今回画像から発見されたがか座β星の惑星は、実はこれまでの研究から存在が予言されていました。
第1部から第4部までの4回にわたって、詳しく分かってきたがか座β星系の姿を描いていきます。
まずは、実際に惑星が発見されるまでのこれまでの経過を紹介していきます。
がか座β星は、恒星の中では初めてデブリ円盤が発見されました。
上の画像は、これまでの研究結果をもとにやぎが作成した想像図です。
第1部ではこれまでのデブリ円盤の研究成果を紹介していきます。
【デブリ円盤の発見】
がか座β星は、A型星という種類の恒星です。A型とは恒星のスペクトル型の一つで、太陽のようなG型星よりも質量が重く、青白く輝くのが特徴です。恒星の色の違いは表面の温度によるもので、がか座β星の表面温度は8052Kです(太陽は5778K)。また、太陽の年齢は約45億7000万年と考えられていますが、がか座β星は1200万年前後と若いのも特徴です。地球から63.4光年と比較的近い距離にあります。
1983年、赤外線観測衛星IRASによる観測で、本来青白い光を放つA型星であるにも関わらず、がか座β星が比較的強い赤外線を出していることが発見されました。青い光に比べ、赤外線はより低温の物質が出す光です。このことから、がか座β星の周りに、低温の物質が存在することが分かりました。
翌1984年の観測で、実際にがか座β星の周りにはガスやちりからなる円盤が確認されました。このような円盤をデブリ円盤と呼びます。このようなデブリ円盤が発見された初めての恒星となりました。がか座β星のデブリ円盤は、地球から見ると円盤面をほぼ真横から見る角度のため、細長い形に見えます。円盤の一方の端は北東方向、他方の端は南西方向にのびています。がか座β星のデブリ円盤は、比較的近い距離にあって研究がしやすいこともあり、その後詳しい研究が行われてきました。
【円盤の外側部分の構造】
円盤の直径は3285AU(1AUは太陽と地球の平均距離にほぼ等しい)で、約4900億kmにも及び、海王星軌道の大きさの50倍です。
実は円盤の外側部分の形は大きく歪んでいます。北東方向へは1835AUまでのびていますが、南西方向へは1450AUまでで、南西方向が極端に短くなっています(下画像;Kalas & Jewitt)。また、南西方向の方が分厚いことも分かっています。
円盤内では、ちりが集まって何本かのリングを作っていることが分かっています。下の画像(Kalas et al/NASA)はハッブル宇宙望遠鏡が撮影した円盤の北東部分ですが、4つの明るい部分があり、4本のリングの存在を示しています。
これらの構造は、他の天体の重力によって何らかの影響を受けた結果と考えられますが、それについては後程…。
また、サブミリ波による画像(W. Holland et al)では、南西方向650AU程のところに大きな塊がみられますが、その理由は謎のままです。
【傾いた第2の円盤】
よりがか座β星に近い、円盤の内側部分の詳しい観測によって、円盤の内側は平面ではなく形が歪んでいることが分かりました。未確認の惑星が存在し、その重力の影響を受けて円盤の形が歪んでいるのではないかという仮説が登場しました。
下の画像(D. Golimowski/NASA/ESA)は2006年にNASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)が撮影したがか座β星のデブリ円盤です。形が歪んで見えた円盤の内側部分には、約5°傾いた第2の円盤が存在することが発見されました。第2の円盤の端は中心から130AUまでのびています。第2の円盤もまた完全な平面ではなく、北東方向よりも南西方向の方が歪みが大きく、傾きが小さいという特徴も分かりました。北東歩行では、2つの円盤は中心星から30AU付近で交差しているようです。巨大惑星はこれよりも内側に存在すると考えられるようになりました。
がか座β星には、円盤の他にも様々な構造が発見されています。第2部ではユニークながか座β星系の姿を紹介します。
第1部から第4部までの4回にわたって、詳しく分かってきたがか座β星系の姿を描いていきます。
まずは、実際に惑星が発見されるまでのこれまでの経過を紹介していきます。
がか座β星は、恒星の中では初めてデブリ円盤が発見されました。
上の画像は、これまでの研究結果をもとにやぎが作成した想像図です。
第1部ではこれまでのデブリ円盤の研究成果を紹介していきます。
【デブリ円盤の発見】
がか座β星は、A型星という種類の恒星です。A型とは恒星のスペクトル型の一つで、太陽のようなG型星よりも質量が重く、青白く輝くのが特徴です。恒星の色の違いは表面の温度によるもので、がか座β星の表面温度は8052Kです(太陽は5778K)。また、太陽の年齢は約45億7000万年と考えられていますが、がか座β星は1200万年前後と若いのも特徴です。地球から63.4光年と比較的近い距離にあります。
1983年、赤外線観測衛星IRASによる観測で、本来青白い光を放つA型星であるにも関わらず、がか座β星が比較的強い赤外線を出していることが発見されました。青い光に比べ、赤外線はより低温の物質が出す光です。このことから、がか座β星の周りに、低温の物質が存在することが分かりました。
翌1984年の観測で、実際にがか座β星の周りにはガスやちりからなる円盤が確認されました。このような円盤をデブリ円盤と呼びます。このようなデブリ円盤が発見された初めての恒星となりました。がか座β星のデブリ円盤は、地球から見ると円盤面をほぼ真横から見る角度のため、細長い形に見えます。円盤の一方の端は北東方向、他方の端は南西方向にのびています。がか座β星のデブリ円盤は、比較的近い距離にあって研究がしやすいこともあり、その後詳しい研究が行われてきました。
【円盤の外側部分の構造】
円盤の直径は3285AU(1AUは太陽と地球の平均距離にほぼ等しい)で、約4900億kmにも及び、海王星軌道の大きさの50倍です。
実は円盤の外側部分の形は大きく歪んでいます。北東方向へは1835AUまでのびていますが、南西方向へは1450AUまでで、南西方向が極端に短くなっています(下画像;Kalas & Jewitt)。また、南西方向の方が分厚いことも分かっています。
円盤内では、ちりが集まって何本かのリングを作っていることが分かっています。下の画像(Kalas et al/NASA)はハッブル宇宙望遠鏡が撮影した円盤の北東部分ですが、4つの明るい部分があり、4本のリングの存在を示しています。
これらの構造は、他の天体の重力によって何らかの影響を受けた結果と考えられますが、それについては後程…。
また、サブミリ波による画像(W. Holland et al)では、南西方向650AU程のところに大きな塊がみられますが、その理由は謎のままです。
【傾いた第2の円盤】
よりがか座β星に近い、円盤の内側部分の詳しい観測によって、円盤の内側は平面ではなく形が歪んでいることが分かりました。未確認の惑星が存在し、その重力の影響を受けて円盤の形が歪んでいるのではないかという仮説が登場しました。
下の画像(D. Golimowski/NASA/ESA)は2006年にNASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)が撮影したがか座β星のデブリ円盤です。形が歪んで見えた円盤の内側部分には、約5°傾いた第2の円盤が存在することが発見されました。第2の円盤の端は中心から130AUまでのびています。第2の円盤もまた完全な平面ではなく、北東方向よりも南西方向の方が歪みが大きく、傾きが小さいという特徴も分かりました。北東歩行では、2つの円盤は中心星から30AU付近で交差しているようです。巨大惑星はこれよりも内側に存在すると考えられるようになりました。
がか座β星には、円盤の他にも様々な構造が発見されています。第2部ではユニークながか座β星系の姿を紹介します。