やぎの宇宙ブログ

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2月後半3大ニュース

2008-04-03 22:07:47 | 最新ニュース
徐々に遅れを取り戻しつつありますが、まだ2月後半のニュースです…w

今回もトップ3を勝手に選びましたが、近年注目を浴びる「太陽系に似た恒星系探し」の話題が2つ届いています。
新天体のデータなどで文字数が多くなったため、今回も3大ニュースとその他のニュースに分けて配信します。



まず2月後半トップニュースは、

太陽系に良く似た構成の惑星系を発見
http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/news/osirase/20080215/index.html


ある星(Aとします)の手前を、別の星(Bとします)が偶然横切ると、星Bの重力がちょうどレンズのようにはたらいて星Aの光が歪められ明るくなったように見える現象が起こります。
重力マイクロレンズと呼ばれる非常に珍しい現象ですが、手前を通る星に惑星が存在する場合、星本来による増光に加えて惑星の重力による増光が起こり、それを捉えることによって惑星の存在を知ることができ、他の方法では難しい地球サイズの小型の惑星の発見も可能です。
ただしいつどこで起こるか分からない現象なので、MOAグループ(日本)やOGLEグループが数千万個の星を毎晩モニターして増光が捉えられるとすぐに警報を発信し、それを受けて世界各地の追観測グループがさらに詳細な観測をする、という観測ネットワークがあります。

上のグラフは今回の重力マイクロレンズOGLE-2006-BLG-109で観測された光度変化です。
2006年3月28日にOGLEグループがに惑星と思われるわずかな増光を捉え(1)、その後の各地の追観測で4月5日(2)及び4月6日(3)に増光が確認され、データ解析から4月8日に再び増光がみられるはずと予想されました。
予想通りに4月8日に増光が確認されましたが(5)、その間に余分な増光が捉えられ(4)、こちらは第2の惑星によるものと考えられました。
左上の図は天空上の、星の奇跡(明るい灰)と、1つ目の惑星(白及び暗い灰)と2つ目の惑星(赤)の奇跡を示しており、交点で増光のピークが起こることが示されています。

母天体である恒星と発見された2つの惑星の質量はそれぞれ太陽、木星、土星のおよそ半分で、2つの惑星の軌道半径もそれぞれ木星、土星のおよそ半分です。
このような太陽系に似た構成の系が今後数多く発見されれば、太陽系誕生のメカニズムの理解が深まるはずです。

下は母天体及び2つの惑星のデータです。なお、上の説明中の「1つ目の惑星」がOGLE-06-109L c、「2つ目の惑星」がOGLE-06-109L bです。

(母天体)     OGLE-06-109L
赤経        17 52 35
赤緯        -30 05 16
地球からの距離 1490±130 pc
実視等級     17.17
質量        0.5±0.05 Msun

(惑星)    OGLE-06-109L b OGLE-06-109L c
軌道長半径 2.3±0.2 AU     4.6±0.5 AU
離心率    -           0.11 (0.07~0.28)
軌道傾斜角 -           59±6°
公転周期   1825±365 d    5100±730 d
質量     0.71±0.08 Mj    0.27±0.03 Mj
温度     -191℃        -214℃


次は第2位

メトネとアンテの軌道上に未確認のリングが存在?

High Energy Electron Holes Reveal Unseen Rings
http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=1611


NASAの土星探査機カッシーニの低エネルギー磁気圏計測システムのデータを解析したところ、土星周囲に広がる高エネルギー電子が、小衛星メトネとアンテの軌道付近で部分的に少なくなっていることが分かりました。
これは両衛星の軌道付近に高エネルギー粒子を吸収する何かが存在することを示しており、その幅が1000~3000kmに及ぶことから、その正体は未発見の土星のリングではないかと考えられます。
土星ではアトラス、ヤヌスとエピメテウス、パレネの軌道上にリングが確認されています(いずれもカッシーニが発見)。
こうしたリングは、隕石衝突などで衛星から飛び出した粒子によって構成されていると考えられます。
また、Gリングなどと同様、他の大型の衛星の重力の影響を受けて局所的にリング粒子が集まり、アークを形成していると予想されます。


第3位は…

太陽サイズの星の少なくとも20%に岩石惑星

Many, Perhaps Most, Nearby Sun-Like Stars May Form Rocky Planets
http://www.spitzer.caltech.edu/Media/releases/ssc2008-05/release.shtml


太陽と同じくらいの質量の恒星のうち、地球に似た岩石惑星を持っている恒星はどのくらいあるのかを推定するため、太陽サイズの若い恒星の観測がNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡を使って行われました。
地球サイズの惑星を直接観測するのは非常に困難ですが、研究グループは若い星の周りに存在する惑星形成の材料となる塵に着目しました。
24μm赤外線を出す塵は「温かく」、地球と木星の間にあたる軌道を回っていると考えられるため、これが捉えられた星には惑星がこれから形成される、もしくは現在形成されている可能性が高いことになります。
研究グループは若い星を年齢別に6つのグループに分け、それぞれのグループで「温かい」塵を持つ星の割合を調べました。
その結果、若い方から4つのグループでは10~20%の割合で「温かい」塵が検出され、誕生から3億年以上たった星ではあまり検出されませんでした。
このことから、恒星誕生後300万年~3億年の間に惑星が形成されていると考えられ、地球が太陽誕生後1000万年~3000万年の間に形成されたという調査結果とよく一致します。
塵が多い星ではより早く惑星が形成され、塵の少ない星ではより時間がかかると推定され、それを考慮すると太陽サイズの恒星の60%程で惑星形成が起こっている可能性も考えられます。
研究グループでは、太陽サイズの恒星のうち岩石惑星をもつものの割合は20~60%の間であろうと結論付けています。



2月後半のその他のニュースはこちら↓
http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/fdb17f9a24ed4257ca28712eea6a6011


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