朝起きるとシトシト雨が降っていたが、昼頃になると止み、太陽が除いた。と思ったら3時ごろからまた小雨が降り始めた。これが時雨というものなのだろうか。
時雨とは、晩秋から初冬にかけて日本海で発生した縞状の雲が上空を過ぎるときにできる天候だという。確かに雲は東西に縞状に広がっていた。
時雨を題材にした歌では、源頼実の次の歌が有名だ。
木の葉散る 宿は聞き分くことぞなき
時雨する夜も時雨せぬ夜も
屋根を打つのは落葉だろうか時雨だろうか、聞き分ける術もないが、という趣旨の、大変静かで寂しい歌である。
しかし関東ではまず時雨は体験できない。そのせいか、蝉時雨という全く逆の言葉が生まれている。
今回の奈良移住の誘因の一つが、この時雨を体験したい、というものだった。もし今日の天候が時雨だとしたらとても嬉しい。