愛と平和の特別企画
総務課長戦場を行く
脚本
三谷幸喜
沢田研二
阿部寛
梨本謙二郎
中野英雄
加藤善博
伊藤俊人
石丸謙二郎
萬田久子
斉藤尭
甲本雅裕
内山森彦
岡俊之
中村元則
大矢兼臣
斉藤清子
岩崎有花
三月まき
桐林美枝
久保晶
森富士夫
白鳥座
古賀プロ
塩田丸男
赤塚真人
前田吟
音楽
蓜島邦明
企画
鈴木哲夫
プロデューサー
関口静夫
撮影
浅野仙夫
編集
田口拓也
技術プロデューサー
佐々木俊之
技術協力
バスク
衣装協力
ロンナー紳士服
中田商店
ロケ協力
二光
美術協力
フジアール
資料協力
毛利元貞
演出
鈴木雅之
製作著作
フジテレビ
共同テレビ
日本は国際平和援助隊に参加することになった。
日本の国際平和援助隊は紛争中のビバノン国に派遣される。
自動車部品メーカーの総務課長・山倉久志に召集令状が届く。
専務の指名だった。
山倉久志は専務を怒らせていた。
妻の伯父の妻の高校時代の同級生が政治家の娘の担任だったことを突き止める山倉久志。
政治家に国際平和援助隊に行くことを免除してもらえるよう政治家に頼みに行く山倉久志だったが断られる。
身体検査で無理に咳をして不健康を装うが、医師に「合格です。」と言われる山倉久志。
山倉久志の妻はただで外国に行けるので気分転換できると言う。
山倉久志の妻は赤のジャージと富士フイルムの使い捨てカメラ写ルンですを大量に持ってリカス。
国際平和援助隊 日本第３分隊に配属される山倉久志。
国際平和援助隊 日本第３分隊にはバリトンホテルのベルボーイ瀬戸、歯科医の楠、建設会社勤務の本多、広告代理店勤務の石川、おもちゃメーカーの鴨田、子だくさんのタクシー運転手・才野、がいた。
国際平和援助隊 日本第３分隊で唯一の管理職である山倉久志は分隊長に選ばれる。
富士特別演習場で訓練を受ける国際平和援助隊日本第３分隊。
インストラクター小森谷が国際平和援助隊日本第３分隊を指導する。
小森谷は戦場で生き延びる術を教えると言う。
歯科医の楠は
「支援活動に行くのであって戦争に行くのではない。そういうのは必要ない。話が違う。」
と言う。
小森谷は
「武装ゲリラは容赦なく撃って来る。」
と言う。
動きやすい服装と言われて歯科医の楠はゴルフウェアを着てくる。
不服そうな小森谷。
不真面目な建設会社勤務の本田。
本田の不謹慎な言動につられて笑った山倉久志と瀬戸は本田とともに罰として腕立て伏せ５０回をやらせる。
広告代理店勤務の石川は汗をかくのが嫌いということでマラソンには参加しない。
石川は射撃訓練とかなら参加すると言う。
小森谷は「認めません！」と石川の希望を却下し、石川にマラソンをさせる。
柔道二段の才野に襲ってくるよう指示する小森谷。
小森谷
は
「柔道なんか実戦的ではない、戦場で通用しない、戦場には戦場の格闘技がある。戦い方がある。」
と言う。
柔道二段の才野は柔道で小森谷に襲い掛かる。
しかし小森谷に柔道は全く通用しない。
柔道二段の才野は小森谷に一方的に攻撃され、抑え込まれる。
国際平和援助隊日本第３分隊のメンバーは、小森谷は軍事オタクだとバカにする。
広告代理店勤務の石川は小森谷に何をやっているのか、何で飯を食っているのか、聞く。
小森谷は傭兵だと言う。
広告代理店勤務の石川は、あまりにも胡散臭い小森谷が傭兵というのは眉唾じゃないかと言う。
小森谷は汚いやり方で人間性を試す。
小森谷はビバノンの気候に慣れさせるためエアコンに細工してエアコンを使えなくする。
不信感が募っていく国際平和援助隊日本第３分隊のメンバー。
腹が減った本多に誘われ山倉久志と石川もキャンプを抜け出して近郊の店に買い食いに行く。
小森谷は夜間外出禁止のルールを守らなかった者がいるとして連帯責任として全員に腕立て伏せ５０回を命じる。
楠
は
「連帯責任をやらす意味がわからない！」
と怒る。
小森谷
は
「連帯責任とは個人の罪を全員で償うことです。」
と
連帯責任を説明する。
楠
は
「連帯責任の意味くらいわかってんだよ。連帯責任やらせる意味が無いって言ってんだろ！」
と
激怒する。
小森谷
は
「軍隊では一人の勝手な行動が部隊を誤った方向に向かわせる。」
言うと
楠
は
「だからわかってんだよ、そんなことは！」
と
激怒する。
小森谷
は
「軍隊では・・・」
「戦場では・・・」
と
言うが
楠
は
「我々は支援活動に行くのであって戦争に行くのではない。」
「ここは軍隊ではない。支援活動だ。」
と
言う。
小森谷
は
石川の肩を抑え込み無理矢理、腕立て伏せをさせようとする。
石川
は
「触るな！」
「いい大人に何をするんだ！」
「会社じゃ何人も使って何千万という金を動かしてんだぞ！」
「戦争ごっこやってるんじゃないんだぞ！」
「たかがオタク風情が！」
と
融通が利かず世間知らずで青臭い態度のデカい小森谷に反抗する。
小森谷
は
「あなたたちは戦場の厳しさをわかっていない！」
「ぜんぜんだ！」
と
激怒。
小森谷
は
戦場で受けた傷を見せ
戦場の厳しさを伝えようとする
が
国際平和援助隊日本第３分隊のメンバー
は
「だからなんなんだよ。」
「もういいよ、着ろよ。」
と
小森谷をバカにする。
小森谷はあきらめ訓練を自由参加にする。
翌日、
才野は「俺は行くよ。向こう行って死ぬのは嫌だから」と訓練に参加、
山倉も「最近、体を動かしてないから」と訓練に参加、
瀬戸が訓練に参加しようとすると楠は引き止める。
楠はベッドで筋トレを始めるが、
瀬戸は「それなら訓練に参加しましょうよ。」と言う。
楠は「それもそうだな。」と訓練に参加、
石川は他のメンバーが参加しているので自分も参加する。
結局全員が訓練に参加する。
ビバノンの田舎に来た国際平和援助隊日本第３分隊。
トイレ３００基の設置が国際平和援助隊日本第３分隊の任務だった。
建設会社勤務の本多はトイレ設置の指揮を執り、
歯科医の楠は手先が器用で換気扇の設置を進める。
タクシー運転手の才野はトラックを運転、資材運搬を担当した。
山倉久志、瀬戸、鴨田もトイレ設置を熱心にやる。
広告代理店勤務の石川は何もしない。
石川は「潰しのきかない男、石川」とキャッチコピーを考える。
小森谷がＭ１６ライフルを持ち警戒するなか何も起こらず、
現地住民のふるまう料理をおいしそうに食べる国際平和援助隊日本第３分隊。
しかしビバノンはやはり紛争中だった。
ビバノン市内は大規模な爆撃を受け、田舎の未舗装道路の路肩で兵士の死体も見つかる。
１９９２年に制作されたが、カンボジアでの国連平和維持活動ＵＮＴＡＣに陸上自衛隊が派遣されることになったため、フジテレビ、ドラマが政治論争に巻き込まれることを良しとしない判断で放送は中止された。
大御所・沢田研二主演の特別企画ドラマの放送が中止され話題になった。
１９９４年になり金曜２１時のサスペンスドラマ枠『金曜エンタテイメント』で放送されることになった。
１９９４年の夜に観た記憶はない。
関西テレビの夕方放送で観た。
休日だったのか夏休み、春休みだったのか覚えていない。
１９９０年、イラクがクウェートに侵攻。
アメリカは慎重に国連で活動しイラク制裁に動く。
イラクはクウェートからの撤退を拒否。
イラクへの軍事制裁が近づく。
アメリカだけでなくＮＡＴＯ、中東アラブ諸国もイラク軍事制裁に参加の方針で
サウジアラビア付近を中心にアメリカ、ＮＡＴＯ、中東アラブ諸国の軍が展開する。
日本も自衛隊の派遣を要請される。
日本
は
「憲法９条があり、自衛隊は海外に派遣できない」
と発表。
日本
は
アメリカ、ヨーロッパの各国、中東の各国
から
「日本は国際情勢を理解できていない」
「金だけでなく人的に貢献しろ」
「アメリカ、ヨーロッパ、中東は血を流すのに日本は臆病で怖くて逃げている。」
「中東から大量に石油を買って中東に世話になっているのに中東の危機に日本は何もしない」
「日本は中東に物を売り儲けているのに中東の危機に日本は何もしない」
と
非難される。
日本
は
「憲法９条があので自衛隊は海外に派遣できない。」
と
説明する。
アメリカ、ヨーロッパ、中東アラブ諸国
は
「じゃあ憲法を変えろ！」
と
日本を糾弾した。
アメリカはアメリカ軍の車両を日本の自動車運搬船でイラク、クウェート、サウジアラビアから遠く離れたバーレーンまで輸送するよう要請した。
「戦場に近く危険である」
「戦争に巻き込まれる」
「軍事協力するな」
と
主張する
労働組合、
マスメディア
の
反対
により
日本はバーレーンまでのアメリカ軍車両の輸送を断った。
しかし
日本のタンカー
が
イラク、クウェート、サウジアラビア国境付近の港
まで
石油を取りに行っていたこと
が
発覚してしまう。
アメリカ、ヨーロッパ、中東アラブ諸国
から
「日本は自分の利益のためなら危険を顧みないが、自分の利益にならないなら安全な所まで行くのも拒否する卑怯で臆病な国」
と批判され
大失策の日本。
戦後日本は軍事を過小評価してきたが間違いだった。
戦後日本の軍事を否定する態度は
日本では善良な発想という意見が多かったが
国際社会では通用しない発想だった。
海部俊樹政権はアメリカ中心の多国籍軍に１３５億ドル支払うことで自衛隊の派遣を免除してもらおうとした。
多国籍軍を代表するアメリカは日本が１３５億ドル払ってくれるので
日本の利益にもなるように
多国籍軍向けに日本製の無線機を買うと申し出る。
しかし海部俊樹政権は武器輸出三原則があるので日本製の無線機はアメリカ中心の多国籍軍には売れないと言ってしまった。
多国籍軍を代表するアメリカは、
日本の金でモトローラ製の無線機を買った。
一方、
多国籍軍を代表するアメリカ
は
多国籍軍向けに
ＳＵＶのトヨタ・ランドクルーザーと三菱パジェロを購入した。
多国籍軍向けの日本製ＳＵＶ購入について海部俊樹政権は武器輸出三原則を持ち出すことはなかった。
軍隊だけが使う無線機は駄目、軍隊以外の民間も使う車ならいい、という日本の武器輸出三原則の発想だが
アメリカは軍隊だろうが民間だろうが戦争に関わるならいっしょだろう、どうでもいいだろう、と思っていた。
アメリカは日本の発想が理解できず日本に不信感を抱く。
海部俊樹政権の時代から
日米貿易摩擦など経済面を批判されていた日本
が
安全保障でも批判されていく。
遅ればせながら安全保障における国際協力・国際貢献に乗り出そうとした海部俊樹首相だが
海部俊樹首相の師匠の嫁である三木睦子が批判してくる。
国際社会から批判された、批判されまくったので国際貢献、人的貢献に憑りつかれる日本。
ペルシャ湾の機雷処理のため海上自衛隊の木造掃海艇を派遣する日本。
日本の掃海能力は世界トップクラスで非常に高かったが、水中処分隊の職人技が中心だった。
ペルシャ湾に行った海上自衛隊の木造掃海艇と水中処分隊の隊員は、
アメリカ、ヨーロッパの掃海部隊がＦＲＰ製掃海艇から無人水中処分具による自動化された掃海作戦をやっているのを見る。
まだ国際貢献，人的貢献に憑りつかれ恐怖する日本。
カンボジアＰＫＯ国連カンボジア暫定統治機構ＵＮＴＡＣに陸上自衛隊を派遣することにした日本。
陸上自衛隊の施設大隊（工兵大隊）を派遣する日本だが、
「陸上自衛隊のカンボジア派遣は国連平和維持軍ＰＫＦへの派遣ではない、国連平和維持活動ＰＫＯへの派遣である。ＰＫＯでありＰＫＦではない。」
と
説明する。
しかし国連はＰＫＯに参加する軍隊は全部ＰＫＦ扱いにしていた。
敗戦国への罰が効きすぎている日本、
異様なまでに
軍事を否定する。
カンボジアに派遣された陸上自衛隊
だが
陸上自衛隊ＰＫＯ隊員が持つ
６４式小銃
の
弾倉は空だった。
実弾入り弾倉を６４式小銃に差し込むと
平和に反する
と言う
左翼、マスメディア。
左翼、マスメディアからの批判を避けるため軍事、武力のイメージを消したい日本政府。
襲撃されてから実弾入り弾倉に交換する
という
非現実的な対応
で
陸上自衛隊ＰＫＯ隊員の命などどうでもいいと言わんばかりの対応だった。
平和が大事、命が大事、と言う日本の左翼、マスメディアほどの偽善は無い。
カンボジアＰＫＯ国連カンボジア暫定統治機構ＵＮＴＡＣ
には
陸上自衛隊の施設大隊
だけでなく
文民警察官
に
日本の警察官
が
派遣された。
日本から派遣されたUＮＴＡＣ文民警察官
は
中国が支援する
中国支持派・毛沢東妄信
の
ポル・ポト派
に
襲撃される。
非武装の日本のＵＮＴＡＣ文民警察官
は
何もできず、
ＵＮＴＡＣ文民警察官
岡山県警の高田晴行警部補
が
中国が支援する
中国支持派・毛沢東妄信
の
ポル・ポト派
の
銃撃を受け
殉職した。
