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ラテントピック一語一絵 その31

2022-10-01 16:47:56 | ラテントピック・一語一絵
Jackson do Pandeiro

1919-1982

ジャクソン・ド・パンデイロ

時代的にはルイス・ゴンザーガとほぼ同時代で
ブラジル北東部、ノルデスチの音楽を盛り上げた
ひとりだった。

本名はジョゼ・ゴメス・フィーリョで、ジャクソン
の名の由来は、やはり歌手で楽器弾きもしていた
母親が好きで見ていたアメリカ映画の西部劇の
俳優ジャック・ペリーから来ているらしい。
ジャクソン・ド・パンデイロなら知らない人は
いないくらいだが本名では誰だか分からない。

母親は余裕が無かったため、本人が欲しがって
いたアコーディオンは買えず、代わりに与えたのが
パンデイロだった。アコーディオンを渡していた
ら第二のルイス・ゴンザーガになっていたかも
知れない、人間の運命なんて何が幸いするか
分からないね。

母親の仕事にパンデイロを持ってついて歩いたのだろう
か、パライーバの州都ジョアン・ペソーアではナイトクラブ
だのラジオ局だの早いうちから働いている。無論歌も歌う。 
パンデイロを叩きながらお喋りもすれば歌もアドリブで披露。
隣りの大都市レシーフエでもラジオに出ている。

約40年近くノルデスチのダンス音楽フォフォーに拘り
演奏し続けてた。ピカイチな大道芸人的なセンスは
メキシコの芸人カンティンフラスに通じるものがある。
現場の叩き上げはやはり違います。

アルセウ・ヴァレンサの曲や、同じノルデスチ
出身のジルベルト・ジルやカエターノ・ベローゾ
からの評価が高い。いつも斜めに帽子を被る偉大
なパライバーノだった。

甥や弟と共に自身のバンド「ボルボレーマ」も
率いていたがこのバンドはどうしだろうか。
アコーディオンもいたと思う。

60年代後半にはルイス・ゴンザーガが作り上げて来た
北東部の音楽を引き継いで全国的に広めた。パンデイロを
独立した楽器として新たに注目させた功績は大きい。

パライーバのカンピーナ・グランジのリオ・ブランコ広場
にはジャクソン・ド・パンデイロとルイス・ゴンザーガの
銅像が設置されている。ところがジャクソン・ド・パンデ
イロの腕の先からパンデイロの部分が破壊され持ち去ら
れてしまう事件が起きた。市と警察は犯人を探し出すと 
声明を出す一方で銅像は修理をすると発表。
どこにでも馬鹿な輩はいるものだが酷いことをするものだ。


彼の死因は肺浮腫とされている。急死だった。

ジャクソン・ド・パンデイロの名前は随分前から
知っていた。それより以前にオズワルジーニョ・
ダ・クイーカに会った際に、北東部のことで彼の
話になったことがあったがもう内容は忘れてしま
った。

描いてみたら、意外と出来の良い仕上がりになった
からアップすることにします。やはり一絵だからね。
一回で描けたら楽です。

最近身の回りに同世代はおろか年下の連中の物故が
多くて嫌でも気になり、我が身の上に置き換えて
しまう。虚いは世の習いとは言うもののやはり身に
堪えるね。だから上手く描けた時はあーだこーだと
書かないで、サッサとアップしておくことにする。
いつ描けなくなるか分からないし、文章ばかり長く
なっても面白くないしね。

そうそう、シブーカも忘れてはいけない存在。
クララ・ヌネスとのフェイラ・ジ・マンガイウは凄い
よね。 サンフォーナで思い出した。
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