Cassis*Campari

幸せは途切れながらも 続くのです・・

寝るのも食べるのも忘れそう

2006-09-23 12:56:44 | TV・映画・音楽
すごい・・・。
この惹きつけ方といったらすごい。
途中で区切るのが大変なくらい。
なんのことかというと、このところよく読んでる伊坂幸太郎さんの小説。
映画化された「陽気なギャングが地球を回す」の原作者、といえば少しはわかる人が増えるかな?
一度読み出したら止まらない。そんな恐ろしい本(笑)
まぁ、本なんていうのはそうゆうもんだけど。

私にはこれがまたど真ん中で。
何度一夜を明かしたことやら。
内容もそうなんだけど、表現力がすごくて。
目に浮かぶ光景っていうのか。
何より登場人物がなんていうか・・リアリティー?親近感?
すごく魅力的な要素になってる。
実際、話の内容自体は結構暴力的で殺伐としてる。
でも、この登場人物とでいいバランスをとってると思う。そんな感じ。


最近読んだ本で言うと、「オーデュボンの祈り」の日比野、「重力ピエロ」の春。
この二人は特に惹きつけられた。
元々私が“第2主人公”的なものに弱いっていうのもあるけど
前者の日比野はもう登場したときから惹かれた。
整った顔立ちという表現に惹かれたのか、
犬に似ている顔という表現に惹かれたのかはわからないけど(笑)
とにかく最後には日比野という人物そのものが好きになっていた。
単純で、でも影があって、その影にうっすら気づいてもいて、それがまた切なくて。
あの島の全てがリアリティーがない中、この日比野の存在にほっとしたっていうか。
なのに始終掴みどころのない人物だった。
ちなみに、なぜか日比野で一番に思い浮かんだのは山本耕史さんだった(笑)

後者の春は、主人公・泉水の弟。
なんというか、こちらは始終冷たくて怖い印象が抜けなかった。
そうゆう表記は全くないし、ましてや顔立ちはかなり魅力的だと表現してあるにもかかわらず。
笑ったり、冗談をいったり、気遣ったりしているのに。
その裏の影が印象的だったのか、ずっと怖い存在だった。
なんとなく、そうではないかなと思いつつも、主人公同様気づかないように押し殺して。
でも、それがすべてが終わる頃には変わっていた。
色のなかったモノクロの絵に色が、それも明るい色が入っていくような感じ。
人間味がでたっていうか、愛すべき人物になっていた。
不思議な感じ・・。
まさに“春”が来たという感じだった。


そういや、「オーデュボン~」の中にも“春”っていたよなぁとか思ってたら、“桜”だった。
そして、そういや私、ここでの名前“ハル”だったなとたった今気づいた(笑)
コメント
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