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もう30年近く前に知り合い、私が中国で工場を立ち上げるときも協力してくれた男が訪ねてくれた。この春節の休みを利用して家族旅行だ。娘さんは二十歳ぐらいだが、彼女の生まれたばかりの時にお目通りを頂いている。現在は大学でバレー?を勉強しているそうだ。彼は何度も日本へは仕事で来ているし、かつて何年かは滞在したこともあるが、奥さん、娘さんは初めての来日だった。娘さんに日本はどうだったか尋ねると、最高だと、また必ず来たいと言った。父親も何度も日本には来ているが、観光地にはあまり足を入れていなかったとかで、大阪に入り関西を巡り、関東を巡り十分日本を満喫したようだ。帰りはここ静岡の空港からを選択してくれていた。
男同士で懐かしい話に夢中になって女性たちにあまり話しかけられなくて失礼した。
彼の話によると、会社にいた人にも取引先の人にも、この21世紀の中国の高度成長の波に乗ってたいそう成功している人たちがいるようだ。日本にマンションを持っている人、ミャンマーの宝石を扱って成功している人だとか景気の良い話も聞けた。私の暮らしはどうだと聞かれたので、「もうあまり外国を長い日数旅することができないので、キャンピングカーを買って国内を回ろうと思っている」と答えた。するとさすが中国人、「その車はいくらだ?」と聞いてきた。金額を答えると「オウ、そんなに安く買えるか!」と。確かに彼らの金銭感覚は20年前とは大違いだ。彼の20年前に購入した中古のアパートが一時は20倍の2億円近くまで高騰したそうだ。ただし今はその七掛け程度まで落ちていると。
「また是非杭州を訪ねてくれ」と言って帰っていった。