長かったゴールデンウィークも終わり
今日からお仕事の皆さん、ご苦労さまです。
そう言ってちょっぴり優越感に浸れるのも
リタイア組に与えられたご褒美のひとつなのかも知れない。
そんな嫌味な自慢話はさておいて…(笑)
10連休前にはまだ蕾だった黄色いモッコウバラの花が
平成から令和の時代に変わるのを
待ってましたとばかりに次々と咲き出した。
10年程前、このログハウスを建てた時に植えた
たった一株の小さな苗が、今では…
西側のウッドデッキの玄関口から
手すりに沿って延々と蔓を伸ばし
とうとう南のウッドデッキのパーゴラの上まで
こんもりと覆い尽くしてしまった。
そのパーゴラの上のモッコウバラが
昨年、強風に煽られドサッとずり落ちてしまい
元に戻すのが大変だったことは今でも忘れられない。
その時のブログを読み返すと笑えてくる。
今年はその時の苦い経験から学習し
モッコウバラをパーゴラにしっかり止めたので大丈夫だ。
もう二度とあんな大変な思いはしたくない。(笑)
それにしても凄い勢いだ。
昨年あれだけ枝を切ってスッキリさせたはずなのに
たった1年でもうこんなに茂るなんて…。
ろくすっぽ肥料もやらず全く消毒もしていないのに
こんなに元気で長生きするなんて…
何という逞しさ、そして生命力なのだろう。
人間もこうありたいものだ…。
そう思った時に、ふと脳裏に浮かんできたのが
あの96歳の私の母の姿だった。
このモッコウバラと母の姿が重なって見えたのだ。
あの焼肉を美味しそうに食べる母の食欲と
モッコウバラのぐんぐん伸びる逞しい生命力が…。
そして強風でずり落ちたモッコウバラと
夜中にベッドで身動き取れずにいた母の姿が…。
それだけじゃない。
誘引しないと姿が整わないモッコウバラと
誰かに支えられないと歩行がおぼつかない母の姿が…。
そして96歳になってもワラビ採りに夢中になる母の姿と
ひたすら蔓を伸ばし花を咲かせるモッコウバラの姿が
とても良く似ていると思えてくるのだ。
人の一生も植物の一生も同じなのかも知れない。
このモッコウバラも10年以上の歳月に亘って
この置かれた場所で風雪に耐えながら
毎年同じように春には花を咲かせて
私たちの心を癒し楽しませてくれてきたのだ。
ただ大きくなり過ぎたせいで時々庭主の助けが必要だが
ほとんどは手間をかけることなく生きてきたのだ。
それと同じで96歳の母も
様々な苦労や喜び、そして悲しみを味わいながら
大正、昭和、平成と齢を重ね
妻、母、祖母、曾祖母、そして一人の人間として
こうして令和の時代まで生きてきたのだ。
ただ高齢になり過ぎたせいで人の支えが必要だが
ほとんどのことは自分でしてきたのだ。
そう考えると俄然モッコウバラが特別に思えてくる。
この生命力がいつまで続くかわからないが
愛情を込めてそっと見守りたいと思う。
それにしても…よりによって
自分の母親をモッコウバラと一緒にするなんて…
何と不埒で親不幸な娘だこと。
「もう、いい加減にして!」と母に叱られそうだ。(笑)