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天理市は日本唯一の宗教都市と言われている。まず駅のホームから改札に向かう途中、「ようこそ おかえり」という文字が目に入る。ユースホステルでは初めて訪れたYHでも「ただいま」と挨拶する習わしがあるが、それに近いものだろうか。後でこれには驚きの理由があることが分かる。
次に、街中で特徴的な建物を良く見かける。
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これらの建物には、第40母屋京城詰所、などの名称が付いている。ナンバーは150を超えているらしい。駅近くの看板を見ると、緑が詰所で、赤っぽいのが教団関係施設・学校のようだ。病院も含まれる。
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これだけ土地を持っていると固定資産税だけでも相当な額になるだろう。教団は更に、毎年用途を定めない額を市に寄付している。平成29年度の市の予算案では、歳入261億円中、寄附9億3千万円を見込んでいる。ふるさと納税が例年3千万円強なので、9億円が教団からの寄付ということなのだろう。すごい財力だが、昔は40億円ぐらいの寄付があったという。
駅前通りを東に向かうと、黒いハッピをきた人によく出会う。背中には天理教と白抜きされ、襟には所属などが白抜きされているが、失礼になるので余り良く読めていない。
しばらく行くと、教団本部に着いた。
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神社風の外観だがともかく大きい。近づいてみると、鉄筋ではなく木造である。太い柱が惜しげもなく使われている。
誰でも入れるというので上がってみると、中は畳敷の何百畳あるかという広間であり、所々で信者と思しき人たちが中心部に向かって正座し、祈りを捧げている。中心部に向かうと、そこは2-3m凹んだ石畳になっており、中心に円柱が建てられていた。後で分かったが、これが「おぢば」らしい。「おぢば」とは、人類が生まれたところだという。だから天理市に来るということは発祥の地に戻ってくることなので、冒頭の「おかえり」になるというわけだ。
ところで天理市の名称は、丹波市から変わったと思っていたが違った。丹波市(いち)町と周辺の5町村が合併して市になった時、住民の意思で天理市としたそうだ。因みに教団は、このうち5町村が属していた山辺郡から、山辺市を推薦していたとのこと。しかし各議会議員の多くは教団出身者で占められていたと思われ、これは少し眉唾であろう。
僕はこの教団については詳しく知らないが、悪い印象は持っていない。教義が「陽気ぐらし」と単純で、道ゆく人は僕にも挨拶をしてくれる。霊感商法や洗脳の噂も聞かない。寄付金の出捐が負担という声をネットで聞くが、それはどの宗教でも同じだろう。
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