新・南大東島・沖縄の旅情・離島での生活・絶海の孤島では 2023年

2023年、11年振りに南大東島を再訪しました。その間、島の社会・生活がどのように変わっていったかを観察しました。

本祭・学童相撲

2023-05-03 19:31:09 | 旅行

  豊年祭の本祭は9月23日の午前中から始まる。宵祭で一旦各集落に戻った神輿と山車は午前9時に村役場前から出発し、大東神社に向かう。神社では宵祭と同様に、神輿を拝殿にまで持ち上げ、神職による御祓いを受ける。神輿に乗り移った神様を拝殿に戻す神事で、いわゆる宮入りである。この宮入りにより、宵祭の宮出しから始まった一連の祭事が終了する。宮入りの神事は、先に説明した宮出しと同じ行動であるため説明は省略する。
 祭事が終わったなら、午前10から境内に設えた土俵で学童相撲が開始される。大東神社に設えられた土俵は一段目の写真にあるように、巨大な屋根を設えた本格的なものである。南大東島で相撲が始められた時期はハッキリしていないが、玉置商会が島を開拓した明治の終わり頃には既に盛んであったらしい。南大東村誌の273頁には「大正9年(1920年)社殿が新築されたのを・・・・・大正3年(1914年)から保持されていた化粧廻しを新調し・・・」とあることから、明治末期には既に本格的な相撲行事が行なわれていたと推測できる。元々、沖縄では相撲が盛んであり、祭日には各地で相撲が行なわれていた習慣がある。このことから、沖縄本島や宮古島から南大東島に出稼ぎにきていた人達が、娯楽のために始めたのではなかろうか。土俵は社殿が新築された時に設けられたようであるが、現在のような屋根が設置された時期は不明である。
 学童相撲では、小中学校の男子全員、女子は小学校3年生までが参加している。生徒の呼出しでは、その生徒が贔屓している力士のしこ名を本名の前に付けていた。例えば、「次は、王鵬、小学校4年生の田中角栄君」というような呼出しである。本格的な相撲の雰囲気を出すための演出であろう。
 取り組みでは総当たり戦なのか勝ち抜き戦なのかは聞きわすれた。三段目の写真は優勝した記念写真を撮影している光景で、同学年の生徒ではなかろうか。学童相撲の勝者に賞品が出るかどうかも聞きそびれたが、大人の相撲のような賞品は出さないのではなかろうか。児童に賞品を出すと、体力の差によって不平等が生じるからである。
 四段目の写真は、土俵にいる選手を応援するひな段に座った同級生達である。ここには小学生と中学生しか観戦していない。島には高等学校が無いため、中学校を卒業したら全員が島外の高等学校に進学するためである。



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