王様の耳と猫の耳

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使えないお金

2024-01-25 20:59:46 | 異国の話

ネットを見ていたら、今年お札が新しくなるけれど、古いお札は使えなくなるのか? という質問が載っていて、日本のお金は使えますがな~と思った。

逆に外国では使えなくなることがあるのだ。

 

かなり前のことだが、台湾で使い残したお金を、次に行ったときに払おうと出したら拒否されたことがある。

100元札だったのでびっくりして、なぜ? と尋ねると、このお札は古いから受け取れないと言う。もう使うことはできないのかと重ねて尋ねると(5枚位あった)、台湾銀行にもっていけば取り換えてくれるよとのこと。そのまま台湾銀行へ移動して、無事に新札に交換してもらった。

台湾だから話が通じてよかった。

 

もっと前、初めてインドネシアへ行ったときも、出したお札を戻されたことがあった。インドネシア語は数字くらいしかわからないので困ったが、お店の人も困ったのだろう、一生懸命にお札の一部を指さしてきた。そこにはお札の発行年が記載してあるようだったが、その数字が確か1974だったような。

古いから使えないと言っているのかな? と言うと、夫が「スマトラサイは絶滅したから使えないんだよ、きっと」

お札にはサイの絵がついていた。後で調べたらスマトラサイは絶滅危惧種であって絶滅したわけではなかったようだけど、とにかく古すぎるから使えないということだったようだ。どこかのお店でお釣りとしてもらったのに。どうせわからないから回してしまえということだったのだろうか。少額だったし、サイの絵がよかったので、記念にもらってきた。

 

ほかにも受け取りを拒否されたお金はある。中国でのこと。出したお金が汚いから受け取れないと言われた。汚くたってお金はお金だし、汚したのは私じゃないと思うものの、確かにかなり汚い。というか、汚れているだけじゃなくテープで修繕してある。拒否する気持ちもわからなくはない。

というわけで、別のお札を出して買い物を済ませた。

その汚いお金は銀行にもっていけば交換してくれるのか? おそらく無理だろうというのが地元中国人のご意見。

だから別の機会に、何枚かのお札の中に混ぜて払った。気が付かなかったのか、別に構わないと思ったのか、受け取ってもらえた。

 

また別の時、中国の銀行で正規に両替してもらった500元札で払おうとしたら、レジの人が「これ、偽札じゃない?」と言い出した。

中国は偽札が多いと評判だが、まだ見たことがなかったので、疑われている私たちまで身を乗り出して「どれどれ」などとやっていたら、もう一人女性がやってきて「大丈夫よ。日本人だし」と言う。日本人だというのがどれほどの保証になるかはわからないけど、これは銀行で受け取ったものなんだけど、偽札ということはあるのかな? と聞くと、まあいいからいいからとレジにしまおうとする。最初に受け取った人は納得せず、それはきっと偽札だと言い張る。真偽はわからないが、もしもそれが偽物なら問題だから別のお札を出すよと財布からほかのお金を出そうとしたけれど、後から来た人は受け取らない。しばらく押し問答があったけれど、結局その偽札もどきはレジに収まり、私たちは無事に買い物を済ませた。

後で聞くと、中国の銀行にも偽札探知機はあるのだが、それをすり抜けてしまうのか銀行に入ってしまう偽札もあるらしい。そして困ったことに、その偽札をまた市中に出してしまうことがあるというのだ。私たちが銀行から受け取ったのも偽札の可能性は排除できないようだ。

 

そんなふうに銀行が信用できないのだから、市中の両替商はもっと信用できないだろう。

モンゴルとの国境に近い町でちょっとした電化製品を見つけて、買おうかどうか迷った。銀行は開いていない。持っている中国のお金では足りない。店の人にそう言うと、両替屋を呼んでやるから日本円でもドルでも交換すればいいと言う。それが信用ならんのだよなぁ。

とはいえ、両替したお金のほとんどはそのまま右から左に店の金庫に収まるのだから、たとえ偽札でもこちらに損はないはず。夫がそう言うので、なるほどと思って、その流しの両替屋さん(ショルダーバッグに中国のお金と外貨と電卓が入っているだけ)に頼んで、いくらか交換してもらった。

大きなお札は電気屋さんに渡り、私たちの手元に残ったのは5元以下の小額。それを食べ物屋台で使おうと出したら、店のお兄ちゃんが「?」という表情になり、灯の下でお札を裏表じっくり見て「偽札だよ」と言った。

えーっとのぞき込むと、ほら手触りがちょっと違うだろ、と言う。言われてみれは違う気もするけどピン札だからかと思った。でも、あんなに汚いお札ばかりの中国で、ピン札というのがまず怪しくないか? 動きのある小額紙幣ならなおさら、すぐに汚くなるはずなのに。

5元といえば、当時で70円くらい。そんな偽札作る? でも作るのが中国。何しろ2元の偽たばこまであったくらいだから。

その5元も持ち帰り、モンゴルの友人に見せたら、みんな面白がっていた。

あれ? あのお札、どこへ行ったんだろう?



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