桜燕日記 Jul. 6, 2019

　7年前の8月、徳島駅前の商業施設にあるトイレで、男子高校生に対して猥褻な行為をしたとして、今月5日、愛知県内に住む70代の無職の男が逮捕された。
　男子高校生が手を洗っていたところ、左腕の入れ墨を見せて脅迫、個室に連れ込んだ上で個室で服の上から猥褻な行為をしたという。事件後、高校生が近くの交番に被害を届け出ていた。
　時効が来月に迫る中、徳島県警はようやく逮捕にこぎつけた。

　性犯罪に巻き込まれるのは、女子ばかりではない。男子も、性被害に遭うことがある。
　私自身、中学時代に猥褻の被害に遭ったことがある。当時は被害を訴えても誰もまともに取り合ってはくれないだろう、という思いが強く、実際に家族や友人に話しても誰も信じようとはしなかったため、警察に被害届を提出することはなかった。いまから思えば、ほかにも同様の被害が発生していた恐れがあり、きちんと届出を行うべきであった、と反省している。
　それでも、男子が猥褻事件に巻き込まれた場合、被害届を提出するときのハードルは女子以上に高いのではないか、と思うことはある。被害を訴えるのは恥ずかしいことである、と男子自身が考えていることにもその要因はあるかも知れないが、男子が被害者となる性犯罪について、世間が軽視、というか、無視している、という側面もあるのではないか、という気はする。

　あのとき感じた気持ち悪さは、現在でも自分の中に残っている。きっと、一生消えることはないだろう。
　だから私は、あらゆる性犯罪を許さない。