人生を振り返る時

私にもそんな時が来た。

ばあちゃん(姑さん)、いつも「おかあさん」と呼んでたのにいつの間にか「ばあちゃん」になった。

ばあちゃんは、舌癌になって亡くなった。

1回目は舌の手術もしたが、再発した80過ぎの時は最期まで自分の口から食事を摂りたいと切らなかった。

自分の口で食事が難しくなった時、胃ろうにしたけれど、それでも口から食べる事を辞めなかった。

亡くなる前の一年程、ずっと傍に居て全てを見、全てを感じ取った。

その時は、嫁姑ではなく、「人間同士」の感情でいた。

回らない口で喋り、その喋りの意味が理解出来た。

ばあちゃんとの最期はこれからの自分の生き方、最期に影響すると思っている。

ばあちゃんは、広縁でパジャマのまま、ソファに座って自分のアルバムを何度となく捲っていた姿が一番記憶に残っている。

私が庭先に姿を見せると必ず笑顔で「来たん」と笑った。

それまでになるまでに、医大に受診する度に車の中で一生分のお喋りをしたので(笑)自分の人生で言い残しが無いだろうと思う程、無口だった人なのに喋っていった。

「誰かに聞いて貰いたかったんだよ」といつもお話しする95歳のお婆ちゃんに言われた。あのおばちゃんも姑さんと懇意にしてくれていたようだ。

ばあちゃんは決して口数の多い人でも、誰彼と喋る人でもなかったが、作ったお野菜は誰彼となく差し上げていた。

だから、何時もお菓子の小さな箱が届いてた(笑)

性格はストレートで、思った事ははっきり言うが、我慢強い人だった。

残念な事に、旦那は(我慢強さ)以外はじいさん似だ。おっと！余分💦

人生を振り返る話が姑さんの話になったが、私も自分の人生を振り返る時期が来たようだ。

毎日、殆どをひとりで過ごし、犬の散歩やドライブやウォーキングで静かに過ごしていると、今まで生きて来た道、失敗ばかりで「成功」には程遠い人生を思う。

何故だろう？　どうしてだろう？　その時その時頑張ったのに？

結果として曲がりなりにちゃんと間違えずに老いて、ちゃんと？生きてる。

取り敢えず困った事にはなっていない。

与えられた人生に感謝したいと思う。

後ろを振り向いた時、今、これからの人生、最近妙に考えるようになった。