野見山さんの画集のほとんどに図版があるけど、若い野見山さんの自画像は小さい板に描かれている。よく見ると板は割れた痕がある。俺は野見山さんの家ではじめてあの絵をみた。あの小さい板に描かれた絵…俺落っことし倉庫からアトリエに下がる階段ガラガラとすごい音たてて転がって行った。あの野見山さんの絵は俺の寿命5年ちぢめたよ。
森山大道さんに聞かれた、「今、面白い画家いる?」俺は答えた、「野見山暁治しってますか?」森山さん「ノミヤマ、」1987年当日野見山暁治は知られていない画家だった。森山さん「横尾忠則の最近の仕事みたら、がっかりするよ。」って言ってた。
仲治への旅。シリーズ連載。あれ森山さんは巧く黒枠入れている。俺暗室で黒枠入れてみたがああ巧くできない。ある時マジックペンを見て「そうか!」と俺自分の写真に黒枠書き入れてみたら、森山さんの写真そっくりになった。森山さんの所で聞いてみた。「サインペンか何かで黒枠書き入れてませんか?」一瞬森山さんは気まづい顔した。
1987年2月、森山大道さんに電話した。「もしもし森山さんですか」と俺。「はい」と森山さん…今週の土曜日にアパートに伺う約束をして、当日行く前にまた電話します、と言うと「そうだね。きみの都合もあるからね。」と森山さんは言った。そして、土曜日に僕は写真シリーズ「エピグラム」のブリントを森山さんに見てもらった。(続く)