精神科ナースマン

精神科で働く看護師さんのブログ

まさか消毒なんかしてませんよね。。。

2009年11月30日 | 書籍紹介

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こんにちわ。
nursmanです。

どなたも経験してきたと思いますが、ケガをして傷を見るとどうしても消毒がしたくなるといった時代が一昔前にありました。
看護師さんなら、手術創は、毎日消毒しないと感染が起こるのではないかと気が気でならなかった時代もありました。
消毒より洗浄の方が優れていることは、少し考えれば簡単に分かることですが、無意識に洗浄ではなく消毒をしてきたのではないでしょうか。
参考までになぜ洗浄のほうが消毒より優れているかということ。。。
まず、消毒では、確かに細菌が死滅します。
しかし、死滅した細菌は、どこに行くのでしょうか?
そうです。傷の上に放置されたままになるのです。
一方、洗浄は、汚れや細菌を丸ごと洗い流す訳ですから、傷は消毒したときより清潔に保つことができるのです。
更に胃やその他の腸を切除するような手術の後にお腹の傷は消毒しても腸を縫い合わせたお腹の中の傷は、消毒していませんでした。
それでも多くは、腸管の感染を認めることはありませんでした。
お腹の外の傷は消毒して、お腹の中の傷は消毒しない。
これだけをとってみても矛盾を感じるのが普通だと思います。

では、なぜ消毒すると細菌は死滅するのでしょうか。
消毒薬は細菌の厚い細胞壁を構成するたんぱく質を破壊して細菌を死滅させています。

ちょっと待てーっ!

勘のいい人はもうお気づきですね。
人間に出来た傷は、人間の細胞がむき出しになっている状態です。
人間の細胞は、厚い細胞壁を持たなく、外側は、いきなり薄い細胞膜で構成されているのですから、消毒をすると細菌が死滅する前に人間の細胞が先にやられるのです。
傷が治るどころか、傷の治りを悪くしているのです。
傷を乾燥させることもそう。
市販のキズパワ-パッドに代表されるドレッシング剤は、痛みを和らげる…。etc
ってなことが夏井睦著「傷はぜったい消毒するな」で勉強することが出来ます。

以前勤めていた病院の放射線技師のおじさんにこんな言葉を教えてもらったことを思い出します。
「医療業界は、今日の常識、明日の非常識」
正にこの言葉がピタリと当てはまります。
ご興味のある方、興味がない方も是非、一度お読み下さい。。。

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