1月の銀河関連ニュースです。
銀河から宇宙大規模構造、銀河形成論等に関するニュースを集めました。
★銀河からのびる謎の尾
MSU Contributes to New Research on Star Formation
Abell 3627銀河団の中にあるESO 137-001銀河からは、26万光年にもわたってのびる2本のガスの尾が発見されています。
星形成領域は銀河の円盤に分布しているのが一般的ですが、この尾では恒星が誕生していると考えられます。
★バルジを持たない矮小銀河の形成メカニズム
Bulgeless dwarf galaxies and dark matter cores from supernova-driven outflows
これまで観測された多くの矮小銀河は、中心部のバルジを持たず、ほぼ一定密度のダークマターのコアを持っています。
しかし、冷たいダークマター(ダークマターの正体として一般的に想定されているもの)を仮定したモデルでは、ダークマターが中心部で急激に密度が高く、バルジを持った矮小銀河が形成されるため、実際の観測結果を説明できませんでした。
今回、冷たいダークマターと宇宙定数を仮定したモデルにおいてシミュレーションを行ったところ、超新星からのアウトフローにより角運動量の小さいガスが吹き飛ばされ、それによってバルジの形成やダークマターの中心部への集中が抑えられることが示され、観測結果を矛盾なく説明できることが分かりました。
★初期の銀河の成長過程
Distant Galaxies Grow “Inside-out” and Through Minor Mergers
ジェミニ北望遠鏡による初期宇宙の銀河の観測では、質量の大きな銀河が大きさにおいてはむしろ小さいことが分かりました。
銀河が成長するにつれて内側の密な核よりも外側の領域で質量が増えていくことを示唆しています。
★銀河団へと成長する「超銀河群」Abell 1882
Dynamical Analysis of the Abell 1882 Super Group of Galaxies
Abell 1882に含まれる300以上の銀河候補天体のうち、90個について銀河の運動を新たに調べたところ、Abell 1882全体の質量は太陽約200兆個分と推定されました。
この結果から、20億年以内には銀河団へと成長すると予想されます。
★銀河系中心部の磁場の大きさ
A lower limit of 50 microgauss for the magnetic field near the Galactic Centre
これまでの報告では銀河系中心部付近の磁場について2桁以上の開きがありました。
これまで得られたデータをまとめたところ、宇宙線電子の制動放射冷却からシンクロトロン放射冷却への遷移によると思われる電波スペクトルの落差が生じていることが明らかになりました。
そのような落差を生じるには、銀河系中心部付近に400パーセクのスケールで少なくとも50μGの磁場が必要であり、これが想定される磁場の下限と考えられます。
★アンドロメダ銀河ハローに新しい恒星ストリームを発見
アンドロメダ銀河ハローに新しい恒星ストリームを発見
New tidal streams found in Andromeda reveal history of galactic mergers
大型銀河であるアンドロメダ銀河のハローの中には、アンドロメダ銀河の重力によって引き裂かれた矮小銀河の痕跡が残っていると考えられます。
矮小銀河は潮汐力によって長く引き伸ばされ、アンドロメダ銀河のハローの中で同じような速度で運動する恒星の集団を形成します。
これを恒星ストリーム(潮汐ストリーム)と呼びます。
すばる望遠鏡による観測によってアンドロメダ銀河のハローにいくつかの恒星の集団が発見され、ケック望遠鏡で詳しいスペクトル分析が行われた結果、集団内の恒星が同じような運動をしていることが分かり、新しい恒星ストリームであることが分かりました。
★ハッブルによる最古の銀河の発見
Hubble Reaches the "Undiscovered Country" of Primeval Galaxies
Astronomy: Oldest Galaxies Show Stars Came Together in a Hurry
NASAのハッブル宇宙望遠鏡による観測で、ビッグバンからわずか6~8億年しかたっていない130億年前の銀河が発見されました。
★豊富に存在する双子の巨大ブラックホール
Waltzing black holes take center stage at astronomy meeting
ケックⅡ望遠鏡を使ったDEEP2銀河赤方偏移探査で、40億~70億光年の距離にある銀河の中に、双子のブラックホール32対が発見されました。
さらに、COSMOS J100043.15+020637.2という40億光年彼方にある銀河にはハッブル宇宙望遠鏡によって2つの明るい核が発見されていましたが、ケックⅡ望遠鏡による観測で、両者の核の中心部には巨大ブラックホールが存在することが分かりました。
銀河同士の合体によって銀河が成長する過程で、もとの銀河の中心にあった巨大ブラックホールがペアを作ると考えられ、そのようなペアはこれまで観測されていたよりも豊富に存在することが分かりました。
★予想より長かった銀河間のガスの流れ
Giant Intergalactic Gas Stream Longer than Thought
銀河系近くの銀河から流れるガスの帯が、これまで考えられていたよりも長いことが分かりました。
ガス流の推定年代もこれよりも古い25億年と見積もられます。
銀河から宇宙大規模構造、銀河形成論等に関するニュースを集めました。
★銀河からのびる謎の尾
MSU Contributes to New Research on Star Formation
Abell 3627銀河団の中にあるESO 137-001銀河からは、26万光年にもわたってのびる2本のガスの尾が発見されています。
星形成領域は銀河の円盤に分布しているのが一般的ですが、この尾では恒星が誕生していると考えられます。
★バルジを持たない矮小銀河の形成メカニズム
Bulgeless dwarf galaxies and dark matter cores from supernova-driven outflows
これまで観測された多くの矮小銀河は、中心部のバルジを持たず、ほぼ一定密度のダークマターのコアを持っています。
しかし、冷たいダークマター(ダークマターの正体として一般的に想定されているもの)を仮定したモデルでは、ダークマターが中心部で急激に密度が高く、バルジを持った矮小銀河が形成されるため、実際の観測結果を説明できませんでした。
今回、冷たいダークマターと宇宙定数を仮定したモデルにおいてシミュレーションを行ったところ、超新星からのアウトフローにより角運動量の小さいガスが吹き飛ばされ、それによってバルジの形成やダークマターの中心部への集中が抑えられることが示され、観測結果を矛盾なく説明できることが分かりました。
★初期の銀河の成長過程
Distant Galaxies Grow “Inside-out” and Through Minor Mergers
ジェミニ北望遠鏡による初期宇宙の銀河の観測では、質量の大きな銀河が大きさにおいてはむしろ小さいことが分かりました。
銀河が成長するにつれて内側の密な核よりも外側の領域で質量が増えていくことを示唆しています。
★銀河団へと成長する「超銀河群」Abell 1882
Dynamical Analysis of the Abell 1882 Super Group of Galaxies
Abell 1882に含まれる300以上の銀河候補天体のうち、90個について銀河の運動を新たに調べたところ、Abell 1882全体の質量は太陽約200兆個分と推定されました。
この結果から、20億年以内には銀河団へと成長すると予想されます。
★銀河系中心部の磁場の大きさ
A lower limit of 50 microgauss for the magnetic field near the Galactic Centre
これまでの報告では銀河系中心部付近の磁場について2桁以上の開きがありました。
これまで得られたデータをまとめたところ、宇宙線電子の制動放射冷却からシンクロトロン放射冷却への遷移によると思われる電波スペクトルの落差が生じていることが明らかになりました。
そのような落差を生じるには、銀河系中心部付近に400パーセクのスケールで少なくとも50μGの磁場が必要であり、これが想定される磁場の下限と考えられます。
★アンドロメダ銀河ハローに新しい恒星ストリームを発見
アンドロメダ銀河ハローに新しい恒星ストリームを発見
New tidal streams found in Andromeda reveal history of galactic mergers
大型銀河であるアンドロメダ銀河のハローの中には、アンドロメダ銀河の重力によって引き裂かれた矮小銀河の痕跡が残っていると考えられます。
矮小銀河は潮汐力によって長く引き伸ばされ、アンドロメダ銀河のハローの中で同じような速度で運動する恒星の集団を形成します。
これを恒星ストリーム(潮汐ストリーム)と呼びます。
すばる望遠鏡による観測によってアンドロメダ銀河のハローにいくつかの恒星の集団が発見され、ケック望遠鏡で詳しいスペクトル分析が行われた結果、集団内の恒星が同じような運動をしていることが分かり、新しい恒星ストリームであることが分かりました。
★ハッブルによる最古の銀河の発見
Hubble Reaches the "Undiscovered Country" of Primeval Galaxies
Astronomy: Oldest Galaxies Show Stars Came Together in a Hurry
NASAのハッブル宇宙望遠鏡による観測で、ビッグバンからわずか6~8億年しかたっていない130億年前の銀河が発見されました。
★豊富に存在する双子の巨大ブラックホール
Waltzing black holes take center stage at astronomy meeting
ケックⅡ望遠鏡を使ったDEEP2銀河赤方偏移探査で、40億~70億光年の距離にある銀河の中に、双子のブラックホール32対が発見されました。
さらに、COSMOS J100043.15+020637.2という40億光年彼方にある銀河にはハッブル宇宙望遠鏡によって2つの明るい核が発見されていましたが、ケックⅡ望遠鏡による観測で、両者の核の中心部には巨大ブラックホールが存在することが分かりました。
銀河同士の合体によって銀河が成長する過程で、もとの銀河の中心にあった巨大ブラックホールがペアを作ると考えられ、そのようなペアはこれまで観測されていたよりも豊富に存在することが分かりました。
★予想より長かった銀河間のガスの流れ
Giant Intergalactic Gas Stream Longer than Thought
銀河系近くの銀河から流れるガスの帯が、これまで考えられていたよりも長いことが分かりました。
ガス流の推定年代もこれよりも古い25億年と見積もられます。
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