今更4月後半のニュース…って半年前かょ…orz
大変遅れてしまいました。
もはやニュースとは呼べない…
すみませんです。
これから急ピッチで遅れを取り戻しますよぉ~♪
まずは3大ニュースから
重力波の存在を示す、ブラックホールの連星系
A massive binary black-hole system in OJ 287 and a test of general relativity
http://www.nature.com/nature/journal/v452/n7189/full/nature06896.html
35億光年の距離にあるクエーサーOJ 287には超巨大ブラックホールがあります。
ブラックホール周囲には降着円盤があり、その明るさは12年周期で変化します。
この巨大ブラックホールの周りを12年周期で回る小型のブラックホールが存在し、小型ブラックホールが1周する間に2回降着円盤を通過するために、明るさが変化するとする研究結果が発表されました。
上のグラフは、過去の小型ブラックホールと降着円盤との衝突のうち、1983年、2005年、2007年に起こった衝突による増光を表したものです。
さらに、小型ブラックホールの軌道は徐々に小さくなっており、アインシュタインの一般相対性理論が存在を予言している「重力波」を放出してエネルギーを失っているためだと考えられます。
実際、「重力波」が存在すると仮定すると、2007年の衝突の時期を1日以内の誤差で予測することができました。
一方「重力波」の影響を無視すると、実際に増光がみられた日よりも20日遅い予測となってしまいます。
ブレーザーの内部ジェットの詳しい構造が明らかに
The inner jet of an active galactic nucleus as revealed by a radio-to-γ-ray outburst
http://www.nature.com/nature/journal/v452/n7190/full/nature06895.html
ブレーザーは活発な活動銀河核であり、中心部にある超巨大ブラックホールの両極から光速に近いスピードでプラズマジェットが噴き出しています。
このブラックホールの周囲にある降着円盤の差動回転とエルゴ領域によって捻られた磁場によって、ジェットが加速されていると考えられてきました。
上は実際にとかげ座BLと呼ばれるブレーザーをVLBAで観測した画像で、9.5億光年離れたブレーザーのジェットが0.39光年の解像度で捉えられています。
このような詳しい観測で内部ジェットの構造が明らかになり、これまでの理論が確かめられました。
300年前に活発に活動していた銀河系中心ブラックホール
Milky Way's giant black hole awoke from slumber 300 years ago
http://www.esa.int/esaSC/SEMV9Z3XQEF_index_0.html
銀河系中心部にあるいて座Aスター(A*)は太陽質量の400万倍の質量をもつ超巨大ブラックホールです。
他の銀河の中心部ブラックホールに比べて、周辺から放出されるエネルギーは数十億倍弱いのが特徴です。
日米欧のX線観測衛星を使った1994年から2005年にかけての観測で、いて座A*から300光年離れたところにあるいて座B2と呼ばれる雲の明るさが一時的に増光するのが捉えられました。
いて座A*からのX線がいて座B2中の鉄原子に衝突し、その際励起された鉄原子からX線が放出されると考えられます。
観測結果は、いて座A*が約300年前に増光したことを示しています。
今更4月後半のニュース。
それでは3大ニュース以外です。
★産まれたばかりの大質量星
Two Very Young Massive Stars Unshrouded with LGS AO
http://www.gemini.edu/index.php?q=node/286
ジェミニ北天文台のレーザーガイド星補償光学により、星形成領域W51の高分解能での観測に成功し、非常に若い2つの大質量星が確認されました。
★80億年前の銀河で、恒星の第2次ベビーブーム
The Second Stellar Baby Boom
http://www.spitzer.caltech.edu/Media/happenings/20080430/
NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡などを使って、新しい恒星が活発に誕生している銀河を赤外線で観測した結果、80億年前から50億年前の時代にそうした銀河が多いことが分かりました。
それらの銀河からの赤外線は、新しく誕生したばかりの恒星の強い紫外線のエネルギーを吸収した塵から放射されていると考えられています。
★初期宇宙に、小さくて重い高密度銀河を発見
Compact Galaxies in Early Universe Pack a Big Punch
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2008/15/full/
NASAのハッブル宇宙望遠鏡などを使って110億光年かなたの古い銀河を観測した結果、初期の宇宙には質量は銀河系に匹敵するのに、大きさが非常に小さい高密度の銀河が数多く存在していたことが分かりました。
今回発見された9つの高密度銀河は、いずれも大きさは直径5000光年であるにも関わらず、質量は太陽2000億個分もあります。
これまで、銀河系を始め現在の宇宙の大型銀河は、初期の宇宙で誕生した軽くて小さい銀河が衝突を繰り返してできたと考えられてきました。
しかし、小さいながらも重い銀河の発見は、銀河の成長メカニズムがそれだけではないことを示しています。
★土星の雷雲
NASA Spacecraft Tracks Raging Saturn Storm
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/press-release-details.cfm?newsID=837
NASAの土星探査機カッシーニが、ここ2年間で最大の「電気的な嵐」を観測しました。
カッシーニが搭載している電波・プラズマ波科学機器が2007年11月27日に捉えたもので、12月には初めてカメラで撮影されました。
地球の雷雨に似ていますが、直径数千kmもあり、地球の雷雨の何千倍もの電波を放出します。
同様の嵐は2004年、2006年にもそれぞれ観測されていますが、今回は5か月間にもわたって存続しています。
★高齢なのに未熟な球状星団
NGC 6397 and NGC 6121:
Oldest Known Objects May Be Surprisingly Immature
http://chandra.harvard.edu/photo/2008/gclust/
2つの球状星団NGC 6397とNGC 6121をNASAのチャンドラX線観測衛星が撮影したX線画像です。
球状星団は恒星が密に集まっており、複数の恒星が互いに接近して連星系を作って相互作用を起こすとX線が発生します。
若い球状星団は恒星の密度がまだ小さく連星系も少ないのですが、徐々に中心部の密度が高くなると連星系が多数形成され、さらに進化すると連星系が弾き飛ばされて中心部がつぶれていきます。
そのため、初期にはX線源が少なく、進化とともにX線源が増えていき、最終段階に至るとX線源が再び少なくなる、という過程をたどります。
この画像から、NGC 6397の方がNGC 6121よりも成熟した段階にあると考えられます。
★新たに発見された水星の地形に名前
New Names for Features on Mercury
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=181
★GALEX、打ち上げから5年
Galaxy Evolution Explorer Celebrates Five Years in Space
http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=1674
NASAの銀河進化探査衛星GALEX(Galaxy Evolution Explorer)が、打ち上げられてから5年目を迎えました。
写真は渦巻銀河M106です。
★フレア爆発が振動の原因
Solar flares set the Sun quaking
http://www.esa.int/esaSC/SEM4SB4XQEF_index_0.html
2004年に起きたスマトラ沖地震では、地震後数週間にわたって世界各地で振動が観測されました。
太陽表面でも5分振動と呼ばれる振動が観測されており、その振動の原因が太陽表面近くで起こるフレア爆発らしいことが分かってきました。
上は、SOHOが10年間にわたって観測してきた振動の強さと(左)、フレアの頻度を表すX線の強さ(右)を比べたものです。
同様の振動は太陽に似た他の恒星でも確認されており、振動を長期間観測することによって他の星でのフレア活動について調べることができるはずです。
★レーダーで探る火星の地下構造
Mars Radar Opens a New Dimension in Planet Exploration
http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=1667
ESAの火星探査機マーズ・エクスプレスが搭載しているレーダー・サウンダーMARSISによって、火星の地下の構造が観測されました(左、右中段)。
右側の画像では、分厚い氷の層の下約3.7kmの深さにある境界が捉えられています。
一方、NASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが搭載しているレーダー・サウンダーSHARADは、波長の異なる電波を利用しているため、より表層の構造をより高精度に観測することができます。
2つのレーダー・サウンダーによって、これまで知られていなかった火星の地下の構造が実際にみえてきました。
★銀河の外側で若い星が次々誕生
Stellar Birth in the Galactic Wilderness
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-061
NASAの銀河進化探査衛星(GALEX)が撮影した紫外線画像と、国立科学財団超大型電波干渉計(VLA)が得た電波画像を合成した、渦巻き銀河M83の画像です。
直径4万光年の銀河の外側に、淡く大きな「腕」があることが分かります。
外側の「腕」では数多くの若い星が誕生しています。
★「かぐや」、月の裏の重力異常を詳しく観測
リレー衛星「おきな」中継器(RSAT)の4ウェイドップラ観測データを
解析して得られた重力異常
-月の二分性の起源への新しい知見-
http://www.jaxa.jp/press/2008/04/20080416_kaguya_j.html
月周回衛星「かぐや」(SELENE)の現状について
http://www.jaxa.jp/press/2008/04/20080416_sac_kaguya.pdf
日本の月探査機「かぐや」は、子衛星「おきな」を使って月全球にわたる重力分布の観測を行っています。
地上の臼田局から発信されたドップラ信号を「かぐや」が受け取り、月からの反射波をキャッチして臼田局に送信する方法では、地球に面している表側しか観測できません。
そこで、「かぐや」が月の裏側を観測している際に、子機「おきな」が信号を中継するという方法を使って、これまで詳しく分かっていなかった月の裏側の重力分布を観測することが可能になりました。
左側の画像はそうした方法で得られた月の裏側にあるアポロ盆地の重力異常です。
全体的には負の重力異常を示しており、同心円状の分布をしています。
一方右側は、月の表側にある晴れの海の重力異常で、均一な正の重力異常を示しています。
月の表と裏で、盆地における重力異常は全く異なっており、内部構造や形成過程に大きな違いがあることが明らかになりました。
★ヒアデス星団を飛び出したとけい座ι星
The Drifting Star
http://www.eso.org/public/outreach/press-rel/pr-2008/pr-09-08.html
とけい座ι星は、320日周期で公転する木星の2倍以上の質量をもつ惑星をもっています。
このとけい座ι星を、ESO 3.6m望遠鏡のHARPS分光計で観測した結果、表面温度が6150 K、質量が太陽の1.25倍、年齢が6億2500万歳、鉄含有率が太陽の1.5倍、などのデータが得られました。
年齢や鉄含有率は、おうし座にあるヒアデス星団と同じであり、とけい座ι星がもともとはヒアデス星団と一緒に誕生し、その後生まれ故郷を離れたと考えられます。
★土星探査機カッシーニの探査計画を延長
NASA Extends Cassini's Grand Tour of Saturn
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-060
大変遅れてしまいました。
もはやニュースとは呼べない…
すみませんです。
これから急ピッチで遅れを取り戻しますよぉ~♪
まずは3大ニュースから
重力波の存在を示す、ブラックホールの連星系
A massive binary black-hole system in OJ 287 and a test of general relativity
http://www.nature.com/nature/journal/v452/n7189/full/nature06896.html
35億光年の距離にあるクエーサーOJ 287には超巨大ブラックホールがあります。
ブラックホール周囲には降着円盤があり、その明るさは12年周期で変化します。
この巨大ブラックホールの周りを12年周期で回る小型のブラックホールが存在し、小型ブラックホールが1周する間に2回降着円盤を通過するために、明るさが変化するとする研究結果が発表されました。
上のグラフは、過去の小型ブラックホールと降着円盤との衝突のうち、1983年、2005年、2007年に起こった衝突による増光を表したものです。
さらに、小型ブラックホールの軌道は徐々に小さくなっており、アインシュタインの一般相対性理論が存在を予言している「重力波」を放出してエネルギーを失っているためだと考えられます。
実際、「重力波」が存在すると仮定すると、2007年の衝突の時期を1日以内の誤差で予測することができました。
一方「重力波」の影響を無視すると、実際に増光がみられた日よりも20日遅い予測となってしまいます。
ブレーザーの内部ジェットの詳しい構造が明らかに
The inner jet of an active galactic nucleus as revealed by a radio-to-γ-ray outburst
http://www.nature.com/nature/journal/v452/n7190/full/nature06895.html
ブレーザーは活発な活動銀河核であり、中心部にある超巨大ブラックホールの両極から光速に近いスピードでプラズマジェットが噴き出しています。
このブラックホールの周囲にある降着円盤の差動回転とエルゴ領域によって捻られた磁場によって、ジェットが加速されていると考えられてきました。
上は実際にとかげ座BLと呼ばれるブレーザーをVLBAで観測した画像で、9.5億光年離れたブレーザーのジェットが0.39光年の解像度で捉えられています。
このような詳しい観測で内部ジェットの構造が明らかになり、これまでの理論が確かめられました。
300年前に活発に活動していた銀河系中心ブラックホール
Milky Way's giant black hole awoke from slumber 300 years ago
http://www.esa.int/esaSC/SEMV9Z3XQEF_index_0.html
銀河系中心部にあるいて座Aスター(A*)は太陽質量の400万倍の質量をもつ超巨大ブラックホールです。
他の銀河の中心部ブラックホールに比べて、周辺から放出されるエネルギーは数十億倍弱いのが特徴です。
日米欧のX線観測衛星を使った1994年から2005年にかけての観測で、いて座A*から300光年離れたところにあるいて座B2と呼ばれる雲の明るさが一時的に増光するのが捉えられました。
いて座A*からのX線がいて座B2中の鉄原子に衝突し、その際励起された鉄原子からX線が放出されると考えられます。
観測結果は、いて座A*が約300年前に増光したことを示しています。
今更4月後半のニュース。
それでは3大ニュース以外です。
★産まれたばかりの大質量星
Two Very Young Massive Stars Unshrouded with LGS AO
http://www.gemini.edu/index.php?q=node/286
ジェミニ北天文台のレーザーガイド星補償光学により、星形成領域W51の高分解能での観測に成功し、非常に若い2つの大質量星が確認されました。
★80億年前の銀河で、恒星の第2次ベビーブーム
The Second Stellar Baby Boom
http://www.spitzer.caltech.edu/Media/happenings/20080430/
NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡などを使って、新しい恒星が活発に誕生している銀河を赤外線で観測した結果、80億年前から50億年前の時代にそうした銀河が多いことが分かりました。
それらの銀河からの赤外線は、新しく誕生したばかりの恒星の強い紫外線のエネルギーを吸収した塵から放射されていると考えられています。
★初期宇宙に、小さくて重い高密度銀河を発見
Compact Galaxies in Early Universe Pack a Big Punch
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2008/15/full/
NASAのハッブル宇宙望遠鏡などを使って110億光年かなたの古い銀河を観測した結果、初期の宇宙には質量は銀河系に匹敵するのに、大きさが非常に小さい高密度の銀河が数多く存在していたことが分かりました。
今回発見された9つの高密度銀河は、いずれも大きさは直径5000光年であるにも関わらず、質量は太陽2000億個分もあります。
これまで、銀河系を始め現在の宇宙の大型銀河は、初期の宇宙で誕生した軽くて小さい銀河が衝突を繰り返してできたと考えられてきました。
しかし、小さいながらも重い銀河の発見は、銀河の成長メカニズムがそれだけではないことを示しています。
★土星の雷雲
NASA Spacecraft Tracks Raging Saturn Storm
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/press-release-details.cfm?newsID=837
NASAの土星探査機カッシーニが、ここ2年間で最大の「電気的な嵐」を観測しました。
カッシーニが搭載している電波・プラズマ波科学機器が2007年11月27日に捉えたもので、12月には初めてカメラで撮影されました。
地球の雷雨に似ていますが、直径数千kmもあり、地球の雷雨の何千倍もの電波を放出します。
同様の嵐は2004年、2006年にもそれぞれ観測されていますが、今回は5か月間にもわたって存続しています。
★高齢なのに未熟な球状星団
NGC 6397 and NGC 6121:
Oldest Known Objects May Be Surprisingly Immature
http://chandra.harvard.edu/photo/2008/gclust/
2つの球状星団NGC 6397とNGC 6121をNASAのチャンドラX線観測衛星が撮影したX線画像です。
球状星団は恒星が密に集まっており、複数の恒星が互いに接近して連星系を作って相互作用を起こすとX線が発生します。
若い球状星団は恒星の密度がまだ小さく連星系も少ないのですが、徐々に中心部の密度が高くなると連星系が多数形成され、さらに進化すると連星系が弾き飛ばされて中心部がつぶれていきます。
そのため、初期にはX線源が少なく、進化とともにX線源が増えていき、最終段階に至るとX線源が再び少なくなる、という過程をたどります。
この画像から、NGC 6397の方がNGC 6121よりも成熟した段階にあると考えられます。
★新たに発見された水星の地形に名前
New Names for Features on Mercury
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=181
★GALEX、打ち上げから5年
Galaxy Evolution Explorer Celebrates Five Years in Space
http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=1674
NASAの銀河進化探査衛星GALEX(Galaxy Evolution Explorer)が、打ち上げられてから5年目を迎えました。
写真は渦巻銀河M106です。
★フレア爆発が振動の原因
Solar flares set the Sun quaking
http://www.esa.int/esaSC/SEM4SB4XQEF_index_0.html
2004年に起きたスマトラ沖地震では、地震後数週間にわたって世界各地で振動が観測されました。
太陽表面でも5分振動と呼ばれる振動が観測されており、その振動の原因が太陽表面近くで起こるフレア爆発らしいことが分かってきました。
上は、SOHOが10年間にわたって観測してきた振動の強さと(左)、フレアの頻度を表すX線の強さ(右)を比べたものです。
同様の振動は太陽に似た他の恒星でも確認されており、振動を長期間観測することによって他の星でのフレア活動について調べることができるはずです。
★レーダーで探る火星の地下構造
Mars Radar Opens a New Dimension in Planet Exploration
http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=1667
ESAの火星探査機マーズ・エクスプレスが搭載しているレーダー・サウンダーMARSISによって、火星の地下の構造が観測されました(左、右中段)。
右側の画像では、分厚い氷の層の下約3.7kmの深さにある境界が捉えられています。
一方、NASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが搭載しているレーダー・サウンダーSHARADは、波長の異なる電波を利用しているため、より表層の構造をより高精度に観測することができます。
2つのレーダー・サウンダーによって、これまで知られていなかった火星の地下の構造が実際にみえてきました。
★銀河の外側で若い星が次々誕生
Stellar Birth in the Galactic Wilderness
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-061
NASAの銀河進化探査衛星(GALEX)が撮影した紫外線画像と、国立科学財団超大型電波干渉計(VLA)が得た電波画像を合成した、渦巻き銀河M83の画像です。
直径4万光年の銀河の外側に、淡く大きな「腕」があることが分かります。
外側の「腕」では数多くの若い星が誕生しています。
★「かぐや」、月の裏の重力異常を詳しく観測
リレー衛星「おきな」中継器(RSAT)の4ウェイドップラ観測データを
解析して得られた重力異常
-月の二分性の起源への新しい知見-
http://www.jaxa.jp/press/2008/04/20080416_kaguya_j.html
月周回衛星「かぐや」(SELENE)の現状について
http://www.jaxa.jp/press/2008/04/20080416_sac_kaguya.pdf
日本の月探査機「かぐや」は、子衛星「おきな」を使って月全球にわたる重力分布の観測を行っています。
地上の臼田局から発信されたドップラ信号を「かぐや」が受け取り、月からの反射波をキャッチして臼田局に送信する方法では、地球に面している表側しか観測できません。
そこで、「かぐや」が月の裏側を観測している際に、子機「おきな」が信号を中継するという方法を使って、これまで詳しく分かっていなかった月の裏側の重力分布を観測することが可能になりました。
左側の画像はそうした方法で得られた月の裏側にあるアポロ盆地の重力異常です。
全体的には負の重力異常を示しており、同心円状の分布をしています。
一方右側は、月の表側にある晴れの海の重力異常で、均一な正の重力異常を示しています。
月の表と裏で、盆地における重力異常は全く異なっており、内部構造や形成過程に大きな違いがあることが明らかになりました。
★ヒアデス星団を飛び出したとけい座ι星
The Drifting Star
http://www.eso.org/public/outreach/press-rel/pr-2008/pr-09-08.html
とけい座ι星は、320日周期で公転する木星の2倍以上の質量をもつ惑星をもっています。
このとけい座ι星を、ESO 3.6m望遠鏡のHARPS分光計で観測した結果、表面温度が6150 K、質量が太陽の1.25倍、年齢が6億2500万歳、鉄含有率が太陽の1.5倍、などのデータが得られました。
年齢や鉄含有率は、おうし座にあるヒアデス星団と同じであり、とけい座ι星がもともとはヒアデス星団と一緒に誕生し、その後生まれ故郷を離れたと考えられます。
★土星探査機カッシーニの探査計画を延長
NASA Extends Cassini's Grand Tour of Saturn
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2008-060