南華密教について
仏教の開祖、お釈迦様は、紀元前六世紀ごろインド北辺の貴族の家に生まれ、妻子を儲けましたが、道を求めて出家し、「悟り」によって仏陀と仰がれ、仏教が誕生しました。
仏教の根本の教えは、「四印」と呼ばれ、「諸行(しょぎょう)無常(むじょう)・諸法(しょほう)無我(むが)・一切(いっさい)皆(かい)苦(く)・涅槃(ねはん)寂静(じゃくじょう)」という四つの項目から成ります。
仏陀の死後も弟子たちは仏教を広め、理論面で大きな進歩があり、「五位七十五法」という分類法により、「諸法無我」つまり「我」=「アートマン」が存在できないことを証明しました。この段階の仏教を「有」といい、これは「存在」するものは「分類」できる、という考え方です。
ところが、どんな「存在」や「現象」でも「分類」はできますが、同じものでも「縁起」によって違う「分類」に入る、つまり物事の本質は「空」であるという理論が竜樹らによって展開されました。
「有」と「空」の理論により「我」は完全に否定されましたが、インドには「輪廻(りんね)」という根強い思想があり、「我」が無いのにどうやって「輪廻」できるかを説明する必要が生れます。この問題を解決したのが「識」の理論、すなわち「唯識論」であり、「輪廻」の主体が「唯識」であることを解明し、ある事象がどんな「縁起」であるかは、自分の立ち位置によって違うことを論証しました。
次に、インドの仏教では密教化が進みます。
「密」とは「タントラ」の漢訳で、「広げる」という意味ですが、もとは「織機」の意味であり、「縦糸と横糸」で連続させることを表わします。つまり、「密」とは「秘密」のことではなく、「緊密」のことであり、蓄積した知識を「緊密」にあつめて使うことを意味します。
インドでの仏教は、イスラム教徒の侵攻によって「密教」もろともに滅亡しましたが、中国に入った「密教」は、一行禅師によって、道教=五術的要素を取り入れ、中国独自の「密教」として発展しました。中国でも仏教に対する弾圧は苛烈で、特に明朝では、元朝の国教であったラマ教ことチベット密教を取り入れた「中国密教」は徹底的に弾圧され、信者たちは密かに法灯を守り、チベット密教の教えをさらに進化させ、特に江南地方の在家信者たちが、「南華(なんげ)密教(みっきょう)」という秘儀体系に仕上げました。
もともと「密教」には、「如来蔵」という、「六大如来」「八大菩薩」「五大明王」などを記号化した「記号類型学」があり、「曼荼羅」という図形で表現されました。ところが「記号類型学」なら、「干支」や「易卦」を使う「道教」の「五術=命・卜・相・医・山」のほうが優れた面が多々あり、『般若心経』などにみられる「受想行識」という用語も、「道教」の「五体論」から借用したもので、サンスクリットの表現とは非常に異なる概念となっています。
南華密教における「功法」は、「易卦」「干支」とともに「如来蔵」も重要な要素となっており、「功法」に入る前に習得しておく必要があります。
南華密教の功法
第一段階―持戒―やってはいけないことをやらない
第二段階―持行―やるべきことをやる
第三段階―調身―体を調える
第四段階―調気―気を調える
第五段階―煉気―小周天―――気功
第六段階―煉神―内火――――神功
第七段階―参禅―幻身・修夢
第八段階―三昧―光明・転移・中陰(度亡) 浄土思想を排除
第九段階―大手印――――――識功
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