現在の危機時における支援の基本的な考え方
和洋女子大学・山下景秋
財政資金による支援
新型コロナウイルスの感染症と経済危機による複合危機の現在、政府は企業・商店・個人などを支援しようとしているが、スピードが遅いし支援金額も少ない。できるだけ政府は速度を上げ、支援金額を可能な限り増やすことが必要である。
しかし、財政的な制約もあり財政資金による100%の支援を期待することはできない。政府による支援と合わせて、民間の金融による支援資金を出動させなくてはならない。
金融による支援
外出規制により飲食店や観光業などは収入が入らないので、家賃などを支払うことができず経営が苦しくなっている。一方、一般の人達は外出できないので、消費する機会が少なくなり、使用しないおカネが増えている(収入が減少した人を除く)。すなわち、現在は資金が必要なところと資金が余っているところの差が拡大することになっているはずである。
(ただし、以下のことが前提にされている。
所得=消費+貯蓄より貯蓄=所得-消費、
所得=GDP(国内総生産)であるとし、貯蓄は全て金融機関に預けられる(預貯金になる可能性がある)ものとする。
所得=100、消費=60の時は、貯蓄=40、
所得=60、消費=10の時は、貯蓄=50
所得の減少よりも消費の減少の方が大きければ、貯蓄が増加する。現在のような危機の時には、人々は外出規制により消費できないことと、将来が不安であるため将来に備えてできるだけ消費を節約しようとしているので、消費が大きく落ち込んでいるのではないかと考えられる。
厳密には、危機の中で国民のうち所得がそれほど減少しない層と、飲食業のように所得が大きく落ち込む層に分けて調べる必要がある)
現在のような緊急時において必要なことは、一般の人達のこの余っている資金を金融機関を通じて飲食店など当座の支払い資金を必要とするところに早急に融通することである。民間の金融機関ならば、効率的にこの仕事をしてくれる。
既に人が殺到して混乱している役所の窓口だけでなく、全国の金融機関に数多ある窓口をも利用する方がよい。しかも、預金口座をもつ金融機関の口座に必要な資金を振り込んでもらうだけなら、窓口に行く必要すらない。
金融を財政が支援
しかし、民間の金融による支援と言っても収益事業なので、貸出金は十分返済されないと不良債権が累積し、金融機関の経営が危なくなったり貸し渋りにより一般の企業・商店が将来資金を借り入れることが難しくなる。
そこで、危機後の借り手の十分な自助努力を前提に、借り手が返済できない部分を政府が財政的に支援するというようにすればよい。
危機後の借り手側の自助努力を促すことが必要であるということと、これにより限られた財政資金を有効に使うことができるからである。
結論
現在の危機時の救済資金は、財政による補助金と、一部財政支援を伴う金融を通じる支援の2本立てで行うべきである。
返済が困難な救済に関しては、前者の方法で支援すべきである。現在、日本の与野党が実施を検討している家賃補償は、後者の方法であるようだ。
和洋女子大学・山下景秋
財政資金による支援
新型コロナウイルスの感染症と経済危機による複合危機の現在、政府は企業・商店・個人などを支援しようとしているが、スピードが遅いし支援金額も少ない。できるだけ政府は速度を上げ、支援金額を可能な限り増やすことが必要である。
しかし、財政的な制約もあり財政資金による100%の支援を期待することはできない。政府による支援と合わせて、民間の金融による支援資金を出動させなくてはならない。
金融による支援
外出規制により飲食店や観光業などは収入が入らないので、家賃などを支払うことができず経営が苦しくなっている。一方、一般の人達は外出できないので、消費する機会が少なくなり、使用しないおカネが増えている(収入が減少した人を除く)。すなわち、現在は資金が必要なところと資金が余っているところの差が拡大することになっているはずである。
(ただし、以下のことが前提にされている。
所得=消費+貯蓄より貯蓄=所得-消費、
所得=GDP(国内総生産)であるとし、貯蓄は全て金融機関に預けられる(預貯金になる可能性がある)ものとする。
所得=100、消費=60の時は、貯蓄=40、
所得=60、消費=10の時は、貯蓄=50
所得の減少よりも消費の減少の方が大きければ、貯蓄が増加する。現在のような危機の時には、人々は外出規制により消費できないことと、将来が不安であるため将来に備えてできるだけ消費を節約しようとしているので、消費が大きく落ち込んでいるのではないかと考えられる。
厳密には、危機の中で国民のうち所得がそれほど減少しない層と、飲食業のように所得が大きく落ち込む層に分けて調べる必要がある)
現在のような緊急時において必要なことは、一般の人達のこの余っている資金を金融機関を通じて飲食店など当座の支払い資金を必要とするところに早急に融通することである。民間の金融機関ならば、効率的にこの仕事をしてくれる。
既に人が殺到して混乱している役所の窓口だけでなく、全国の金融機関に数多ある窓口をも利用する方がよい。しかも、預金口座をもつ金融機関の口座に必要な資金を振り込んでもらうだけなら、窓口に行く必要すらない。
金融を財政が支援
しかし、民間の金融による支援と言っても収益事業なので、貸出金は十分返済されないと不良債権が累積し、金融機関の経営が危なくなったり貸し渋りにより一般の企業・商店が将来資金を借り入れることが難しくなる。
そこで、危機後の借り手の十分な自助努力を前提に、借り手が返済できない部分を政府が財政的に支援するというようにすればよい。
危機後の借り手側の自助努力を促すことが必要であるということと、これにより限られた財政資金を有効に使うことができるからである。
結論
現在の危機時の救済資金は、財政による補助金と、一部財政支援を伴う金融を通じる支援の2本立てで行うべきである。
返済が困難な救済に関しては、前者の方法で支援すべきである。現在、日本の与野党が実施を検討している家賃補償は、後者の方法であるようだ。
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