見出し画像

noriba-ba's garden

ターシャ・テューダーの庭を訪ねる旅(その4)

ターシャの庭を訪ねる旅の続きである。

 

屋敷の中を一通り見て回った私たちのグループは

母屋から屋内通路で繋がる納屋へと移動した。

天井の高い大きな納屋には様々な道具類があり

主に農作業や家畜の飼育に使う物らしいが

どれもこれも素朴で実直に使い込まれた感じがする。

おそらく一つひとつに

ターシャの汗が染み込んでいるに違いない。

 

あの細い体でこうした道具を使い

荒れた地面を掘り返しては

一つひとつ球根を植え、種をまいていったのだ。

さっきまで居た母屋で感じていた絵本作家ターシャとは全く別の

力強く逞しいガーデナーとしての姿が

この納屋に来て、初めて立ち上がってくる。

そうか…あの夢のような美しい世界の裏には

こうした汗にまみれた現実があるんだ…。

 

そんな思いを強く感じながら、ここでいったん休憩。

冷たいハーブティーをごちそうになる。

否応なく夢から現実に引き戻されたような気分。

今から思うと

この納屋で過ごした時間は

これから始まるターシャの庭見学に向けて

気持ちをリセットするための

私にとっては大切なひととき…だったのかもしれない。

 

そして、いよいよ私たちのグループは

ウィンズローの案内でターシャの庭へと足を踏み入れた。

(納屋の外観)

 

大きく開口された納屋の出口の前には

ちょっとした緑の広場があり

茶色の毛をしたチャボたちが草をついばんでいた。

薄紫色のライラックのような花が

今まさに満開に咲いている木の横を通り抜け

ようやく人一人が通れるような小径を歩いていくと

その先には見慣れた場所があった。

 

ターシャが生前、よくお茶をしていたポーチだ。

これも何度となくビデオや本で紹介され

いつの間にか私にとって

ターシャの原風景と思うようになっていた。

母屋のリビングルームから出入りできる造りになっているが

今はそのドアは閉じられ、庭からしか行けない。

(ポーチでくつろぐ在りし日のターシャ)

 

ターシャはここで庭仕事の合間に

あるいは絵本製作や家事仕事の気分転換の時に

庭の花が飾られた古い机の横で

あのロッキングチェアーに揺られながら

コーギー犬とともにホッと一息

心豊かにティータイムを過ごしていたのだ。

 

軒下には季節の鉢植えの花が並び

軒先にはフクシアのハンギングバスケットが吊るされ

ポーチの横には背の高いホリホックやジギタリスが咲いていた。

もちろん机の上に置かれた花瓶には

素朴で可憐な花が生けられていた。

 

ポーチから庭の景色を眺めながら

おそらくターシャは至福の時を過ごしていたのだろう。

 

喜びは創り出すもの…

そう言った彼女の言葉が心に甦ってくる。

 

庭の見学はまだ始まったばかりなのに

いろいろな思いが心をめぐり

なかなか先へと進めない私…。(笑)

 

なので今日はここまで。

この続きはまた後日。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ターシャ・テューダーの庭を訪ねる旅」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事