チューリップが咲き乱れる春の山庭の中で
残り少ない命の炎を燃やしているのが
クリスマスローズたち。
すでに花の色は褪せてしまったが
それはそれで枯淡の趣きがあり美しく感じる。
一方このクリスマスローズはまだまだ元気。
山庭の南斜面で日当たりが良いせいか
葉っぱをもりもりこんもりと茂らせた大きな株に育ち
早春から次々と可愛い花を咲かせ続けていて
4月中旬のこの時期になっても
未だ衰え知らずに小さな蕾をつけている。
花はボリューム感のある八重咲きで
咲き始めの白色から徐々に黄色へと変化して
さらに咲き進むにつれて
黄緑色から薄緑色、そして最後は葉と同じ緑色になる。
そのグラデーションがとても美しく
時の流れに従い刻々と移り行く花の様子を見ていると
まるで人の一生を見ているようにも感じる。
さしずめ今の私はもう緑色かな?
いや、まだ枯れるには早い。まだ薄緑色だよ!
などと自分に重ね合わせながら
切なさ混じりの複雑な気持ちで眺めている私。(笑)
そのクリスマスローズの花は
人と同じように重荷を背負って生きているのか
はたまた性格がシャイなのか
恥ずかしそうに俯いて下向きに咲くので
ベールに隠された顔の表情は下から覗き込んで
まるで盗撮するように撮るしかない。(笑)
でも、盗撮してでも見たくなるほど
クリスマスローズは神秘的な魅力にあふれている。