ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

ドケチな吉田くん

2017-11-27 23:36:58 | 日記
同僚である32歳の吉田くんは腹が立つくらいのケチである。

会社の食堂は断じて利用せず
昼は毎日、100均の春雨スープだけ。
(なのに太ってる理由がわからない)
職場仲間や友人との飲み会は
飲み放題でなければ絶対に参加しない。
給料日は毎月必ず休みを取り
銀行に行って通帳記帳。
それを一番の楽しみとしている。

節約してお金をためて
たとえば貧しい国の子どもたちに寄付する、とか
世界一周の放浪の旅を計画している、とか
だったら応援しようというものだが
残念ながらそんな素敵な話ではない。
とにかく通帳の残高を増やしたい、その一念なのだ。

きのう、ある利用者さんの部屋のトイレが
とてつもなく汚い!という話になった。

週に1度ヘルパーが掃除をしているのに
なんでそんなに汚いのか?

情報を集めてみると
どうやらその利用者さんはトイレで流す習慣がない。
だからいつも便器に尿が溜っていて
尿石がこびりついてしまっているらしいのだ。

職員でその話をしていたら
吉田君が「そうなんだぁ、流さないといけないんだぁ」と
ポツリ、つぶやく。

は? アナタ、もしかして流してないの?

「いや、流しますけど、何回かに1回かなあ」

うっそでしょー?
それって、もしかして、水がもったいないから?

「…いや、まあ。
っていうか、、ボクのお母さんがそうしてたから…」

居合わせた職員とケアマネが、思わず顔を見合わせる。
コイツのケチの根源は、お母さんにあったのか~。
さらに言えば
こういう時に「ボクのお母さんが」と言ってしまうのも
ゲッ!と思ってしまうわけで。

吉田君の実家は持ち家だし
お父さんは教職に就いていたというし
吉田くん自体、すでに小さなマンションを買っているし
つまり、そうまでしなければならないほど極貧生活ではないはずだ。

なのに、トイレの水をケチる。

彼女いない歴、32年。
婚活バスツアーで挫折を味わい
いよいよ結婚相談所に入会しようと考えている吉田君だが
オバサン同僚は思う。
キミの結婚の可能性は、顕微鏡でも見えない。

コメントを投稿