ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

「チェルノブイリのバックグラウンド」(3) 除染方法

2012-03-20 | 放射能関連情報
 1990年発行、アレクサンドル・リュツコ著「チェルノブイリのバックグラウンド」からの抜粋日本語訳の続きです。
 今回は除染について。
 チェルノブイリ原発事故が起きてからまだ時間が経過していない時期に書かれていたので、一般人でも自宅ですぐできる除染方法についても紹介しています。( )内の文章は私のコメントです。

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 地面で言うと雨水など自然の降水によって、放射能は流れていく。しかしそれだけでは除染としては不十分である。
 汚染された場所や物は水でよく洗う。地面の場合、凝固剤を入れた水を撒いて、放射能を固める。
 泡が出る化学薬品を水に混ぜるのも、水だけよりも効果が出る。

 舗装されていない道路にはアスファルトを敷く。アスファルトを敷いた後はその上に積もった放射性の塵を水で洗い流すのも楽になる。
 
 しかし洗った水のほうに放射能が移動するだけであることを忘れてはいけない。
(確かに。除染してきれいになった、と思っても、洗った水のほうが汚染されていることに注意しないといけませんね。)

 地面の奥にしみこんだ放射性物質を植物が根から吸い上げ、また地表やその上の部分に放射能を戻してしまう可能性がある。
 これでは地面を除染しても無意味である。
 そこで除染で効果があるのは、その場所に生えている植物全てを完全に伐採、再び生えてこないように根も掘り起こして廃棄することである。
 さらに地面の表層部分の土をそいでおく。
(木も草もすべて引っこ抜いて捨てろ、ということです。この部分を読んで絶句しました。人間の健康のための除染とは言え、自然に対して我々は何をしているんでしょう?)

 広い面積の除染は経費のことも考慮すると困難。
 そこで広大な森などがある場合、除染を行うより、国立の管理公園に指定して、立ち入り禁止地区にし、さらに森の放射能を観察・実験をする場にしてしまう。
 このようなケースがベラルーシには多い。
(要するに汚染地域が広大すぎるので、除染をあきらめる、ということです。逆に実験フィールドとして研究の場にしよう、という逆転の発想ですね。)

 乾燥した空気のとき、天気のよい日は空間線量が高くなる傾向があるので注意。
 またこの時期に畑仕事の多い時期が重なると、さらに空間線量が高くなる。
(春、種まきをしようと畑の土を掘り返すと、土の中の放射能が空気中に飛び散る、ということです。)

 逆に家の裏などの地面で、湿っている場所の空間線量は低い。
(できるだけ畑仕事の際には地面に水を撒いて湿らせておくほうがいい、ということか・・・と思いました。しかし・・・)
 汚染地域でどうしても畑作をしたい場合は、極論かもしれないがガスマスクをつけて作業することを勧める。
 ガスマスクのタイプは中にガーゼがたくさんの層になって入っているもので、畑仕事が終わったら、そのガーゼは捨てること。
(ここの部分を読んで再び絶句しました・・・。)

 窓やドア、靴を通じて放射能は室内に入ってくる。
 毎日濡れた雑巾で水拭きの掃除をすること。
 濡れ雑巾は、泡の出る洗剤を入れた水に浸して濡らすほうが効果がある。
 壁を洗うのも、家具を洗うのも効果がある。
 放射能は絨毯の毛の中に集まりやすいので、できる限り頻繁に絨毯掃除をする。
 (泡掃除も推奨しています。)

 薪を利用する場合、枝の部分、特に針葉樹の薪は使わないほうがよい。
 また幹の年輪部分で言うと中心部分に放射能がより多く蓄積しているので、薪を作るときに注意する。

 このほか、保養については・・・
 病人、病弱な人は夏場に保養に行くこと。
 出産予定のある女性、妊娠中の女性は妊娠期間の全期間、非汚染地域で暮らすほうがいい。
 (発病リスクで言うと、妊娠8-15週目が被ばくの影響を胎児が一番受けやすい時期なので、注意が必要、としていますが、念のため妊娠中は汚染地域に住まないようにしよう、ということですね。)