絵合わせ日記

日常の暮らしで、あったこと、思ったこと書きとめています…ただ今、ペットは猫と金魚です。

『日本国紀』を読んで(婿養子という立場)

2019-02-02 10:35:19 | 雑感
先月だったか、先々月だったか、夫が本を買ってきていたのを見たら、『日本国紀』(百田尚樹)というものでありました。

歴史は子どもの頃から大好きで、結婚してからは、図書館で日本の古代史の本をあさるように読んでいた時期もありました。

でも、古代史って、ある意味壮大なファンタジーぽくて、何が真実なのか藪の中なんです。

推理小説ぽくもあります。

基本はかなりおさえてあると思うので、この人は、どんな風に歴史を語るのか、興味深く読み始めましたが、平安京に入るまでにギブアップしてしまいました。

それと、パラパラ江戸時代なんかも確認して、がっかりしました。

今ほど、皇位継承に関心がある時代はないのではないかしらと、個人的に思うわけですが、この本を見たら、継承問題の危機には触れたくはないような印象を受けました。

自分の書きたくないことだから書いてないだけか、教えたくないのか、わかりませんが、私的には突っ込みどころ満載です。



まず、第一章 古代~大和政権誕生の最後のコラムを読むと、万世一系についてかくかくしかじかと講釈されているので、これだけで、この人は、知らないのか、書きたくないのだろうと思えるわけです。

継体天皇の登場について、2ページ半さいてあります。

この人自身が、王朝が入れ替わったと思っているのに、万世一系でなくてはならないので、応神天皇の五世の孫だからと、武烈天皇で途絶えた皇統をつないだと書いています。

なぜ、そこに一言、先々代仁賢天皇の皇女で、武烈天皇の姉妹であった手白髪皇女が、継体天皇のお妃になられたことが書けないのでしう。



次に、第二章 飛鳥時代~平城京を読んで、びっくりしました。

奈良時代最後の女帝だった、孝謙天皇が全然出てきませんし、第三章 平安京で、桓武天皇が突然出てきています。
                                                           
以下、書かれてないことです。

聖武天皇と光明皇后の皇女は、女性皇太子として立太子されています。

途中、淳仁天皇に位を譲りましたが、称徳天皇として重祚して、子どもを残さずに亡くなりました。

次を指名してなかったので、女帝の異母姉妹の聖武天皇の娘の井上内親王と結婚していたからと、光仁天皇になりました。

桓武天皇は、光仁天皇の息子ですが、井上内親王の子ではありません。


最後に、江戸時代のことです。

ざっと見たところ、もうどうでもよいのか、関心がないのか、幕府の話ばかりで、天皇のことが書かれていませんが、婿養子になって、天皇になった方がおられます。

今上天皇の直系のご先祖光格天皇です。

この方は、東山天皇のひ孫で、宮家の6男だったかうろ覚えですが、先代の天皇の遺児欣子内親王が、1歳と幼かったために、釣り合うという年齢で養子に迎えられて、天皇になられました。

次の天皇は、光格天皇の皇子でしたが、欣子内親王の実子ではありませんが。

歴史の皮肉か、教訓か、男系男子だー!!なんてだけで、皇位継承が万世一系でなされてきたわけではないのを知っておきたいものです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする