今日は久しぶりに空が晴れた。近所のニセアカシアの葉が閉じていた。どうやら強い光に当たると葉を閉じる習性があるらしい。
香久山の西北数百mのところに、畝尾都多本(うねおつたもと)神社というのがある。すぐ近くに畝尾坐建土安(うねおにますたけはにやす)神社があるので、畝尾がこの辺りの地名だったことがわかるが、その他の部分がどういう意味を持つのかさっぱり分からない。
この神社、縁起書きがないので由緒もわからないが、祭神は「泣沢女(ナキサワメ)」だという。イザナミが亡くなったとき号泣したイザナギの涙から生まれた神であり、水の神、延命の神として信仰を集めたようで、万葉集でも歌われている。
『泣沢の神社(もり)に神酒(みわ)すゑ祷祈(いの)れども わご王(おおきみ)は高日(たかひ)知らしぬ』(伝 檜隈女王)
‘延命のお願いをしたのに、高市皇子は天を治めることになってしまった’という愚痴の歌だ。因みにこの檜隈女王だが、家系が全く伝わっていない。
さてこの社、拝殿はあるが本殿がなく、本殿のあるべき場所に井戸があるらしい。この井戸が御神体になる。
ここに来るのは夏を避けた方がいい。藪蚊がしつこく、境内を出てからも2、3匹纏わりついてきた。
ついでに畝尾坐建土安(うねおにますたけはにやす)神社にも参拝する。
祭神は健土安比売(タケハニヤスヒメ)で、土の神、陶芸の神のようで、イザナミが死ぬときの大便から生まれた神らしい。
また日本書紀には、天皇が香久山の埴土を取って瓦を作り神々に捧げた記事があり、それがこの地であるという。
ところでこの神社、西を向いている。参道が東から来て左に曲がり、東(左)に向かい参拝する。わざわざ西向きにしたように見える。香久山は南東なので山に向かっているわけでもない。不思議だ。
帰りに近くのコンビニから香久山を望む。夏来にけらし、の季節だ。
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