は微笑む。
橙色の月、夕日の残照をすべてもらって暖かくなった月が山陰から顔を出す。、
「あの丸いものはなんですか?」
末っ子の前田を真ん中に左に秋田、右にごこたいが座る。
「おや、今宵は満月だったな」
カメラを抱えたきりくにぃの指先を追って前田は月を見上げた。
「つき・・・なの?でも色がみかんみたい」
「前田は昇ったばかりの月を見たことはないの?」
さきほど顕現させたばかりの前田を見て、姫宮(さにわ)はこくびをかしげる。
「僕はずっと主君といたので」
あぁ、そうだ。この弟は幽閉された主と共に生きていた。たった一部屋。それだけの世界。
「月にはうさぎがいるんですよ。兄さんがおしえてくれた」ごこたいが月をさす。
「うさぎさん、あったかそうだね」
無邪気で愛らしい弟たちの会話に唯一の打刀の兄は微笑む。