釧路市議会で、2023年3月7日、一般質問を行いました。
質問項目については以前このブログでご紹介しました。
議事録ができるのはもっと先になりますので、少し長くなりますが、質問要旨を改めてご紹介します。
答弁も議事録完成後、ご紹介します。
1回目の登壇
(Q1) 子どもの医療費助成制度の拡充
東京都の取り組みが注目されます。子どもの医療費無料化は小さな自治体で拡充されることが多いのですが、東京都では来年度から入院通院とも18歳までに広がります。東京都議会でもなぜ18歳まで無料化にする必要があると考えたのかという質問が出されました。福祉保健局長が「高校生の世代は、生涯にわたる健康づくりの基礎をつちかう大切な時期であり、自らの健康をコントロールし、改善できるよう支援することは重要」という答弁をし、高校生という時期について重要な認識を示しました。
釧路市も今年8月から中学生の通院費無料を始めれば、残りは高校生の通院の無料化が課題になります。各地の自治体が努力して全体を押し上げている中、釧路市においても通院も18歳まで無料化にすることが重要と思いますが、市長の見解をお尋ねします。
(Q2) 子育て世帯への給付金
最近自治体が、子どものいる家庭へ独自の給付金を支給する例が見られるようになりました。例えば東京都では、子ども一人につき月5000円支給することが発表されました。この制度は18歳以下の子どもに所得制限を設けず支給するもので、来年初めに1年分6万円が支給される見込みです。東京都の小池百合子知事は「『東京から少子化を止める』という決意のもと、大胆な施策を実行していきたい」とインタビューに答えています。
またいくつかの市町村でも自治体独自の給付金を支給するところも出てきています。例えば兵庫県明石市では国の制度では中学生までになっている児童手当を18歳まで延長し、所得制限なしで月5000円支給する方針であることを市長が発表しました。また東京都千代田区では、国の児童手当の制度から外れてしまう世帯に月5000円支給しています。これによって高校生や高額所得世帯が支給対象になっています。同じような取りくみが三重県桑名市でもはじまるそうです。
自治体独自の給付金制度があるところは、まだ多数ではありませんが、今後このようなことも検討しなければならないと思います。そこで、釧路市も東京都のような子育て世帯に独自の給付金制度の創設を求めますが、市の見解についてお尋ねします。
(Q3)市営住宅の改善
単身世帯可能の住宅が、希望する人に比べて少ないことが問題であると考えています。例えば直近である2022年11月の募集案内では、釧路地域では全部で21団地、34の住棟で募集があり、そのうち単身可は、18住棟だけです。単身者が入れる住宅は住棟でいうとおよそ半分しかありません。
今の日本では、女性で高齢者となると住宅に困窮するリスクが高くなると推定されます。このような方々に住宅を提供することも行政サービスの一環であるはずです。しかし、希望する住宅が単身可になっていなければ、申し込みするチャンスさえも奪われているのが、今の現状ではないでしょうか。4DKとか3LDKといった広い住宅は別としても、それ以外の住宅は全て単身可にして、申し込みの時点で門前払いしないのが、住宅に困っている人たちのためになるのではないでしょうか。夫婦であればほとんど全ての住宅に申し込みできるのに、単身者が選択できる住宅は半分に限られてしまうのは、酷な話ではないでしょうか。
市営住宅の入居資格にある「単身世帯向け」は原則なくして、単身、2人以上世帯に関わらず申し込みを受け付けるべきと考えますが、市の見解をお答え下さい。
(Q4) 食料等支援事業の復活
今、物価高騰で多くの市民が苦しんでいます。特に電気、灯油、食料の高騰は著しくまた生活に不可欠でありますので、国や自治体による支援がどうしても必要です。
釧路市でも物価高騰対策として、食料等支援事業が昨年10月まで行われていました。事前に担当課にお聞きしたところ、この事業を利用した人は3200世帯、全世帯の3.5%と決して多くはありません。それは均等割のみ課税世帯に限定したからです。利用者は少なかったとしても、物価高騰対策に一役かったものでもありますので、また復活してみてはどうかと思います。コロナ禍では、自治体が自宅療養者に食料支援をしましたが、今度は物価高騰という難題に直面していますので、生活困窮者や低所得世帯に対する食料支援は、自治体ができる事業としては、重要と考えますが、市の考えをお尋ねします。
再質問
(子どもの医療費助成制度の拡充)
Q1-2 18歳以下の子どものうち、高校生は入院は無料、通院は有料と中学生以下と比べると変則的な形になってしまいます。医療費助成制度が進んでくると、通院か入院かで区別するのは不合理になってくるのではありませんか。
Q1-3 厚労省は令和3年度乳幼児等に係る医療費の援助についての調査結果を発表しました。それによると市区町村では、通院が中学生まで、入院が高校生までが最も多かったと厚労省がまとめとしてコメントしています。他都市の状況を見て、次は高校の通院費用の無料化も視野にいれなければならないと思います。数年後は中学校ではなく、高校まで無料化を実施している自治体の数が多くなるはずです。釧路市を子育て支援に手厚い自治体にしていくという立場から、他都市の事例を研究すると前向きな考えを今示せませんか。
(子育て世帯への給付金)
Q2-2 続いて子育て世帯への給付金について人口減少対策の角度から再質問致します。少子高齢化による社会への不安が叫ばれていますが、その要因は子育てにお金がかかりすぎるからです。子育て、教育にかかわるお金の心配を減らすことで、子どもが増え、少子化や人口減の対策になるはずです。総合政策部も「親になる世代の定住」を目指しています。自治体独自の子育て世帯給付金があれば、人口減少対策になるという考えは大切なのではないでしょうか。
Q2-3 現在の児童手当では子ども1人につき月1万から1万5000円支給され、15歳まで受け取るとおよそ200万円になります。国の制度だけで子どもを育てるというのはなかなか大変なことだと思います。国の児童手当の制度では足りない部分があることについては、認識されているのでしょうか。
(市営住宅の改善)
Q3-2 せっかく市営住宅に当選しても、設備を見てこれでは暮らせないと辞退した人の話も聞きました。具体的には、シャワーがない、給湯機がない、灯油タンクが個人設置、カーテンレールがない、照明器具は自己負担という点です。基本的設備はフル装備にして、低所得の方がお金の心配なく安心して入居できるようにすべきではないでしょうか。
Q3—3 ミスマッチが生じるのは、住宅の下見を受け付けていないことも一因と考えられます。誰だって新しい住宅に住む際は、申し込みの前に見たいと思うはずです。住宅の下見を可能にしていただきたいのですが。
(食料等支援事業の復活)
Q4-2 コロナ禍では、学生の食料支援が全国各地で行われました。釧路でも行われています。コロナは落ち着いてアルバイトはできる環境になっても、物価高で学生の暮らしは大変です。食料等支援事業の制度を応用して、対象者を市内で一人暮らしをする大学生にし、自宅まで配送するという制度を検討していただきたいのですが。
Q4-3 12月議会では、大学生への食料支援を行っている団体に対する市の支援についてお聞きしました。「市としてできる支援策の検討を進めてまいりたい」という答弁でした。自治体がフードバンクを主催するのは難しいでしょうが、低所得世帯とか学生にお店で食品と交換できるクーポンとか商品券を支給する事業ならやれないことはないはずです。物価高騰の今こそ、そのような事業が必要と思われますし、12月議会の答弁であった「市としてできる支援策」ではないかと思いますが、市の見解をお聞きします。
釧路市議会2023年2月議会の一般質問に関する過去のブログはこちらから
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