中山11R ホープフルS
◎5.ヴェルトライゼンデ
○7.ワーケア
ヴェルトライゼンデはワールドプレミアやワールドエースの下で、父がディープインパクトからドリームジャーニーに替わったが、配合パターンでいえばむしろ兄たちを凌ぐものがある。クラブ募集時から素晴らしい馬っぷりで、小倉の重をひと捲り、阪神外1800でも競り勝って、実戦でも満点の答えを出しつづけてきた。距離延長はプラスだし、東京1800の高速戦ならコントレイルのほうが上かもしれないが、中山内2000ならこの馬に◎でいいだろう。
ワーケアは母チェリーコレクトに似た馬で、このように母方のデインヒルの血が表現されたハーツクライ産駒というのは、グレイルやシャドウディーヴァなどがそうだが、早期から中山内回りで機動力あるレースができる。ちなみにチェリーコレクトの仔は中山京都阪神の内回りでは[1-3-0-1]、姉ダノングレースは春の福島牝馬で9-7-2と機動力をみせて3着だった。
コントレイルはダノンキングリーをトモ高で締まり強く完成度高くしたような馬で、東京1800なら不動の◎だが、陣営がカベをつくって折り合いたいというのもいくばくかの距離不安があるからだろう。オーソリティは母がエピファネイアの全妹で、オルフェ産駒にしては脚長でしなやかなのは半分エピファネイアというイメージだ。気の小さい血統なので外枠を引けたのはよかったが、本質的には大箱向きという気がする。ブラックホールはステイゴールド系×キングカメハメハ系だから大箱向きのナスペリ的ストライドに出やすい配合で、中山だと外から追い込む手だろうからこの最内枠は乗り難しいか。◎○1点で買いたい。
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中山芝は良発表でしたが、先週と比べても明らかに時計がかかってタフなコンディションで、レース上がりが4R37.6、5R37.9、7R36.9、10R36.0、12R35.5、勝ち馬の父がゴールドシップ、ディープインパクト、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、ハービンジャー
ステゴ系が勇躍する冬の中山らしい馬場になってきて、となるとドリームジャーニー産駒で道悪実績もあるヴェルトライゼンデにとっては更に追い風かと思われたのですが、60.9-60.5の平均ペースを好位から手ごたえ十分に抜け出したコントレイルに隙はなかったですね
この日は午前中に仕事を片付けて、ちけぞう亭に集合してメタボ博士とクレバーさんとクリソオヤジと忘年会、冷めても美味い嫁ザンギ→やまだスキヤキ牛→白糠ししゃも→嶋倉豚→オツマミいろいろ、競馬観ながら昼から家飲みは至福のひとときでしたが、コントレイルが勝つ馬券は誰も買ってなかったので、「う~ん祐一折り合っとるなあ…」「あ~これは押し切ってしまうなあ…」と盛り上がりには欠けた(^ ^;)
クレバーさんの指導で、めざせエダテル900勝
パンサラッサが緩みないペースで逃げたので折り合いはつけやすかったと思いますが、正攻法で堂々と押し切ったのだから、中山と延長に一抹の不安があるとした私の予想は完敗で、シャイニングレイやジャンダルムが勝ち負けしていることからも、タフな中山内2000だからこそマイラー寄りの完成度がモノを言う側面もあるのだろうと
今でもベストは東京1800やと思ってるし、単純にラインベックをモノサシにすれば東スポよりパフォーマンス落としているという言い方もできるだろうし、サトノアラジンのように古馬になったらもっとマイルに寄ってくるだろうとも思っていますが、それでもこれぐらいの差がつくほど性能と完成度で他馬を上回っていたというべきでしょう
配合的には1着も2着もPOGで推奨したぐらいで文句なしで、例によって1~3着馬の血統解説をNETKEIBAより再掲
コントレイル
2世代歳で大当たりしているディープインパクト×Unbridled's Songのニックスで、ノースヒルズのお家芸ともいえる配合。母ロードクロサイトはFappianoとIncantationのクロスを持ち、このニックスの根拠を更に増幅した形になっている。ディープ×Storm Catらしいストライドはダノンキングリーなどと重なるもので、ベストコースは大箱1800だろう。中山内2000に替わるのはプラスではないが元値の高さで。(距離○スピード◎底力◎コース○)
ヴェルトライゼンデ
ワールドプレミアやワールドエースの3/4弟で、ジャックルマロワ賞(仏G1・芝1600m)などに勝ったManduroの甥。母マンデラは独オークス(独G1・芝2200m)3着で、母方にはドイツ血脈とHyperionのスタミナが強い。ドイツ牝系特有の黒光りするしなやかな体質は兄たちと似て、ドリームジャーニー産駒ながら重厚なストライドが光る。まだまだ良くなりそうな奥深い中長距離馬だ。(距離◎スピード○底力◎コース○)
ワーケア
ダノングレースの3/4弟で、ヨークシャーオークスのSea of Classの甥で、母チェリーコレクトは伊オークス(伊G2・芝2200m)勝ち。母父OratorioはエクリプスS勝ち馬で香港の強豪Military Attackの父。2歳世代はハーツクライ産駒空前の当たり年だが、本馬はわりと母似でOratorio似。姉も福島牝馬S3着など小回りがきくタイプだし、タイムフライヤーのように中山を捲れるハーツ産駒だろう。(距離◎スピード○底力○コース◎)
ヴェルトライゼンデはクラブのツアーのときから素晴らしい出来で、この世代のサンデーTCの1人気になったんかな? ワールドプレミアの下で父がドリームジャーニーで、血統的配合的には晩成というかまだまだ良くなる余地を多分に残しており、ここで2着に好走したというのはそれこそドリームジャーニーが朝日杯を勝ったのに近い快挙と言っていいだろうし、ダービーの頃に、菊花賞の頃にどんな馬になっているのか本当に楽しみです
よく書いていることですが、AcatenangoやMonsunのような主流血脈を引かないドイツ血脈は、ソウルスターリング(父はNorthern Dancer3×4のFrankel)やヴェロックス(父はNorthern Dancer≒Icecapade5×3のジャスタウェイ)のように、Northern Dancerクロスがうるさいぐらいの種に対する母父として1/4異系的に使うのが最も成功しやすい
ワーケアはコメントにも書いたように、母方のデインヒルっぽさOratorioっぽさが強く表現されていて、グレイルやマジックタイムが母系のRobertoで中山を捲るのと同じようなもんで、そのあたりのニュアンスは一言コメントのエントリでも説明しておきましたが、だから東京でベストパフォを叩き出す典型的ハーツクライとはちょっと趣が違うだろうとは思いますね
オーソリティは母がエピファネイアの全妹でいかにも気性が若く、その点で揉まれない外枠を引けたのはよかったんですが、馬のタイプも半分エピファというイメージで、オルフェ産駒にしては脚長でしなやかな走り
だから本質的には大箱向きだろうというのが4番手とした理由で、2着馬3着馬にはコーナー加速でも譲ったという内容でしたが、東京や外回りでどんな走りになるのか注目したいですね
枠順が出たときに石塚さんと「ブラックホールの最内は辛い…」という話をまずしたんですが、ステイゴールド系×キンカメ系というのはナスペリオン的斬れがオンになりやすく、タガノディアマンテみたいなナタ系のストライドになりがちで、この馬も前がきれいに伸びて重厚に斬れるので、中山内回りだと大外一気で間に合う展開やバイアスにならないと難しかった
コントレイルのみごとな黄金配合については新馬を勝ったときからあれこれ書いてきたので、例によって下記エントリを読んでくださいということで
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/33160a31ec0bf3a0b96fdf8628d2d9b7
しかしディープ×Unbridled's Songの大成功の根拠がSir Ivor≒Cequillo≒Incantationのニアリークロスにあるとするならば、カリフォルニアクロームがダート専用ゴリゴリ種牡馬になるとは私には思えないんですよね