![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/c0/bd58fe2a5e97598b41302a2f02826361.jpg)
「惑星降格」と騒がれた冥王星だけど…、今冥王星が面白い!
てなわけで今日は、アメリカの科学雑誌Scienceから、冥王星に関する論文をちらっと紹介。
ここで整理しておこう(・◇・)ノ
冥王星plutoは1930年に発見され、太陽系第9惑星として知られるように
1978年には衛星カロンcharonが発見され、その後の観測によって冥王星とカロンはともに系の重心を中心に回っており、「二重惑星」と呼ばれることもあった。
2005年、ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測で、新たに2つの衛星、ニクスnixとヒドラhydraが発見された。
2006年1月、冥王星などの天体へ向けて、NASAの探査機ニュー・ホライズンズが打ち上げられた。
同年8月、国際天文学連合(IAU)によって惑星の定義が採択され、冥王星は惑星ではなく、矮惑星と呼ばれることになった。
上の写真はハッブル宇宙望遠鏡が撮影した冥王星系(Credit: NASA/ESA/H. Weaver (JHU/APL)/A. Stern (SwRI)/HST)。
冥王星系を構成する天体は、これまでのところ4つが知られている。
今回の論文では、冥王星系の4つの天体がどのように誕生し、どのようにして現在のような軌道をとるようになったのかを説明する仮説が提唱されている!
まずは簡単に背景を説明。
冥王星はエッジワース・カイパー・ベルト天体(EKBO)と呼ばれるグループに入る。
エッジワース・カイパー・ベルトは海王星軌道より外側に広がる、主に氷でできた小天体の集団。
EKBOは惑星のように大きく成長できずに、太陽系が誕生した頃からほとんど変わることなく生き残った小天体だと考えられている。
多くの小天体は惑星の重力の影響を受けて、惑星に取り込まれたり、太陽系の外側へと弾き飛ばされたりしてしまったんだけど、一部の天体は海王星と微妙なバランスを取りながら生き残った。
それがEKBO。
冥王星はそんなEKBOの中でも特に大きく成長した天体だ。
冥王星の衛星(二重惑星とする意見もあるが、取りあえず衛星と呼んでおくけど…)カロンは、どのように形成されたのか。
これについては研究が進んでいて、ジャイアント・インパクト(巨大衝突)説が有力!
原始冥王星に他の原始EKBOが衝突し、飛び散った破片が集まってカロンができたというのが、この説。
そして2005年のニクスとヒドラの発見を受けて、それらの衛星の誕生と進化を説明する新しい仮説として登場したのが、今回の論文なんだ♪(・◇・)
その論文によれば、ジャイアント・インパクトで飛び散ったデブリ(破片)の残りから小衛星が形成されたという。
当時まだ軌道が楕円だったカロンの影響を受けて、カロンと共鳴関係となっていたニクスとヒドラは衛星として安定して存在することができた。
やがて、カロンの軌道は円に近づき、現在の姿となったという。
イラストやアニメーションを作ってみたので、それらを使って冥王星系の形成過程を見てみよう(。・◇・。)
①ジャイアント・インパクト~カロンの誕生とデブリ円盤の形成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/3f/868a189c4cb64298226470206772effc.gif)
この画像は、原始冥王星で起こったとされるジャイアント・インパクトのコンピュータ・シミュレーションの結果などを参考にして作ったアニメーション。
いろんな資料を参考にしてるとは言ってもあくまでイラストなので…
原始冥王星に原始惑星(正確には「原始矮惑星」というべきかな?「原始EKBO」と表記した方が間違いなかったな…)が表面をえぐるように衝突!!!
飛び散ったデブリの大部分は冥王星へと戻るか、あるいは集まってカロンを形成。
残りのデブリは冥王星の赤道面(カロンの軌道面)上に円盤を形成する。
②カロンの完成と冥王星-カロン系を包むデブリ・トーラス
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/b6/e32c8e55c48a5ed199fd9c92718cfe46.jpg)
これは今回の論文などを参考にして描いたイラスト。
完成したカロンは、初めは長い楕円軌道を描いていた。
衝突で散らばったデブリは、冥王星やカロンに吸収されたり、追いやられたりしながら、冥王星-カロン系をドーナツ状に取り巻くようになる。
このデブリ・トーラスの中でデブリが互いに集まり、いくつかの小衛星が形成された。
③ニクス、ヒドラと、カロンとの共鳴関係の完成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/0a/d6fa5da7fcd88d8ed86f68feb4a3359e.gif)
これも論文を参考に作ったイラスト。
天体の大きさは実際より大きく描いてあることに注意。
カロンが楕円軌道を回っていたため、周囲の小衛星が大きな影響を受けていた。
カロンの運動とのバランスが取れない小衛星の軌道は安定せず、冥王星やカロンと衝突したか、または遠くへと飛ばされてしまった。
その中で、カロンの公転周期と1:4または1:6の公転周期で共鳴する2つの小衛星の軌道は安定し、冥王星系の衛星として生き残った。
このイラストは当時の4天体の運動の模式図。
カロンが近冥点(冥王星に最も近づく点、図では白い点)を通過するときの小衛星の位置に注目!
実際にはヒドラが2周すると4つの天体が元の位置に戻る(ブログに容量制限があるので途中までです…w)。
④現在の姿へ
冥王星とカロンの間には強い潮汐力がはたらいている。
その結果、不安定な楕円軌道から、より安定な円軌道へと移行。
それとともにニクスとヒドラの軌道も現在の位置へと移行したんだとさ…
他では見られない微妙なバランスの中で、現在の冥王星系はできあがったんだなぁ~
なお、元の論文にはきちんと数学的に解析されている。
けど、専門外の俺には荷が重いな…w
元の論文(Science)
Forced Resonant Migration of Pluto's Outer Satellites by Charon
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/313/5790/1107
ところで、地球の衛星である月も、ジャイアント・インパクトによって誕生したと考えられているんだけど、調べていたら色々面白いサイトが…
中でも↓の国立天文台、小久保英一郎様のサイトに、ドラマチックな音楽とともにコンピュータ・シミュレーション結果のムービーが紹介されてるぅ~Σ(☆-◇・)!
昔話題になった映像だけど、素敵だ…
The Origin of the Moon: http://yso.mtk.nao.ac.jp/~kokubo/moon/kit/index.html
てなわけで今日は、アメリカの科学雑誌Scienceから、冥王星に関する論文をちらっと紹介。
ここで整理しておこう(・◇・)ノ
冥王星plutoは1930年に発見され、太陽系第9惑星として知られるように
1978年には衛星カロンcharonが発見され、その後の観測によって冥王星とカロンはともに系の重心を中心に回っており、「二重惑星」と呼ばれることもあった。
2005年、ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測で、新たに2つの衛星、ニクスnixとヒドラhydraが発見された。
2006年1月、冥王星などの天体へ向けて、NASAの探査機ニュー・ホライズンズが打ち上げられた。
同年8月、国際天文学連合(IAU)によって惑星の定義が採択され、冥王星は惑星ではなく、矮惑星と呼ばれることになった。
上の写真はハッブル宇宙望遠鏡が撮影した冥王星系(Credit: NASA/ESA/H. Weaver (JHU/APL)/A. Stern (SwRI)/HST)。
冥王星系を構成する天体は、これまでのところ4つが知られている。
今回の論文では、冥王星系の4つの天体がどのように誕生し、どのようにして現在のような軌道をとるようになったのかを説明する仮説が提唱されている!
まずは簡単に背景を説明。
冥王星はエッジワース・カイパー・ベルト天体(EKBO)と呼ばれるグループに入る。
エッジワース・カイパー・ベルトは海王星軌道より外側に広がる、主に氷でできた小天体の集団。
EKBOは惑星のように大きく成長できずに、太陽系が誕生した頃からほとんど変わることなく生き残った小天体だと考えられている。
多くの小天体は惑星の重力の影響を受けて、惑星に取り込まれたり、太陽系の外側へと弾き飛ばされたりしてしまったんだけど、一部の天体は海王星と微妙なバランスを取りながら生き残った。
それがEKBO。
冥王星はそんなEKBOの中でも特に大きく成長した天体だ。
冥王星の衛星(二重惑星とする意見もあるが、取りあえず衛星と呼んでおくけど…)カロンは、どのように形成されたのか。
これについては研究が進んでいて、ジャイアント・インパクト(巨大衝突)説が有力!
原始冥王星に他の原始EKBOが衝突し、飛び散った破片が集まってカロンができたというのが、この説。
そして2005年のニクスとヒドラの発見を受けて、それらの衛星の誕生と進化を説明する新しい仮説として登場したのが、今回の論文なんだ♪(・◇・)
その論文によれば、ジャイアント・インパクトで飛び散ったデブリ(破片)の残りから小衛星が形成されたという。
当時まだ軌道が楕円だったカロンの影響を受けて、カロンと共鳴関係となっていたニクスとヒドラは衛星として安定して存在することができた。
やがて、カロンの軌道は円に近づき、現在の姿となったという。
イラストやアニメーションを作ってみたので、それらを使って冥王星系の形成過程を見てみよう(。・◇・。)
①ジャイアント・インパクト~カロンの誕生とデブリ円盤の形成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/3f/868a189c4cb64298226470206772effc.gif)
この画像は、原始冥王星で起こったとされるジャイアント・インパクトのコンピュータ・シミュレーションの結果などを参考にして作ったアニメーション。
いろんな資料を参考にしてるとは言ってもあくまでイラストなので…
原始冥王星に原始惑星(正確には「原始矮惑星」というべきかな?「原始EKBO」と表記した方が間違いなかったな…)が表面をえぐるように衝突!!!
飛び散ったデブリの大部分は冥王星へと戻るか、あるいは集まってカロンを形成。
残りのデブリは冥王星の赤道面(カロンの軌道面)上に円盤を形成する。
②カロンの完成と冥王星-カロン系を包むデブリ・トーラス
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/b6/e32c8e55c48a5ed199fd9c92718cfe46.jpg)
これは今回の論文などを参考にして描いたイラスト。
完成したカロンは、初めは長い楕円軌道を描いていた。
衝突で散らばったデブリは、冥王星やカロンに吸収されたり、追いやられたりしながら、冥王星-カロン系をドーナツ状に取り巻くようになる。
このデブリ・トーラスの中でデブリが互いに集まり、いくつかの小衛星が形成された。
③ニクス、ヒドラと、カロンとの共鳴関係の完成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/0a/d6fa5da7fcd88d8ed86f68feb4a3359e.gif)
これも論文を参考に作ったイラスト。
天体の大きさは実際より大きく描いてあることに注意。
カロンが楕円軌道を回っていたため、周囲の小衛星が大きな影響を受けていた。
カロンの運動とのバランスが取れない小衛星の軌道は安定せず、冥王星やカロンと衝突したか、または遠くへと飛ばされてしまった。
その中で、カロンの公転周期と1:4または1:6の公転周期で共鳴する2つの小衛星の軌道は安定し、冥王星系の衛星として生き残った。
このイラストは当時の4天体の運動の模式図。
カロンが近冥点(冥王星に最も近づく点、図では白い点)を通過するときの小衛星の位置に注目!
実際にはヒドラが2周すると4つの天体が元の位置に戻る(ブログに容量制限があるので途中までです…w)。
④現在の姿へ
冥王星とカロンの間には強い潮汐力がはたらいている。
その結果、不安定な楕円軌道から、より安定な円軌道へと移行。
それとともにニクスとヒドラの軌道も現在の位置へと移行したんだとさ…
他では見られない微妙なバランスの中で、現在の冥王星系はできあがったんだなぁ~
なお、元の論文にはきちんと数学的に解析されている。
けど、専門外の俺には荷が重いな…w
元の論文(Science)
Forced Resonant Migration of Pluto's Outer Satellites by Charon
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/313/5790/1107
ところで、地球の衛星である月も、ジャイアント・インパクトによって誕生したと考えられているんだけど、調べていたら色々面白いサイトが…
中でも↓の国立天文台、小久保英一郎様のサイトに、ドラマチックな音楽とともにコンピュータ・シミュレーション結果のムービーが紹介されてるぅ~Σ(☆-◇・)!
昔話題になった映像だけど、素敵だ…
The Origin of the Moon: http://yso.mtk.nao.ac.jp/~kokubo/moon/kit/index.html
持っていってもいいですか?
申\し訳ありません。
画像の件ですが、一言報告があれば基本的に自由としています。
ただし、ここのURLなど、出どころを明記して頂くようにお願いしています。
何しろ素人の作成した画像なので、責任を取れないからです。
パソ\コンは買い換えるつもりですが、とりあえず忙しくなったので、今後の運営方法について少し考えてみようと思います!