時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

桂川源流探訪 佐々里峠越え-03~桂川源流

2017-09-29 08:11:00 | 京都
 広河原のバス停から、いよいよ佐々里峠へと、山の中へ歩を進めていきます。

 <<桂川源流探訪 佐々里峠越え-02>

 道程は、京都府道38号線の一本道。
 カーブの連続する、曲がりくねった急な上り坂を、一歩一歩進んでいきます。

 日頃の運動不足で鈍った体には、かなりキツい急勾配でしたが、気持ちよく晴れ渡った青空の下、ノンビリ歩きながら沿道の緑を愛でたり、視界の広く開けた高い場所からそれまで登ってきた方向のパノラマの眺めは、しんどさを忘れさせてくれました♪

 やがて、佐々里峠へと至る直前の道端に佇んでいた、桂川の源流となる湧き水を発見!
 桂川の最初の一滴が生まれる源流は、思っていた以上に水量豊かな湧き水でした。

 佐々里峠を目前にして、最終的には大阪湾へと流れてゆく桂川の最も奥深い源流部まで辿り着けた満足感に、しばらく浸りますw

 <桂川>

 記事中の画像クリックで、別ウィンドウが開きます。


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 京都バス32系統 広河原行の終点、広河原バス停の周辺。
 バス停周囲の道沿いには、橋を渡った先に、入母屋造の家とその向かいにカフェが1軒ずつ。
 橋を渡ってすぐ右へ別れる細い道沿いに何軒かの民家があるだけの、のどかな雰囲気に包まれていました。

 バスが走ってきた京都府道38号線は、ここから先へも延びていますが、路線バスは、ここまで。
 京都市最北に位置している、バス停です(京都市左京区)。

 この先は、急速に谷が狭まり、佐々里峠を抱く山中へと進んでいきます。
 これよりいよいよ、この府道38号線を歩いてその山中へと分け入り、佐々里峠越えに掛かります!



 歩き始めてすぐ、左手に見えてきたのは、京都市内で唯一の天然雪のスキー場であるという、「京都広河原スキー場」。
 ゲレンデへと至る、リフトが目に入りました。

 公式サイトをチェックしてみると、毎年1月~3月位にかけて、営業しているようですね。
 流石にスキー場が出来るのも納得の、降雪量;;
 佐々里峠が冬季積雪のために通行止めとなるのも、納得です。



 最早、行く手には、空と山しか見えません!
 道路以外には(電柱等もありますが;)人工物は姿を消し、一気に自然の中に身を置く実感が押し寄せてきました。

 明るい陽の光に、標識や木々の緑も眩しく輝く様が、とても爽快な風景です。

 標識によれば、この先は10%の上り勾配…心の準備も万端(のつもりw)に、佐々里峠を訪ねる行程へと、踏み出します。



 山へ向けて取り付き始めるや否や、早速ヘアピンカーブの洗礼が待っていました。

 …普通に撮影しても、その傾斜や高低差が分かりますね;
 この辺りの道幅は、普通に対面通行が可能なだけの広さが確保されていたので(センターラインもありました)、広河原行のバスで通過した花背峠のヘアピンよりは、ゆったりとした印象です。

 一応タイムリミットを切ってはいた佐々里峠越えでしたが、時間的余裕はたっぷり取ってあったので、沿道の緑に覆われた風景を楽しみながら、ノンビリと上り坂を、一歩一歩踏みしめながら、進んでいきます。



 苔生して緑に彩られた古い法面が、素敵だった景色。
 光線が当たると、明るい緑色が輝く美しさに、思わず見とれてしまいました。

 木々の葉もまた、緑に透き通った明るさの下で、その「緑のトンネル」を潜り抜けるように、坂道を上ります。
 逆S字を描く道路の曲線も、このようなシチュエーションでは、とても印象的に映りますね♪

 この先、道幅がいよいよ狭まるようです。
 車を運転する時は、憂鬱になってしまう標識の出現ですが、今回は徒歩なので、別段気にすることもなく通り過ぎました。



 いくつかのカーブを曲がる毎に、グングン高度を稼いで、気付けばこのような眺望を楽しむことができる程の高みに達していました!

 徒歩で出発した広河原は、手前正面に見える斜面の向こう側。
 画像中央の、わずかに見える谷間から足下を曲がりくねって走っている道路を歩いて、ここまで上ってきたことになります。

 目に入る山肌を覆い尽くす緑の絨毯は、緑の色合いを微妙に変化させる美しいグラデーション。
 1本1本が三角形の姿をくっきりと現している、杉の木立の素晴らしさに足を止め、しばらく眺め続けていました。
 すっかり広げた穂を黄金色に輝かせていたススキと、透明感を感じさせる空気が、到来しつつある秋の気配を感じさせています。


 杉林を貫いて、京都府道38号線の道路が、佐々里峠を目指します。
 峠の鞍部に到達するまで、上り坂が続きます。

 正面のカーブの奥に、屏風のように立ち塞がる山も、頂上まで鮮やかな杉の緑を纏っていますね!

 この、緑と青空とを取り合わせた、美しくて爽快な風景が、坂道のキツさや暑さを忘れさせてくれる、清涼剤となっていました^^



 巨大な倒木が、道路際の急斜面上で、小さな流れ(この流れもまた、斜面の下の方で桂川と合流するのでしょう)をアーチ状に跨いでいました。
 倒木の上にも土砂が積もって、別の草木が茂っていますね。

 車で通り過ぎていたら、恐らく気付かなかったであろう、自然の造形美にも、ゆっくりとジックリと鑑賞することができる、徒歩での行程です♪




 更にカーブの続く上り坂を黙々と上っていくと…やがて道端で滾々と湧き出る清水が、目に入ってきました。

 この地点の直上となる、佐々里峠の頂上附近からの水をここまで引いてきた管から、透き通った水が、勢い良く放たれていたのでした。
 ここまで引いてこられたとはいえ、佐々里峠頂上から湧いた水であることは、まぎれもない事実…桂川は、ここで迸ったこの水から、大阪湾へと注ぐ流れを始めているということになります。
 という訳で、この湧水こそが、桂川の歴とした源流なのでした!

「尾花谷の湧水」として知られている、この桂川源流、流れ始めからしてこの水量の豊かさを誇っています!
 自然に溢れるままとなっているので、温泉でいうところの「源泉かけ流し」といった状態で、湧き上がるに任せて石の水受けから溢れ出て、大阪湾への流れを始めていました。

 この湧水は肌にも心地良い塩梅の冷たさで、ここまで上ってくるまでに、すっかり汗ばんでしまった手や顔を洗わせてもらって、スッキリとリフレッシュ^^



 桂川源流・尾花谷の湧水は、このように、京都府道38号線の道端に生えている、桜の大木の根本に佇んでいます。

 このように眺めているだけで、一服の涼を得られる気分に。
 光の明暗が織り成す、緑のコントラストの美しさに、目を奪われてしまいます。

 道路のアスファルトとの対比で、沿道の緑深さが、より一層強調されているように見えます。



 桂川源流の、周囲の様子。
 京都府道38号線が、佐々里峠の直前で大きく描くヘアピンカーブの中程に、忽然と出現します。

 広河原からここまでの約45分間、断続的にこのような勾配を、フウフウいいながら(^^;)、上り続けてきました。
「間もなく峠の鞍部」というサインにもなる、この湧水が目に入った時には、「もうあと少しで下り坂♪」と、心が歓喜に包まれたものでしたw

 束の間、潤いと涼とをここで取った後、サッパリとした気分で、佐々里峠の鞍部へのラストスパート(走りませんよw)にかかります!



 桂川源流の湧水から、緩やかなカーブを過ぎると、道路の行く先には、鞍部のような空間が見えてきました。
 画像で、道路が最も高くなっている地点が、佐々里峠の鞍部となります。

「もうあと少し!」と、俄然心が逸ります♪

 桂川源流から佐々里峠の鞍部までは、距離にしておよそ200m程。
 緩いカーブから鞍部までは、ほぼ一直線の上り坂を、駆け上がります(駆けていませんがw)。
 桂川源流で小休止したので、広河原からは、ちょうど1時間位の所要時間となりました。

 峠への到着を祝福しているかのような(このような感じ方も、徒歩での行程ならでは…ですね^^)緑のアーチの下を進み、間もなく、佐々里峠に立ちます。

 <桂川源流探訪 佐々里峠越え-04>>



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2 コメント

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Unknown (タヌ子)
2017-10-01 07:18:33
素晴らしい青空ですね。
画像から澄んだ美味しい空気がにじみ出てくる感じ。
京都の雪景色はそれほど珍しいことではないけれど、中心地から路線バスで行ける距離にスキー場があるのは知りませんでした。
柿田川に続き桂川の源流。
taろうさんの源流との出会いの旅、シリーズ化してくださると嬉しいです。
私もいつかセーヌ川の源流を見に行ってみたいと思っているので、実現したらブログで報告しますね。
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タヌ子さん。 (taろう)
2017-10-01 23:32:17
仄かに秋の気配を感じる、晩夏の頃の空気が好きです。
まだまだ日中は夏そのものの厚さなのに、ふとしたことで、僅かに感じられる秋の澄んだ空気が、かえって透明感や清々しさを敏感に感じることができるのかもしれませんね^^
広河原スキー場、1コースのみのミニスキー場のようですが、リフトの鉄塔もきちんとメンテされているように見え、毎年営業できる程に積雪もあるのですから(京都市内で!)、私も驚きました。
1日3便の路線バスの旅、ハイカーが下車した後は、のどかで車窓風景もきれいで、楽しかったです♪
川の源流と聞くと、深山幽谷の湧水と勝手に想像してしまいますが、比較的訪れやすい場所が源流となっている川も、結構あるものですね。
またそんな川が見つかったら、記事にしてみたいです。
パリの流れしかイメージにない(爆)セーヌ川の源流探訪記事、楽しみにしていますね!
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