実家にいた頃は母が作ってくれるお雑煮を食べた他は、こたつに入ってTVを見ていたという記憶しかない。正月に家族で出かけた記憶は殆ど無い。一人暮らしのときは実家に帰っているか部屋でゴロゴロしているかだけだった。それで今年はパートナーもいることだし、少し無理して一通り「年末年始の行事」というものを体験してみた。
大晦日はドアに松飾りを飾って、少し早めにお節料理と年越しそばをスーパーに買いにいった。夜にはパートナーと年越しそばを食べた後に近くの神社に二年参りに出かけた。少し早めに並んだので先頭に近かったが、0時近くになると続々と近所の人たちが集まってきて結構長い列になっていた。0時少し過ぎにお参り出来た。願いは施設の母が平安でありますようにということである。お参りした後は配られていたお汁粉を頂いた。寒かったこともありとても美味しかった。
元旦は少し早めに起きてお雑煮を作り、お雑煮とお節を食べた。小さな鏡餅とお正月用のお花を飾って、おかしな言い方であるが「お正月」らしい雰囲気を味わった。午後には二年参りをした神社と別の神社にお参りに行った。こちらでは参拝者に御神酒が配られていた。普段は薬の関係でアルコールは厳禁であるが、縁起物だったので久しぶりにお酒を口にした。
七日は乾燥した七草を買って簡単に七草粥を作って食べた。数年前七草のセットを買って作ってみたが、あまり美味しいものではなかった。今回は値段と手間を考えて、乾燥の七草にした。そして出していない人から年賀状が届いたので、一大決心をして返信した。
こうやって七日間を過ごした。文字だけ読めばごく普通の平和なお正月を過ごしたようであるが、軽い怯えと軽い頭のグツグツ感が常につきまとっていた。施設にいる寝たきりの母親が心配なのと、自分たちだけこうして出歩いていることに対する罪悪感があるからだろう。どうにもならないが辛い。またきょうだいと連絡をとって面会に行く日を決めなければ。