今日はバレンタインデー。というわけで、去年のバレンタインデーに投下しようと書いたけど、結局お蔵入りになった書き手ロワ2ndの番外編を公開してしまいます。
※あくまで書き手ロワの番外編なので、本編を読んでいない方には意味不明だと思われます。
あらかじめご了承ください。
私、素晴らしきフラグビルド! 私立書き手ロワ学園の1年生!
今日はバレンタインデーということで、前々から狙っていたあの人にチョコを渡そうと思ってます!
「あの人」っていうのは、風紀委員の静かなる ~Chain-情~先輩。ちょっと地味だけど学ランの似合う、優しくてまじめなナイスガイ!
彼のハートをゲットするために、私はこの一年間興味もない風紀委員会に入ってこつこつ恋愛フラグを立ててきたんです!
そして今日は、告白にはもってこいのイベント、バレンタインデー! これを機に、絶対彼のハートをゲットして見せます!
というわけで、放課後。私はチョコを渡すべく、先輩の姿を探します。
あ、いたいた。せんぱー……。
「!!」
なんてこと! 私より先に、誰かが先輩にチョコを渡してる!
あれはたしか……。私と同じ1年生の温泉少女!
「先輩には以前お世話になりましたので。ああ、もちろん義理ですよ」
「うん、ありがたくもらっておくけど……。何故に温泉まんじゅう?」
「みんなと同じでは、個性がないかと思いまして」
あいつめ、本編じゃ早死にしたくせに出しゃばりやがって~!
けどまあ、本命じゃないみたいだからひとまず安心ですね。さあ、私も早くチョコを渡さないと。
「せんぱー……」
そのとき、階段の上から何かが降ってきました。そしてそれは、狙い澄ましたかのように階段の下にいた私を直撃します。
それがボン太くんスーツだと気づいたのは、私がそれの下敷きになって数秒後のことでした。
「あ~! そ、某としたことが! すまぬ!」
この声は、永遠のうっかり侍先輩……。何もこんな時にうっかりを発動させなくても……。
何か私に恨みでもあるわけ? だいたい、なんで学校にこんな物があるのよ!
ぺこぺこと頭を下げるうっかり侍先輩を適当にあしらい、私は改めてChain-情先輩を……。
ピシュン!
あれ? なんか一瞬で景色が変わって……。
「あ、ゴメン! うっかりマン・イン・ザ・ミラーのDISC落としちゃって……」
今度は忘却のウッカリデス先輩……。なに、このうっかりコンボ……。
あんたら、そんなに私の邪魔がしたいか~!!
そんなこんなで、私はChain-情先輩を見失ってしまいました。ああもう、なんでこうなるのかなあ……。
あ、いた! よかった、すぐに見つかって……。
「先輩!」
「やあ、フラグビルドさんじゃないか。どうしたんだい?」
「あの……。これ、受け取ってください!」
「ああ、バレンタインのチョコか。ありがとう」
やった! 受け取ってくれた! あれ? でも何か様子が……。
「ククク……。引っかかったな、フラグビルドくん……」
「あなた……。Chain-情先輩じゃないですね!」
私の前で、Chain-情先輩の輪郭がゆがんでいく。こんなことが出来るのは、この学園に一人しかいない!
素顔は誰も知らないけれど、名前はみんな知っている。教務主任の、◆6/WWxs901先生!
「事前に言ってあったはずだよなあ、学校にチョコを持ってくるのは禁止だって。
だからこうしてもてそうな生徒に変身して、チョコを持ってきている生徒をあぶり出してたんだよ。
このチョコは没収させてもらうよ」
ゴゴゴゴゴゴ……
「え? なに、このジョジョみたいな効果音……」
「返してください、私のチョコ……」
「フラグビルドくん? ちょ、ちょっと落ち着いて……」
「イッペン、死ンデミル?」
「いや、その作品はまだパロロワには出て……」
ぱっちん
「アーッ!!」
【◆6/WWxs901 再起不能(ギャグ話なので死にません)】
この後もチョコがもらえなくて荒れるビクトリーム先生に絡まれたり、前方不注意のフリクリ署長先輩に吹っ飛ばされたりといろいろあったおかげで、私がChain-情先輩を見つけたのはもう日が沈みかけた頃でした。
「はあ、はあ……。せ、先輩……」
「フラグビルドさん……? どうしたんだよ、そんなにふらふらになって!」
「い……いろいろありまして……。それより先輩……これ、バレンタインデーのチョコです……」
「あ……ありがとう……。でも、包装紙がぼろぼろになってるのはどうして?
何か、血の臭いがするような気もするし……」
「それもいろいろあった結果なんです……。やっぱり、そんなぼろぼろのチョコをもらうのはいやですか?」
「とんでもない! 喜んで受け取るよ。気持ちだけでも十分嬉しいしね」
「先輩……」
『でも、もっとほしいものがあるんだ……』
『え……?』
『君さ』
『せ、先輩、何を……!』
『ずっと前から、君をこうしたいと思ってたんだ……』
『だ、駄目です、先輩! ここは学校なんですよ?』
『つまり、学校じゃなければオーケーってことかな?』
『そ、そういうわけじゃ……。で、でも私、先輩となら……』
「……って、なにやってるんですかエロ師匠さん!」
「ん? 君たちを見ていたら新作のアイディアが思い浮かんだんで、忘れないうちにメモしておこうと思ってな。
ああ、気にせず続けてくれたまえ」
「音読する必要はないでしょう! だいたい、あなたの行動は目に余る!
風紀委員として注意せざるを得ないと前々から思ってたんです!」
「何だ、やる気か? 私は表現の自由を守るためなら戦うぞ?」
「暴力は好みませんが、少しお灸を据えなければいけないみたいですね……」
「ゴールド・エクスペリエンス!」
「武装錬金!」
「なんだなんだ、喧嘩か? 俺も混ぜろや!」
「ははは、面白そうなことやってるじゃないか」
どこからか大あばれ鉄槌先輩やカオス先生もやってきて、気が付けば事態は大乱闘スマッシュブラザーズに……。
って、私のチョコは結局どうなったんですか! 何なの、この学校ー!
「オチが弱いと言わざるを得ない」
完
あとがきのようなもの
文法やら何やら細かい部分は修正してありますが、話の大筋は去年書いたそのままです。
よってフラグビルドの性格は当時のもの。Chain-情さんと結ばれる前の、黒い彼女です。
結ばれた後も十分黒いとか、そういうことは言わない方向で。
※あくまで書き手ロワの番外編なので、本編を読んでいない方には意味不明だと思われます。
あらかじめご了承ください。
私、素晴らしきフラグビルド! 私立書き手ロワ学園の1年生!
今日はバレンタインデーということで、前々から狙っていたあの人にチョコを渡そうと思ってます!
「あの人」っていうのは、風紀委員の静かなる ~Chain-情~先輩。ちょっと地味だけど学ランの似合う、優しくてまじめなナイスガイ!
彼のハートをゲットするために、私はこの一年間興味もない風紀委員会に入ってこつこつ恋愛フラグを立ててきたんです!
そして今日は、告白にはもってこいのイベント、バレンタインデー! これを機に、絶対彼のハートをゲットして見せます!
というわけで、放課後。私はチョコを渡すべく、先輩の姿を探します。
あ、いたいた。せんぱー……。
「!!」
なんてこと! 私より先に、誰かが先輩にチョコを渡してる!
あれはたしか……。私と同じ1年生の温泉少女!
「先輩には以前お世話になりましたので。ああ、もちろん義理ですよ」
「うん、ありがたくもらっておくけど……。何故に温泉まんじゅう?」
「みんなと同じでは、個性がないかと思いまして」
あいつめ、本編じゃ早死にしたくせに出しゃばりやがって~!
けどまあ、本命じゃないみたいだからひとまず安心ですね。さあ、私も早くチョコを渡さないと。
「せんぱー……」
そのとき、階段の上から何かが降ってきました。そしてそれは、狙い澄ましたかのように階段の下にいた私を直撃します。
それがボン太くんスーツだと気づいたのは、私がそれの下敷きになって数秒後のことでした。
「あ~! そ、某としたことが! すまぬ!」
この声は、永遠のうっかり侍先輩……。何もこんな時にうっかりを発動させなくても……。
何か私に恨みでもあるわけ? だいたい、なんで学校にこんな物があるのよ!
ぺこぺこと頭を下げるうっかり侍先輩を適当にあしらい、私は改めてChain-情先輩を……。
ピシュン!
あれ? なんか一瞬で景色が変わって……。
「あ、ゴメン! うっかりマン・イン・ザ・ミラーのDISC落としちゃって……」
今度は忘却のウッカリデス先輩……。なに、このうっかりコンボ……。
あんたら、そんなに私の邪魔がしたいか~!!
そんなこんなで、私はChain-情先輩を見失ってしまいました。ああもう、なんでこうなるのかなあ……。
あ、いた! よかった、すぐに見つかって……。
「先輩!」
「やあ、フラグビルドさんじゃないか。どうしたんだい?」
「あの……。これ、受け取ってください!」
「ああ、バレンタインのチョコか。ありがとう」
やった! 受け取ってくれた! あれ? でも何か様子が……。
「ククク……。引っかかったな、フラグビルドくん……」
「あなた……。Chain-情先輩じゃないですね!」
私の前で、Chain-情先輩の輪郭がゆがんでいく。こんなことが出来るのは、この学園に一人しかいない!
素顔は誰も知らないけれど、名前はみんな知っている。教務主任の、◆6/WWxs901先生!
「事前に言ってあったはずだよなあ、学校にチョコを持ってくるのは禁止だって。
だからこうしてもてそうな生徒に変身して、チョコを持ってきている生徒をあぶり出してたんだよ。
このチョコは没収させてもらうよ」
ゴゴゴゴゴゴ……
「え? なに、このジョジョみたいな効果音……」
「返してください、私のチョコ……」
「フラグビルドくん? ちょ、ちょっと落ち着いて……」
「イッペン、死ンデミル?」
「いや、その作品はまだパロロワには出て……」
ぱっちん
「アーッ!!」
【◆6/WWxs901 再起不能(ギャグ話なので死にません)】
この後もチョコがもらえなくて荒れるビクトリーム先生に絡まれたり、前方不注意のフリクリ署長先輩に吹っ飛ばされたりといろいろあったおかげで、私がChain-情先輩を見つけたのはもう日が沈みかけた頃でした。
「はあ、はあ……。せ、先輩……」
「フラグビルドさん……? どうしたんだよ、そんなにふらふらになって!」
「い……いろいろありまして……。それより先輩……これ、バレンタインデーのチョコです……」
「あ……ありがとう……。でも、包装紙がぼろぼろになってるのはどうして?
何か、血の臭いがするような気もするし……」
「それもいろいろあった結果なんです……。やっぱり、そんなぼろぼろのチョコをもらうのはいやですか?」
「とんでもない! 喜んで受け取るよ。気持ちだけでも十分嬉しいしね」
「先輩……」
『でも、もっとほしいものがあるんだ……』
『え……?』
『君さ』
『せ、先輩、何を……!』
『ずっと前から、君をこうしたいと思ってたんだ……』
『だ、駄目です、先輩! ここは学校なんですよ?』
『つまり、学校じゃなければオーケーってことかな?』
『そ、そういうわけじゃ……。で、でも私、先輩となら……』
「……って、なにやってるんですかエロ師匠さん!」
「ん? 君たちを見ていたら新作のアイディアが思い浮かんだんで、忘れないうちにメモしておこうと思ってな。
ああ、気にせず続けてくれたまえ」
「音読する必要はないでしょう! だいたい、あなたの行動は目に余る!
風紀委員として注意せざるを得ないと前々から思ってたんです!」
「何だ、やる気か? 私は表現の自由を守るためなら戦うぞ?」
「暴力は好みませんが、少しお灸を据えなければいけないみたいですね……」
「ゴールド・エクスペリエンス!」
「武装錬金!」
「なんだなんだ、喧嘩か? 俺も混ぜろや!」
「ははは、面白そうなことやってるじゃないか」
どこからか大あばれ鉄槌先輩やカオス先生もやってきて、気が付けば事態は大乱闘スマッシュブラザーズに……。
って、私のチョコは結局どうなったんですか! 何なの、この学校ー!
「オチが弱いと言わざるを得ない」
完
あとがきのようなもの
文法やら何やら細かい部分は修正してありますが、話の大筋は去年書いたそのままです。
よってフラグビルドの性格は当時のもの。Chain-情さんと結ばれる前の、黒い彼女です。
結ばれた後も十分黒いとか、そういうことは言わない方向で。