区政施行80周年記念企画展
絵画や音楽の鑑賞をするようになってかなりになります。
しかし、自分が思っている以上に芸術の世界は広く、深く、
きっと限られた分野にしか目を向けていないのではないかと私は常々考えています。
日本には各地に美術館がありますし、街の中にも彫刻やオブジェなどがあって、
芸術に触れる機会に恵まれていると感じています。
そうした機会を無関心から手放してしまうのは非常にもったいないことだと思います。
少しでも関心を持ち、それを行動に結びつければ、今まで自分の知らなかった世界が目の前に広がり、
大きな感動を得ることができるでしょう。
ですから、私は好奇心を大切にし、色々なことに関心を持つようにしています。
好奇心というものは、いつ何時芽生えるか、分かりません。
ある時は道端で、ある時はテレビを見て、突然芽生えます。
先日は広報「かつしか」の中に好奇心の種は隠れていました。
区政施行80周年記念企画展「近代彫刻の巨匠 平櫛田中とかつしか」のニュースでした。
先月の5月26日から郷土と天文の博物館(東京都葛飾区)にて行われています。
平櫛田中について
(ひらくしでんちゅう)
明治5年、現在の岡山県井原市に生まれた。
昭和14年に葛飾区のお花茶屋駅に近い本田宝木塚町にアトリエを構えた。
昭和45年に自宅を台東区から小平市に移すまで、メインのアトリエとして使われ、
20年かけて完成した「鏡獅子」をはじめ幾多の名作を生み出した。
田中は、東京藝術大学の教授を勤め、その教室からは優れた彫刻家が幾人も輩出した。
100歳になっても彫刻用材を大量に購入するなど、意気軒昂な生きざまが人々に感動を与えている。
昭和37年文化勲章を受章。
昭和54年に107歳の天寿を全うした。
(広報「かつしか」より)
葛飾区でそんなすごい方が活躍していたなんて、私、知りませんでした。
しかし、残念ながら葛飾区は平櫛田中の作品を所蔵しておらず、
東京藝術大学美術館や井原市田中美術館、小平市平櫛田中美術館等から作品を借り受けて
本企画展に臨んでいます。
ここに葛飾区の熱意を感じます。
展示品は、代表作「鏡獅子」をはじめ、「五浦釣人」などの彫刻や書画、手紙、制作風景の写真、道具、
そして写真などの資料から忠実に再現した葛飾区のアトリエのジオラマなどです。
大きな美術館のような規模ではないとは言え、内容は濃く、平櫛田中の魅力が十分に伝わる展示となっています。
展示品を一つ一つ見ていくと、平櫛田中の人物としての魅力も見えてくるようで、感銘を受けました。
「六十七十ははなたれこぞう」。
私なんぞはまだまだ赤ん坊ということでしょうか、もっともっと精進せねばなりません。
鑑賞にあたっては「葛飾平櫛田中研究会」の方にたくさんお話を伺うことができて、幸運でした。
みなさんも機会があれば、ぜひお話を聞いてみられると良いでしょう。
平櫛田中の魅力をきっとたくさん知ることができるでしょう。
近隣にお住いの方は是非ともこの企画展に足をお運びください。
素晴らしい企画展です。
(6月17日まで)
利用案内、アクセスについては、下記のサイトにてご確認ください。
葛飾区郷土と天文の博物館公式HP ・ 「区制施行80周年記念企画展 平櫛田中とかつしか」
こちらの博物館は常設展やプラネタリウムの内容も非常に良く、一日中過ごすことができる場所です。
時間に余裕を持って行かれると良いと思います。