三線軌条渡り
鉄道のことは基本的には何も分かりません。
どんな仕組みで動いているのか、おそらく初歩的なことも分かっていないと思います。
でも、日本で唯一のもの、と言われたら、たとえ分からなくても見てみたくなるものではないでしょうか。
(そんなことない?)
京急逗子線「六浦」駅には日本で唯一の「三線軌条渡り」があります。
三線軌条とは
鉄道において軌間の異なる車両を運転するために、
通常1対2本の軌条(レール)で敷設される線路について、
片側のレールを共通として残り2本のレールをそれぞれの軌間に応じて敷設したもののこと。
三線軌道あるいは2階建て軌道ともいう。
※軌間…鉄道の線路を構成する左右のレールの間隔
(ウィキペディアより)
三線軌条が敷かれている理由は、「総合車両製作所」で製作された車両運搬のため。
JR東日本の子会社である「総合車両製作所」で製作される車両は、
主に狭軌(レールの間隔が狭い・JRの在来線や関東の私鉄が使用)の車両なのでしょう。
そちらで製作された車両は運搬のためJR横須賀線の逗子駅につながる連絡線に入るため、
京急線の線路を一部利用して進みます。
(京急線は標準軌を使用。)
その際、「六浦」駅だけプラットホームの前を通らなければなりません。
狭軌車両がホームにぶつからないように設けられたのが三線軌条渡り。
どなたが考案されたのか分かりませんが、実にナイスなアイデアだと思われます。
三線軌条渡りがなければ、ホームそのものを移動させなければなりませんし、
そうなれば、京急線の車両とホームに大きな隙間できて、乗降に危険が生じます。
理解を深めれば深める程に、感心します。
まず、こちらが三線軌条。レールが3本敷かれています。
続いてこちらが三線軌条渡り。ホームの前後にあります。
もし、六浦駅にお越しの際はぜひ、チェックしてみてください。
参考文献
- 『京急沿線の不思議と謎』(岡田直・監修 実業之日本社)
「六浦」駅に近い街歩きの記事があるので、良かったら読んでみてください。