
イタリアに来ております。
というのは残念ながら嘘で
徳島の大塚国際美術館のシスティーナ礼拝堂の再現です。
徳島には何度も足を運んでいますが
なかなか訪れるチャンスがなかった場所。
日本一高い入館料と評判?の美術館でございます。
噂には聞いておりましたが
なかなか大変なものでした。
本物を見ることは簡単に出来ない
名画の世界を垣間見るには十分な。
そして、
ぜひとも本物を見てみたいと、現地へ赴くきっかけとなるような。


焼けてしまったノートルダム寺院で行われた、ナポレオン戴冠式の絵画の前では
複雑な想いに…

じっくり本気で観て回ると
4~5時間は要するであろうと思われるので
ダイジェストで回りましたが
それでも3時間弱。
いろいろな意味で圧巻でした。
また訪れてみたい。
ところで【受胎告知】。
このテーマは宗教画として様々な画家達が描いています。

ダ ヴィンチ

フラ

ボッティチェリ

マルティーニ シモーネ
それぞれに特徴があります。
悠然と構えるマリアや
怯えの表情のマリア、
また大天使ガブリエルの様子も様々です。
中でも目を奪われた(というか、驚いたというか)のは、最後に挙げたマルティーニ シモーネの受胎告知。
マリアに告知するガブリエルの、端正だけれど有無を言わせぬ強い表情。

告知の言葉が立体的に浮かび上がるのも
(3D絵画!)特徴的。

【めでたし めぐまれた女よ 主はあなたとともに】
と伝えています。
しかし。
なんといってもマリアです。
祈祷の本を読んでいる最中、いきなりの出来事だったにもかかわらず、マリアは、読んでいた箇所に指を挟んでキープ。

処女とは思えぬ落ち着きではありませんか?
身を捩って及び腰におののく様子は見えるものの、この表情。


解説には
"マリアの謙遜と恥じらい"
とあるけれど「そうかしら?」と思う。
【めでたし】と祝福されても
今後待ち受けるであろう受難の運命。
理解はせずとも感じ取っての、不安と覚悟の表情のようにも思えます。
あるいは
「なぜわたくしが?!」と言った本音?
相当な数の絵画の中で、一番長く足を止めてしまった一枚でした。
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