新・南大東島・沖縄の旅情・離島での生活・絶海の孤島では 2023年

2023年、11年振りに南大東島を再訪しました。その間、島の社会・生活がどのように変わっていったかを観察しました。

本祭・一般相撲 (1)

2023-05-01 15:22:20 | 旅行

  豊年祭本祭の午後は、一般成人による相撲が行なわれる。神社で開催されることから、いわゆる「奉納相撲」に相当する。大東神社での一般相撲は、「大和相撲」と「沖縄相撲」が開催されている。大和相撲とは江戸相撲のことで、島は八丈島の出身者が開拓を始めた経過があり、江戸相撲が伝えられた。沖縄県内で大和相撲が行なわれているのは南大東島だけ、と言われている(北大東島でも大和相撲が行なわれているが、規模が小さい)。沖縄相撲とは、柔道着を着て、帯を掴んだ状態から取り組みを始める沖縄独特の相撲である。大東神社での奉納相撲は、前半が大和相撲で後半が沖縄相撲である。私は時間の関係で大和相撲だけしか見学しなかった。
 午前中の学童相撲では、観戦していたのは学童の父兄や同級生などで、大人の観客は少なかった。学童相撲は学校における体育授業の延長のようなもので、親戚縁者でなければ観戦するようなことはしないからであろう。だが、午後から始まる一般相撲では、出場選手の家族、知人などは勝敗に関心がある。このため、場内は試合を観戦する家族、知人達で賑やかになっていた。
 田舎の相撲といっても行事進行の手順は本格的で、試合の前には相撲甚句が唄われ、出場選手による手踊りがある。選手はそれぞれ派手な化粧廻しを付けていた。しかし、取り組みを説明する「初切り」は無かった。今後は取り組みの前に初切りの演目に入れて欲しいものである。
 二段目の写真は呼出しで、選手の氏名を名乗っていた。試合は勝ち抜きではなく、総当たり式ではないかと思われた。選手を東西に分け、それぞれの選手を戦わせているようだ。また、3人抜き、5人抜きといった連勝式による試合も行なわれていた。そもそも、村の若者全員が選手として参加する訳ではなく、相撲に関心があって体力に自信のある人だけが参加している。このため、参加する選手の人数は20人程度に限られ、勝ち抜き式の取り組みは無理であり、その時その時に取り組みをしてみたい選手が土俵に上がっているのが実情ようである。
 取り組みの結果では、行事の差し違いもありうる。このため、四方の柱の前には審判が待機していて、勝敗に疑義がある場合には物言いということになる。この日も物言いがあったが、審判長に相当する役目がいないため、大相撲のように審判5名による協議ではなく、審判4名の協議であった。

 

 



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