訪問すると朝ドラの「らんまん」について感想をアップされている方をちょくちょくお見受けします。
物語の展開と同時に、知らなかった植物について色々知識を深めれそうな気がします。
記事末に、生物学者で環境界のノーベル賞といわれる『ブループラネット賞』を受賞された宮脇昭先生の著書の中の一部を
抜粋しました。
桜からツツジの季節になりました。終われば藤、そして若葉の季節に。
小葉の三葉躑躅(コバノミツバツツジ)は、1本の雌しべのまわりに雄しべが賑やかに10本あり、
5本のヤマツツジと区別できます。
そして名前にある「3枚」の「小葉」(こば)が、花が満開の頃からじわじわと育つ
アカマツやコナラの林と相性がいいのではと思います。
「植物は、どこでも好きなところに勝手に生えているとみなさんは思うかもしれませんが、実はきびしい気候条件、土壌条件、生物的な条件にたえて芽を出します。芽を出したとたんに次の社会的な規制に直面します。まわりの植物と競争し、おたがい我慢しながら、共生していくのです。生物社会は競争を通してのみ発展します。どうかすべての競争を拒否しないでいただきたい。
厳しい競争相手は、反対側からみるとしばしば共存者でもあるのです。そして我慢のできない生き物はこの地球上では一時も生きていけませ ん。生物社会の共生とは仲良しクラブではありません。少々苦手ないやな相手であっても、少し我慢しながらともに生きていく。競争、我慢、共生の厳しい社会的な掟と、置かれた環境要因に規定されながら、それぞれの植物は生きているのです。」
宮脇 昭 著「森は地球のたからもの3 森の未来」より
宮脇先生は岡山県の現高梁市出身で横浜国立大の名誉教授でした。
『競争、我慢、共存・共生の厳しい社会的な掟』の中で生きているのは、生物である人間も同じ。
ただ、日常の暮らしの中では、ついつい忘れてしまう。
『非日常』の中でこそ忘れてしまっていたことに気付き、その重要性を再認識していくべきだと思います。