きょううかがった話ですが、日本的な人材養成システムについて、以下のように指摘する方(慶応大学教授)がおられた。
ーーー従来型の日本の人材養成システムでは、企業は地頭主義で、大学には選抜機能しか期待しない。したがって、学生は在学中ほとんど勉強をせず、企業は、企業にはいってから鍛えている。しかし、それは、もはや時代遅れのものになっている可能性が高い。
このことについて、労働問題の専門家である濱口桂一郎は、「学校でなにをどれだけ学んだかではなく、その学校にはいる段階の学業成績が重要なのです。就職の際に企業が求めるのは、・・・その企業で一から厳しく訓練するのに耐えられる素材かどうかなのです。」とのべています。(濱口桂一郎『新しい労働社会』岩波新書、2009年7月22日、700円+税)
それが、いま、機能しなくなった。若年層におけるオンザジョブトレーニングが失われている。
だから、つぎのように指摘されています。
ーーーより外部の教育機関を活用した人材養成と、そうして養成された人材に適合的な労働環境の提供をはかっていくべきではないか。
さらに、以下のようなポイントも指摘されていた。
ーーー情報化で、ホワイトカラーの中抜き現象がおきている。また、比較的時間をかけて技能を積み上げていくような職種が減少している。他方で、高度な判断力や専門的な知識をもった人材に対する需要はたかまっている。
その「高度な判断力や専門的な知識をもった人材」を養成する仕組みを企業のなかにもてなくなっている現状がある。企業組織のありかたそのものがかわった結果です。
その「外部の教育機関」は、期待にこたえられる状況にあるのでしょうか?けっしてそうはいえません。新しい「外部の教育機関」の登場がもとめられています。
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