梅の花の賑わいが一段落し桜の開花が待たれる今日この頃。
桜前線の北上に伴い各地の開花宣言がニュースに。
ここ岡山では後楽園の標本木が昨日はまだ一輪しか開花が見られず
残念ながら未だ開花宣言とはなっていない模様。
標本木の周りの木はたくさん開花しているというのに…。
いくらルールに則っているとは言え
何ともはや融通の利かない杓子定規な見解だこと。
おそらく今日には開花宣言がなされることだろうが
ひとつの花の開花をこれほど話題に取り上げて
一喜一憂する国が他にあるだろうか？
それほど日本人にとって桜は特別な存在のようだが
その理由も知らないで
やれ、今年の花見はいつにする？だとか
花見弁当はどこの店が美味しい？だとか
やれ、花見の場所取りは誰が行く？だとか言って
今日か明日かと桜の開花を待ちわびる日本人の何と多いことか！
「ボーっと生きてんじゃねえよー！」とチコちゃんに叱られそうだ。（笑）
冗談はさておき…
ガーデンの桜も開花まではまだ時間がかかりそうだが
他の花木では花が咲き始めている。
可愛らしい花に似つかわしくない名前のボケの花。
でも、漢字で書くと木瓜。
果実が瓜に似ていて木になる瓜で木瓜と呼ばれ
木瓜の果実酒（ボケ酒）は疲労回復などに効果があるそうだ。
ちなみに花言葉は「平凡」「早熟」「先駆者」など。
そんなことも知らないで今までボーっと見ていた。
淡いピンク色の花をいっぱいに咲かせているのはあんず。
この花は漢字の杏やカタカナのアンズではなく
何故だか、ひらがなの”あんず”がいちばんしっくりくる。
黄色く個性的な花をたくさんぶら下げているのは土佐ミズキ。
花木の中でも異彩を放ち独特な存在感がある。
白い風鈴型の小さな花がつながり房になって咲く馬酔木。
山荘の入口にで～んと、まるで門番のよう。
遠目には白い雪が積もったみたいに見えるほどの
パワーあふれる開花は圧倒的だ。
こちらは東のガーデンにそびえる別の馬酔木。
この木も大量生産の花が見頃を迎えているが
よく見ると、ほんのりとピンク色がかっている。
いずれも自生の木だが、場所によって色のつき具合が違うようだ。
そしてこれは１０年ほど経ったサクランボ。
この木の根元にクリスマスローズの群生があるのだが
日当たりが悪いせいか、育て方がまずいのか
いつの間にか木ばかりが大きくなってしまい一向に実が成らない。
それどころか、初めの頃はたくさん咲いていた花も
年々花つきが悪くなる一方で、これではいけないと一念発起し
３～４年前から毎年少しずつ自己流で剪定を施し
小さく仕立て直しを進めてきた。
その甲斐あって、今年は多少花数が増えて来たように思うが
それでも残念なことにまだチラホラとしか咲かない。
そんな東のサクランボの木に見切りをつけ…という訳ではないが（笑）
２～３年前に新しい苗木を南側の日当たりの良い場所に植えた。
その木が見る見る成長し今年はたくさんの花をつけた。
やったね！
でも、実が成るかどうかはまだわからない。
成るといいな、成ってほしいな！
花木と言えるのかどうか知らないが
ユキヤナギにも白く小さな花が開き始めている。
春の主役の桜が登場するまでの心待ちの時間を
あたかも埋めるかのように咲き始めた
これら名脇役の花木たち。
思えば、実に良い仕事をしている。
桜の開花ばかりが注目され
ちやほやともてはやされる桜大好き日本の風潮に対し
彼らの声なき声が聞こえてきそうだ。
桜、さくら、サクラ …と日々騒いでいる日本人たちよ
ボクらの存在を忘れちゃイヤよ！ってね。
