時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

和歌山・生石高原 日帰りドライブ-05~美しい棚田の段丘 あらぎ島

2019-12-15 18:15:06 | 近畿/日本
 生石高原を発ち、紀伊半島の山中を東へ進み、美しい棚田の個性的な風景で知られる、「あらぎ島(蘭島)」を目指します。

 <<和歌山・生石高原 日帰りドライブ-04>

 有田川の蛇行で、半島状に突き出た段丘上に開墾された、小さいながらも美しい棚田を、川の対岸の展望台から見渡した、気持ちの良い秋晴れの午後でした。
 展望台の西側の道路の地盤が、この年(2019年)のお盆に日本へ上陸した台風10号により崩壊し、車両通行止めとなっていましたが、辛うじて歩行者の通行は確保されていて、駐車場から数分の徒歩で展望台へと辿り着きました。

 <あらぎ島(Wikipedia)>
 <あらぎ島(有田川町サイト)>
 <蘭島及び三田・清水の農山村景観>


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


 生石高原を出発し、紀伊半島の山中を縫うように走る和歌山県道を、東へと走ります。

 山の頂上といった位置の生石高原から有田川沿いへと至る道中は、下り坂が続きます。



 生石高原の駐車場から約30分程(途中の道の駅での休憩含む所要時間)で、目指す「あらぎ島」展望台の駐車場へ到着。

 広々とした駐車スペースの一角には、公民館のような建物が建っていました。
 この建物には、公衆トイレもあり、駐車しやすく便利なパーキングでした^^



 沿道には、秋の花が既に満開♪

 花々に見送られながら、展望台へ向けての歩きに掛かります!




 駐車場まで車で走ってきた道路へと出るや、通行止めの標識が;

 駐車場から展望台までの距離は100m位でしたが、その手前で車の通行ができない状態のようです。
 2019年8月のお盆の頃に日本列島を襲った台風10号により、道路の地盤が地滑りで崩壊した模様。
 徒歩では展望台へ到達可能との情報も得てはいましたが、現場の状況が今一つ不安でした。。。



 道路を歩き進んでゆくと、進行方向右手に視界が開けてきて、地形図の等高線のような畔が印象的な地形が見えてきました。

 「あらぎ島」です!
 もう少しで、その全貌を眺めることができます。



 更に歩を進めていくと…唐突に通行終了のお知らせが。
 これでは、車両は通行できませんね;;

 道路の左端、人ひとり通行可能な位の幅が、展望台への仮歩道として、辛うじて通行可能となっていました。




 通行止めの区間は、約50m程。
 反対側のバリケードを過ぎて直ぐ右手が、展望台となっていました。

 結構な山の中と思っていたのですが、展望台は、眺めを楽しむ人でそれなりの賑わいぶり^^
 知る人ぞ知る、ビュースポットのようですね。

 この展望台からの眺めもまた、連なる山並みの美しさも楽しめそうです。



 展望台から、あらぎ島を一望!
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 和歌山県内を西へと流れる有田川が蛇行している箇所で、川に突き出るような半島状の地形上に、パッチワークのような棚田が広がる、個性的な風景です。
 展望台からは、川に囲まれて「島」のような「あらぎ島(漢字では「蘭島」と表記)」の姿を、美しく眺めることができます。

 あらぎ島のほぼ正面奥に聳える峰は、水ヶ宝形山(みずがほうぎょうさん)。
 標高は1,063mと、1,000mを超えています。
 展望台の案内によれば、気象条件により山の見え方が変わり、その見え方により空気の透明度が分かる、とのこと。



 通行止めとなっていた、路欠の部分も、展望台から確認することができました。

 ブルーシートが見える辺りですね…ガッツリと、地盤が地滑りで抉れているようです;;
 通行止めも、納得です。。。



 この辺りの地図を見ても、あらぎ島の特徴が良く分かりますね。

 地図の左端が、有田川町の清水地区で、あらぎ島や清水地区の周囲は、間隔の詰まった等高線がビッシリ!
 この辺りが、険しい山々に囲まれているということが、分かります。

 あらぎ島を中心として、地図中で濃い茶色の部分は、2013年に「蘭島及び三田・清水の農山村景観」として、国の重要文化的景観に選定されたエリアです。



 春は棚田の水鏡、夏は緑の絨毯、秋は実りの黄金の稲穂、冬は雪景色と、四季毎にそれぞれ印象的な眺めに変貌するという、魅力的な棚田の風景。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 私が今回訪れた10月初めは、稲刈りを終えた直後の風情、でしょうか。
 緑と枯草色とのコントラストも美しい、棚田のパッチワーク…素朴な美しさが、素敵な風景でした。

 このあらぎ島は、江戸時代初期の1655年に、庄屋の笠松左太夫が用水路を開いて開墾されました。
 先人の尽力の成果を今日に伝え、今なおその恵みである収穫を生み出し続ける、「生きた景観」の素晴らしさを満喫できる眺めが印象的な、あらぎ島です。

 <和歌山・生石高原 日帰りドライブ-06>>



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タヌ子)
2019-12-17 23:09:09
偶然の一致。
次回の記事でスペインで見かけた棚田のような風景(実際には棚田ではないと思います)を紹介しようと思っていたところです。
同じように蛇行によって島のようになったオーストリアのシュレゲン(ドナウ川)やドイツのゲデオンズエック(ライン川)周辺の景色を一度見てみたいと思ってました。
山に囲まれた美しいあらぎ島は規模こそ違うけれど、ヨーロッパの景色に負けず劣らずの美しさですね。
道路は陥没していないのにその下が地崩れしてると修復作業が更に難しくなりそうですね。
返信する
タヌ子さん。 (taろう)
2019-12-18 22:00:32
タヌ子さんも、このような風景を取り上げようとなさっていましたか!タヌ子さんの記事を、楽しみにしています^^
棚田のような風景は、何故か心惹かれる魅力がありますよね。
棚田ではないにせよ、スペインでも、条件の悪い土地を、目一杯有効利用しようとした結果が、棚田のような風景を現出させたのかもしれませんね。
特徴的な景色を演出する川の蛇行もまた、人々の生活に長く影響を与え続けてきたことが分かると思います。
山に囲まれた小盆地が開けると、目に飛び込んでくるのが、この眺め…自然と人とが共に生み出した造形の素晴らしさに、感動しました!
地盤が崩落してしまったので、基礎を固めるのは、小規模な修復でも、時間がかかりそうです;
返信する

コメントを投稿