痛ましい事故が起きてしまった…。
大津市の交差点事故に巻き込まれてしまった
散歩中の保育園児と保育士さんたち。
亡くなられた2人のお子さんのご冥福を祈るとともに
ケガをされた多くの園児や保育士さんたちの
いち早いご回復を心から願うばかりだ。
この痛ましい事故が起きた当日の夕方
被害に遭われた保育園関係者の記者会見の様子を見て
何とも複雑な思いに囚われてしまった。
被害者である保育園が記者会見を開くなんて
それもこんな早い段階で…
私には到底考えられなかったからだ。
何もそこまでしなくてもいいのではないか…。
しかも冒頭の副理事長による事故の状況説明や
日頃の散歩に対する危機管理体制の説明が
極めて冷静に、そして淡々と語られていたことにも
少なからず違和感を感じてしまった。
運営者としては確かに立派な態度だったが…。
でもそのお陰で保育園に落ち度がなかったのはよくわかり
この会見の目的の一つもそこにあったのだろう。
しかしそのあとの記者からの質問タイムでは
その場の雰囲気や様相が一変した。
これも当然と言えば当然なことなのだが
現場の責任者である園長に質問が集中したのだ。
そこで浴びせられた記者の心ない質問の数々によって
そうでなくてもいたたまれない気持ちの園長が
ついに泣き崩れてしまった。
これは気の毒で見ていられなかった。
幼い子どもの命を預かっているにもかかわらず
今回そのかけがえのない命を守れなかったことに対する
園長としての責任の重さや自らを責める気持ちが
ひしひしと伝わり、見ていて辛かった。
誰もがそう思ったに違いない。
この会見の模様を見た多くの人が
SNSで「#保育士さんありがとう」のタグをつけて
保育士に感謝の気持ちを発信しているという。
そして幼児教育無償化よりも
希望する人が全員入れるようにするのが先だとか
保育士の待遇改善のほうが先決だとか
様々なメッセージがSNSに寄せられているとか…。
こういった悲惨な事件をきっかけに
保育の諸問題に光が当たるのも何だか寂しいが
この会見が多くの見ていた人々の同情を誘い
共感を呼んだのは確かだと思う。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」と何度も繰り返す
いかにも憔悴しきった園長先生の姿は
つい3年前まで同じ立場だった私にとって
とても他人事とは思えなかった。
お陰さまで私は何事もなく退職することができ
こうして今、気楽な生活を送ることができているが
現役中はこんな事件や事故が起きるたびに
明日は我が身と常に考えていたっけ…。
防ごうとしても防ぎようのないこともあるのだ。
誰が当事者になってもおかしくないのだ。
たまたま自分はそうならなかったというだけで
もしかするとあの記者会見に私がいたかも知れない。
そう考えると
改めて自分の幸運に感謝しかない。
今回の事故で犠牲になられた2人の園児のご冥福と
ケガをされた多くの園児と保育士のご回復
そして園長先生始め職員の皆さまのご心痛が
少しでも和らぐことを願い
ガーデンのささやかな花を添えて祈りたいと思う。