何故、私は「うつ病」になってしまったのか?色々な事情が複雑に絡み合ってはいるのだが、上司であるDBに加えて「劣悪な職場環境」も要因と言えよう。まず、驚いたのは「パソコンが無い」事であった。あらゆる文書は基本的に手書きであり、公式に表に出す文書でさえ「ワープロ」を用いていたのである。しかも「感熱紙に印字してからコピーを取る」と言う旧式ではなく「石器時代」の様な有様だったのである。他所ではLANが普及して、メールまでもが「当たり前」の時代だと言うのに、データを集めて分析する事すらままならなかったのである。当然、風通しは「最悪」で、上からも「1人1台パソコンを買え!」とせっつかれても、頑として買おうとはしなかった。何故か?と言うと、DB達が「パソコンを全く使えなかった」からなのである。「オモチャを買ってヒンシュクを買いたくない」と言う時代錯誤も甚だしい言い訳を盾にして、作業の効率化を怠っていたのだ。部長は「非効率なやり方は改めるべき」と常々言っていたが、DBは何処吹く風であった。そこから、転落の一因となる事が起こる。「若いモノがやらねば、年寄りには手が出ないだろうから、キミが先鞭をつけてくれ」と部長の密命を受けて、私は職場にパソコンを半ば強引に持ち込んだ。使える人間が限られているので、やがて私の業務量は倍に膨れ上がるのだが、DBがダメならば誰かがやらねば「近代化」すらままならない。DBは、当然「猛反発」をしたが「部長の命令」には逆らえない。その代わりに「あらゆる文書作成」が私の双肩にのしかかる事になるのにさほどの時間はいらなかった。狡猾なDBは、あらゆる文書作成を命じる事で「反撃」を開始したのだ。